1月27日付の共同通信が、米国が冷戦期に研究用として日本に提供したプルトニウム300キロの返還を求めている、と報じた。オバマ政権が2010年に核安保サミットを開催した前後から、東海村にある日本原子力研究開発機構が管理するプルトニウムを問題視し、日本に返還を求めているという。
このニュースを、どのように読み解けばよいのか。共同通信が報じた直後、Twitter上で独自の分析を展開したのが、『3.11~死に神に突き飛ばされる』(岩波書店、2011.11.18)などの著書がある、早稲田大学教授で文芸評論家の加藤典洋氏である。
- 日時 2014年2月4日(火)
- 場所 IWJ事務所(東京都港区)
プルトニウムの返還を要求するという米国の政治的メッセージをどう読み解けばよいのか、そして「脱原発」が最大の争点となった今回の東京都知事選への影響はあるのか。岩上安身が聞いた。
原発はエネルギーの問題だけではない
加藤氏は、1988年に締結された日米原子力協定(包括協定)の期限が2018年に迫ってきていることを重視する。日本の原子力政策とは、原発という「核の平和利用」としての側面と、プルトニウムの製造を可能にする「核燃料サイクル」を通じた「核技術抑止」(潜在的核保有)という安全保障の側面とが、表裏一体の関係にあると指摘した。
そのうえで加藤氏は、「平和利用」と「核技術抑止」とを両立させる戦後日本の「中庸」路線が、安倍政権の暴走によって不可能になりつつあるのではないか、と懸念を表した。
「中庸」をいかに再構築するか
岩上安身による文芸評論家・加藤典洋氏インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/123524 … @iwakamiyasumi
プルトニウム返還と迫る日米原子力協定の期限、今後の日本がどう進んでいくのかを考える上で重要なインタビュー。ぜひ、会員になって全編聴いてほしい。
https://twitter.com/55kurosuke/status/577756422890377216