【第641号-643号】岩上安身のIWJ特報!急激な円安!! 日経平均株価4万円超えと急落・反転は「令和バブル」の始まりか!? 終わりはいつくるのか!? 都心を中心に広がる地価高騰が家賃上昇や、さらなる物価上昇を招く! 鍵となったのは、半導体株! その最先端の戦いが米中で火花を散らす!岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏インタビュー 2024.6.2

記事公開日:2024.6.2 テキスト独自
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(文・IWJ編集部)

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 2024年4月25日、東京外国為替市場では円相場が一時、1ドル=155円台半ばにまで下落した。東京市場で155円台を付けたのは、バブル期の1990年6月以来、約34年ぶりになる。

 政府・日銀による円買い・ドル売りの介入警戒ラインと言われていた155円台になったことで、「いつ、介入が実施されてもおかしくない」との声も出る一方、そもそも米国の金利引き下げが原因で、外貨が流れ込んでいるのが原因のため、介入しても円安の抑制効果は限定的だとの見方もある。

▲田代秀敏氏(IWJ撮影、2024年3月18日)

 4月25日の東京株式市場もまた、前日に大きく値上がりした反動で下落した。日経平均株価は、利益確定売りなどに押されて、下げ幅が一時700円を超えた。終値は前日比831円60銭(2.16%)安の3万7628円48銭だった。

 日経平均株価は、前月上旬(3月4日)に空前の4万円台を突破した後、3月11日、12日、13日と急落し、週明けの月曜日18日には急反発するなど安定しない。

 株価が3月に4万円台まで上昇した時点で、こうした動きの原因や、その影響を見極めるため、岩上安身は2024年3月18日の時点で、エコノミストの田代秀敏氏に緊急インタビューを行った。

 「このような反転急上昇は、そうそうあるドラマではない。虚の部分というのが非常に大きいように感じられる。一体、何が起こっているのか?」

 そう問いかける岩上安身に、田代氏は、日銀のマイナス金利解除と株価や円相場、住宅金利への影響などについて、詳しく説明していった。

 そもそも「日経平均株価」とは何を表しているのか? 日本の優良な上場企業から選ばれた225社の株価の平均ということだが、田代氏は、「日経平均株価は不思議な構造になっていて(日本を代表する大企業の)トヨタの株価には、あまり反応しない」と言う。

 「聞いたことがないような会社の株価の方が、あるいは、有名だけどトヨタに比べると、うんと規模の小さな会社の株価の方が、トヨタよりも何十倍も日経平均株価を動かしている、そういう仕組みがある」

 それゆえ、3月4日に日経平均株価が4万円を突破した一方で、東証プライム市場では、トヨタも含めて、全体の約3分の2にあたる1120銘柄が値下がり、ということも起きている。

 田代氏は、カール・マルクスとフリードリッヒ・エンゲルスによる『共産党宣言』の「ヨーロッパに幽霊が出る──共産主義という幽霊である」という有名な冒頭の一文をもじって、「日経平均株価」を批判した。

 「今、日本の証券市場に『日経平均株価』という怪物が徘徊しているわけです。経済の実態を表していないどころか、有害かもしれない。自分の株式投資の参考にするのも危険だし、もっと言うと、経済政策の参考基準とするのは、ものすごく危険ですよ。間違った経済政策を行なってしまう可能性がある」。

 田代氏はそう語り、「日経平均株価」そのものについて、疑いを差し挟む必要があることを強調した。

記事目次

  • プーチン再選のロシア、「もしトラ」のアメリカ、緊迫の中東! 国際情勢で嵐が吹き荒れる中、日本は日経平均株価4万円突破! これは「令和バブル」なのか!?
  • いつか弾ける「バブル」ではなく、「好循環」と言いたい岸田政権。しかし、東証プライム市場は、約3分の2の1120銘柄が値下がりの現実も!
  • 『日本経済新聞』が選んだ225社の株価で作る「日経平均株価」は「前々世紀(19世紀)の遺物」であり、実態と違う数字が出る「壊れた体温計」。それを後生大事に掲げて振り回されている経済界!
  • 前々世紀の遺物である「日経平均株価」がゴジラのように咆哮、のし歩く!「これは亡国の仕掛けではないか?」
  • マイナス金利解除で日本の金利体系の「どん底」がマイナスから少なくともゼロに上昇! AIが円高を予想、買いを入れるので先取り現象が生まれる!
  • 3月中旬、米国の株式市場が下落! すでに不動産バブルは弾け、高層ビル建設の工事も止まっている!「アメリカの株価、かなり限界です」
  • ヒスパニックとアラブ系が増え、2050~55年には有色人種がアメリカ総人口の半分を超える予想も! 人口動態と政治のバランスに歪みが出る!?
  • 電気自動車のテスラ株は大暴落! 広大な国土のアメリカで充電設備が追いつかず、ガス欠ならぬ「電欠」の懸念。時価総額はピーク時の半分に!

プーチン再選のロシア、「もしトラ」のアメリカ、緊迫の中東! 国際情勢で嵐が吹き荒れる中、日本は日経平均株価4万円突破! これは「令和バブル」なのか!?

岩上安身(以下、岩上)「皆さん、こんばんは。ジャーナリストの岩上安身です。ゲストの、エコノミストの田代秀敏さんをご紹介させていただきます。田代さん、よろしくお願いいたします。

 本日は、ロシアの大統領選の投開票日といいますか、大体が決まるということで、もうほとんど決まったわけですけれども、予想通りといいますか、プーチン大統領が再選されました。

 で、これは『思いがけなかった』と(プーチン氏)本人もおっしゃってるのは、いわゆる東部ドンバス地方のですね、4州。侵攻してから併合した4州ですね。ここでの得票率が極めて高かったということですね。

 あまり日本のマスメディアは、このことを報じてないんですけども、この選挙期間中といいますか、今日に至るまで、ずっとウクライナはですね、(4州への)攻撃を仕掛け続けてたんですよ。

 つまり、プーチン再選ということになれば、当然、ここ(東部の4州)を(ロシアが)守っていくという形になるでしょうから、そうなったらずっと、永劫、ここを攻撃し続けるからな、というメッセージなわけですよね。そういう政治メッセージが含まれていたわけですけれども、それでも、やはり住民の意思というのは示されたと。

 もちろん、これはまた、選挙のごまかしがあるんだとか何とか、そういったような話は、どうせ(日本を含む西側のプロパガンダ報道では)出てくるんですけれども。とりあえず、そうしたこと(4州でのプーチン氏の支持が非常に高かった事実)が起こったことによって、欧州の反応、米国の反応、もう大変、てんやわんやの状態になっています。

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