東通原発1号機の審査着手を承認~2014年度 第12回原子力規制委員会 2014.6.18

記事公開日:2014.6.18取材地: テキスト動画
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 2014年6月18日10時30分より、2014年度第12回原子力規制委員会が開催された。東北電力東通原発1号機について、他のサイトを共通する論点について、審査の効率化を図ることから着手することが承認された。ただし、基準地震動の設定によっては、やり直すことを前提としている。

■全編動画

議題 1 実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則の解釈の一部改正(案)等に対する意見募集について

 原子力規制委員会は、学会が策定する民間規格について、技術評価を行った上で活用することとしており、評価後に”技術評価書(案)”を作成し、パブコメを募集することについて議論した。

 規制基準にある性能水準要求を満たす仕様として、日本原子力学会、日本機械学会、日本電気協会等の規格を活用している。今回は日本機械学会が策定した発電用原子炉の”設計・建設企画”と、”材料規格”について、技術評価書(案)を作成した。材料強度に関して、安全係数の変更、条件の不明確な箇所の明確化、ASME(米国機械学会)規格に沿うような変更が行われている。

 また、旧保安院時の内規にて基準地震動をS1、S2と記されているものについて、Ssと読み替えた規制庁の内規とするような改正が行われた。

 技術評価は今後も続くことから、更田豊志委員は学協会と規制庁との技術的な議論を進め、「両者有益になることを期待する」とコメント。田中俊一委員長は、「原子炉のトラブルは材料に起因することが多い、新しい材料を取り入れ、安全をプロモートすることが大事だ」とコメントした。

 6月19日から、30日間の期限でパブコメを募集することが承認された。

議題 2 平成25年度核物質防護検査等の実施結果について

 法律により、年に一回実施することが定められている核物質防護検査の2013年度分の結果が取りまとめられ、報告された。

 原子力規制庁が、原子炉等規制法に基づいて行う核物質防護検査は、商用原発や研究炉、大学等の施設、燃料加工・再処理施設、廃棄物管理施設など、合計59施設について行った。結果、3件の規程の遵守義務違反があった。

 さらに、国土交通省が原子炉等規制法又は船舶安全法に基づき行った、核燃料の輸送時の検査も行われたが、特段の問題はなかったという。

 大島賢三委員から核物質防護に関して、「国際的に核セキュリティ文化を高める方向にあり、日本もその取組みが大切、内部脅威の問題がまだ残っている。今後、力をいれてスピードアップを図るように」とコメントがあった。

議題 3 国際原子力機関(IAEA)の国際核物質防護諮問サービスについて(公式準備会合の開催)

 2015年2月を目途に正式に受け入れることが決まったIPPAS(国際核物質防護諮問サービス)について、6月30日~7月1日に公式準備会合を行うことが報告された。IAEAより2名が訪れ、IPPASミッションの範囲、日程、訪問施設や事務事項の調整等について会合する。

 更田委員、大島委員から、「セキュリティ的には良いことでも、セーフティ的には良くないこともあることから、”セキュリティ”と”セーフティ”の重なる部分について、内部的にもよく調整しておくように」とコメントがあった。

 また、特定原子力施設(福島第一原発)の核物質防護の考え方はどうするのか、ということについても、まとめて報告するよう指示があった。

議題 4 東北電力東通原発1号機の適合性審査の進め方について

 東北電力東通原発1号機は、6月10日に審査申請が出され、6月17日に第一回目の審査会合が行われた。同原発は敷地内破砕帯の評価がまだ終わっておらず、一定の見解をまとめた後に審査を開始する方針となっている。

 実際の審査チームより、BWR型発電所に共通する論点や、地震・津波・火山に関しても他のサイトと共通する論点については、審査に着手したいとの提案があり、委員会で議論された。

 共通する論点については、手戻りがあり、やり直しになることもあるという前提で、審査に着手することが承認された。

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