2014年6月4日10時30分より、2014年度第10回原子力規制委員会が開催された。東京電力福島第一原発の凍土式遮水壁について、更田豊志委員は「力を入れる所を誤らないように」と苦言を呈し、東電にもエネ庁にも、意見を言う必要があるならば言っていく考えを明らかにした。
2014年6月4日10時30分より、2014年度第10回原子力規制委員会が開催された。東京電力福島第一原発の凍土式遮水壁について、更田豊志委員は「力を入れる所を誤らないように」と苦言を呈し、東電にもエネ庁にも、意見を言う必要があるならば言っていく考えを明らかにした。
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2013年10月の委員会で”要対応”の扱いになっていた案件の、その後の検討状況について報告するとともに、規制庁発足後、初めての安全に関わる”新知見”になることから、今後の対応方針について議論された。
安全に関わる”新知見”は、リスクの評価に応じて、規制基準の改訂、あるいは解釈の改訂等を行い、その上で適合性を確認する方針が示された。さらに、要対応で残っていた案件はプラントに関する案件だが、地震や津波に関しても新知見が得られれば、同様な対応を行う方針だという。
中村佳代子委員は、何をもって新知見とするのか、基準を明らかにするよう指示し、田中俊一委員長は、埋もれている知見はないか気をつけて対応するよう指示した。
規制庁は、IRRS(IAEA総合的規制評価サービス)の受入れを見て、IAEAの安全要件やISO規格を参考にしたマネジメントシステムの構築を検討している。今後の構築方針について、事務方から案が提示され、概ね承認された。
多量の文書作成といった事務作業が多く予想されることから、田中俊一委員長は「いろいろ試行錯誤しながらのところがあるが、よろしくお願いする」と声をかけた。
東京電力福島第一原発の凍土式遮水壁について、現在までの審査状況や現状について委員会に報告するもの。
2014年3月7日に、東電から実施計画の変更認可申請が提出され、審査が続いている。遮水壁を建設するにあたり、人も、資金も、多くの資源を投入しなければいけないことは明白だが、いまだ論点が残っている。更田委員は「力を入れる所を誤らないように」と苦言を呈し、東電にも資源エネルギー庁にも、意見を言う必要があるならば言っていく考えを明らかにした。
汚染水対策は遮水壁が唯一ではなく、すでにALPSを運転している。しかし、いまだトラブルが続き、ホット試験段階にとどまっている。さらに、海水配管トレンチの凍結遮蔽の完了が近づき、滞留汚染水の除去、ドライアップの目途が見えてきたことから、まずはこれらを”きちんとやるように”ということだ。
■jaikoman氏によるツイート