「福島県民は、原発事故の被害者。それだけは、忘れないでほしい。あとで泣き寝入りすることのないように、考えて投票してもらいたい」――
9月28日、福島県知事選挙に出馬を表明した前双葉町長の井戸川克隆氏に、岩上安身がインタビューを行なった。井戸川氏は「福島県民不在で、放射能の安全神話が築かれていく現状を改めるために出馬を決意した。まず、正しく放射能を測定して、データを公表する。そして、県民が望むかたちでの救済を実行しなければならない」と語った。
さらに、県立医大の改革、健康手帳の発行、原発作業員の補償と確保、県民主導の原発被害解消委員会の設置、放射性物質税の導入、再生可能エネルギー事業など、さまざまな構想を説明した。
福島県知事選は、10月9日告示、10月26日投開票。現在の立候補予定者は、副知事の内堀雅雄氏、元岩手県宮古市長の熊坂義裕氏、牧師の五十嵐義隆氏、伊関明子氏、金子芳尚氏、高島努氏。そして、前双葉町長の井戸川克隆氏である。佐藤雄平知事の県政を継承する内堀氏には、自民党、公明党、民主党が支持を表明している。
- 日時 2014年9月28日(火)
- 場所 IWJ事務所(東京都港区)
今いちばん大切なのは命
井戸川氏は、立候補に至った経緯について、「この福島県知事選が持つ意味は大きい。被曝の怖さを代弁できる候補者の登場を待っていたが、いなかった」と述べ、「福島第一原発事故は、世界最大。ゆえに災害対策、事故補償なども世界一になるはずだ。年間20ミリシーベルトという被曝の基準も、県外の人がOKと言っているだけで、県民の真意は反映されていない。このままではダメだと思い、悩んだが立候補を決断した」と話した。
「今いちばん大切なのは命だ。現状では、子どもたちを守れない」と言う井戸川氏は、原発事故当時のスピーディ情報の隠ぺい、配布しなかったヨウ素剤、県民不在で事を進める現知事の姿勢などを批判し、「県民は、原発の恐怖を話せない。話せないよう仕向けられている」と述べた。
その上で、知事になったら、正しく放射能測定をしてデータを公表するとし、「このままでは、放射能は安全だという前例を作ってしまう」と警鐘を鳴らした。
また、復興のかけ声ばかりで、県民の救済、健康被害対策が滞っているとし、早急に「史上最大の避難作戦」を行うべきだと主張し、そのための財源は加害者に請求する、とした。井戸川氏は、立地自治体の首長(双葉町町長)として体験したことを、このように語った。
「事故前、原子力安全・保安院の関係者が町長室に来て、『原発は絶対安全だ。事故はないと約束する』と断言したことは忘れることができない」。
また、事故のあとは、全国民の支援で助けられたことに、改めて感謝を表明した。
「安全だ」と言いながら、自分は住む気がない役人たち
岩上安身は、井戸川氏の基本政策について尋ねた。井戸川氏は「県民で基準を決めて、放射線管理区域を作る」と述べ、現在の帰還の目安である、年間20ミリシーベルトという数値に疑問を投げかけた。
ICRPなどの国際機関が設定した年間20ミリシーベルトを掲げて「安全だ」と言う役人たちに、井戸川氏が「だったら、あなたが住んでくれ」と言うと、彼らは言葉を濁したという。「県民には、汚染地域に住んでいるハンディキャップがある。その補償をするべきだ」と、井戸川氏は訴えた。そして、10年後、20年後の県民の健康被害を保障するため、(年1ミリシーベルト以上の地域の人に)県が健康手帳を発行するとした。
「加害者たちが、将来、『ここに住むと決めたのは、あなたたちだ』と自己責任論を持ち出すことを防ぐのが目的だ。県民に、泣き寝入りをさせない」。
さらに井戸川氏は、福島県立医大の改革を挙げ、「今の県立医大には、原子力ムラに近い人たちが多く、放射能についての考え方が偏っている。県民は県立医大を信用していないから、健康調査のアンケートの回答率も20数%と低いのだ」と述べた。また、原発作業員の補償と人材確保のための施策、県民主導の原発被害解消委員会の設置についても言及した。
汚染を見えない形にしているのが悪い
岩上安身が「福島県の人たちは、我慢させられているのか」と聞くと、井戸川氏は、『美味しんぼ』の鼻血問題で発言した時に、表立って声を上げることができない多くの人たちから賛同が寄せられたとし、「あきらめの空気がいちばん怖い」と現状を憂慮した。
風評被害などが復興の邪魔になるという意見について、井戸川氏は「管理区域を設定して、放射能のデータを見えるようにすれば、みんな目覚める。見えない形にしているのが悪い」と話す。
岩上安身が「資産価値が下がるなどの理由で、自分の土地が汚染されたことを認めたくない人もいるのではないか」と訊くと、井戸川氏は「原発事故で土地の資産価値が下がったのなら、それを賠償請求するべきだ。それを恐れて黙ってしまうのは、自分の被害を訴える機会をみすみす逃すことになる。大事なのは、住民に気づいてもらうこと」と語った。中間貯蔵施設の問題になると、井戸川氏は、福島第一原発事故の前に、国と原子力安全・保安院が作っていた避難訓練の図を見せて、「自分たち(双葉町)は、これに参加したことはない。自治体はメンバーになっていない。中間貯蔵施設も、年20ミリシーベルトの安全基準の問題も、すべて地元を排除して決められている」と憤った。
「事故の情報公開も押し進める」という井戸川氏の言葉に、岩上安身は「福島第一原発事故の状況を、当時の吉田所長から聞き取った『吉田調書』の問題で、朝日新聞がバッシングに遭っている。そもそも、政府が情報を公開しないからではないか」と話した。井戸川氏は「公務員が情報を隠ぺいして、住民に著しい不利益を与えることは、公務員法の背任行為に当たると思う。事故の調書を公開しないようなことはあってはならない」と指摘した。
福島のサクセスストーリーを作りたい
原発事故とはどうゆうものなのか、被爆県民がどのように現状を認識してるか、沖縄基地問題とともに、これからの日本の将来が見えてくる選挙になる。
この人以外に、県知事はありえない。およそ彼は命を賭してるのは間違い無いと思うよ。自分の問題として、県民が考えられるか否かだな。
福島県知事選へ立候補を表明した元双葉町長・井戸川克隆氏インタビューhttp://iwj.co.jp/wj/open/archives/171363 … @iwakamiyasumi
https://twitter.com/to0193oz/status/517235904486715392
世界一の原発事故に対する世界一の事故補償の財源は、次の方法で確保するべきです。
・東京電力(グループ会社を含む)社長や役員の年収を従業員100人以下の中小企業の社員及び非正規就業者の平均まで削減する
・向こう10年間の幹部職員(東京電力グループ会社を含む)の賞与カット
・東京電力の全資産売却
・東京電力の全内部保留を充当
・東京電力企業年金の廃止
・特別会計(18兆円)を充当する。
・税金と保険料を一体徴収にて保険料の徴収漏れ(約10兆円)防止。
・高速増殖炉の廃止
・国会法第35条及び36条廃止による議員報酬50%削減
国会法第35条:国会議員の報酬はあらゆる公務員の報酬より高くする。
国会法第36条:国会議員は退職金を受けることが出来る
・10年以上国家議員を務めた場合支給される恩給を、国民投票で評価し、評価が一定以下ならば支給開始時点の一般国民の年金受給額とする。
・公務員の給与体系は、従業員100人以下の企業及び零細企業で働く人の平均年収をベースに作成する。
・管理職相当の権限と責任がある公務員の給与や賞与は国民の生活状況及び各省庁への国民の査定で上下するような仕組みにとし、特に各省庁の上級職は省庁に対する国民査定の結果次第で賞与額に2,3倍差がつく仕組みにする。
・政府株売却(2兆5千億円)
・公務員宿舎売却。
・無実の人を有罪にした警察、検察官は、悪意がなくても降格や賞与カットの対象とする。警察の例でいえば、巡査は賞与を1年カット、巡査長は10年昇格停止の上、冤罪発生に関わった回数プラス1回昇進試験に合格しないと昇格出来なくする。
警部補は1階級降格、警部以上は2階級降格、警視正以上は2階級降格に加え退職金全額を冤罪被害者への生活補償に充当。
・振込め詐欺、麻薬密売等犯罪で所得を得た事が立証された場合、犯人の財産を没収し、不足であれば労働で償う。
*国会議員及び地方議員の高給与を保証しているのは日本だけです。
第二次世界大戦前は、国会議員の給与はさして高額ではなかった。地方議員は無給の名誉職でした。
敗戦後、GHQ占領下にあった時期、GHQは議会が軍部に無謀な戦争を止められなかったかと疑問を抱き、議会を強くしようとしました。その一環として1947年に以下の次の法令を制定しました。
国会法第35条:国会議員の報酬はあらゆる公務員の報酬より高くする。
国会法第36条:国会議員は退職金を受けることが出来る
上記のような国会議員を優遇する法があるのは世界中で日本だけです。
国会議員の報酬は従業員100人以下の企業の従業員、零細企業の経営者の平均収入と連動させるべきです。カナダのバンクーバーは、長年世界一住みやすい都市だったのですが、市会議員の給与は市民の平均給与に制定しているそうです。日本もこの仕組みを導入すれば、増税は不要となります。
議員の給与を下げると良い人材が集まらなくなるという考えもありますが、名古屋市では議員の報酬を1,700万円から800万円に下げましたが、人材の低下はないそうです。むしろ、高額の報酬を得ている都議会議員や兵庫県議会議員の方が問題を起こしています。