【IWJブログ】米国から日本政府への研究用プルトニウム「返還」要求について、外務省「ノーコメント」 2014.1.27

記事公開日:2014.1.27 テキスト
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 「オバマ米政権が日本政府に対し、冷戦時代に米国などが研究用として日本に提供した核物質プルトニウムの返還を求めていることが26日、分かった」と1月27日付で共同通信が報じた。このニュースは多方面に衝撃を与え、今も「米国の意図」について様々な憶測が飛び交っている。

 この件に関し、IWJは外務省へ電話取材し、報じられている事実について問い合わせた。応じたのは、外務省の軍縮不拡散・科学部、不拡散・科学原子力課の首席事務官である。外務省との電話取材の概要については、岩上安身の連投でお伝えしたが、以下、やりとりの一部始終と、岩上安身のツイッターでのコメントを掲載する。

外務省「さきほど、外務省の方に、毎日新聞だと思うんですが、プルトニウムの米国の関係で照会があったと思うのですが、その件でお電話差し上げました」

 外務省が「毎日新聞」と語ったのは、1月26日付で毎日新聞がこの件を共同電としてつたえていることによる。

外務省「研究用プルトニウムの返還に関しましては、もともと2001年のアメリカの同時多発テロ以降、テロ、特に核物質を使ったようなテロ、核テロの脅威となるような核物質として、高濃縮ウラン、プルトニウムの削減を広げようとするプログラムをアメリカが実施しております。

 日本としても核物質のセキュリティ強化を重視しておりまして、国際的な核セキュリティ強化への貢献という観点から、こういったアメリカの取り組みに積極的に協力してきているというところです。

 こうした点につきましては、従来よりアメリカと協議中でありまして、なかなか詳細については申し上げられないのですが、国際的な核セキュリティ強化への取り組みということで、我々としても重視して、いろいろな協力を行ってきているということでございます。

IWJ「報道されていることは、事実として間違いがないのでしょうか?」

外務省「これを(政府関係者が)明らかにしたということは、我々は承知していないのですが。例えば、プレスリリースといったことで明らかにしたということはございません。

 いずれにしても、核セキュリティ強化の中で、アメリカだけではなく、世界的に核テロの脅威となる物質をどんどん減らしていこうという大きな方向性があり、そのような中で出てきた話であると承知しておりまして、具体的な中身についてはコメントを差し控えたいと思います」(了)

岩上「はぐらかすような回答の仕方であるが、核テロの脅威を減らす米国の方針に応じている、という婉曲な言い方で、報道を否定はしなかった」

    このニュースに関する加藤典洋氏の連投ツイートのまとめ

 この件について、IWJは引き続き断続的に取材を続ける。

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