【IWJ号外】バイデンの汚職がウクライナの破滅を招いた! 『グレイゾーン』が、元ウクライナ政府高官の独占インタビュー!(その2)2014年マイダン・クーデターの時、米国は裏で全面的に関与!! 2023.8.16

記事公開日:2023.8.16 テキスト
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(文・IWJ編集部)

 IWJ代表の岩上安身です。

 『グレイゾーン』が7月13日付で「バイデンの汚職がウクライナの破滅を招いた」と題して、元キエフ外交官であるアンドレイ・テリシェンコ氏のインタビューを公開しました。インタビューと記事は、ジャーナリストのアーロン・マテ氏によります。

 インタビューの模様は、YouTubeでも公開されています。

 IWJでは、このインタビューの全文仮訳を進めています。

 8月13日に号外でお送りした「バイデンの汚職がウクライナの破滅を招いた」(その1)に続き、(その2)をお送りします。

 テリシェンコ氏とマテ氏の経歴は、(その1)でご確認ください。

 (その1)では、冒頭部と、2016年の米大統領選挙において、ウクライナ系米国人やウクライナ大使館が、ジョー・バイデン副大統領(当時)やヒラリー・クリントン候補陣営と共謀して、トランプ陣営主要スタッフの「汚職疑惑」を作り上げていった経緯が語られています。

 (その2)では、2014年のユーロマイダン・クーデターで、ヤヌコビッチ政権が暴力的に引き摺り下ろされ、親欧米政権が樹立されていくプロセスに、米国が「全面的に関与していた」とテリシェンコ氏が、証言します。

 テリシェンコ氏は、米国はウクライナを「バスの下に投げ込んだ」、つまり、ウクライナ側の信頼を裏切った、と繰り返し訴えています。どうぞお読みください。


『バイデンの汚職がウクライナの破滅を招いた:元キエフ外交官』
アーロン・マテ、2023年7月13日

その1の続き

テリシェンコ氏「残念なことに、私はそれ(マイダン・クーデター)に大きく加担してしまいました。私はまだ若く、米国から帰ってきたばかりで、ウクライナが民主化されることを望んでいました。

 私は、米国が世界にもたらそうとしている本格的な民主主義というものに惹かれていました。私は当時、(ヴィクトル)ヤヌコビッチに対するウクライナの反対派の一員でした。

 彼らは私に、マイダンの国際関係の調整役をしないかと要請してきました。非公式な部分で、米国大使館や米国大使(ジェフリー・)パイアットと緊密に仕事をするように、オファーしてきたのです。

 私は、米政府高官と緊密に仕事をしました。ジョン・マケイン上院議員の(ウクライナへの)招待(※IWJ注1)の際には、彼の警備は私の監視下にあり、私はそのプロセスを調整していました」。

(※IWJ注1)ジョン・マケイン上院議員の招待:ジョン・マケイン氏は、共和党上院議員、タカ派であり、ドンバス紛争が起きてから以降、ロシアやプーチンに対して、数々の攻撃的で侮蔑的な言葉を投げつけてきた。『ロシアは、国家の仮面を被ったガソリンスタンドであり、泥棒政治国家であり、汚職国家である。だからこそ、経済制裁が必要なのである』『現在、ロシアが最も主要な脅威だと思っている、「IS」より、ずっと深刻である』『我々は、ウラジーミル・プーチンという名の殺人鬼と仕事をしている』『プーチンは、人の弱さを利用し、汚職、弾圧、暴力を用いて、国家を運営しているのである』『プーチンは、友人でも、競争相手でも全くない。プーチンは、アメリカの敵であるが、それは、我々がそれを望んだからではなく、プーチンがそう選択したのである』。2018年8月25日に死去。
 遠藤誉氏によると、「(2013年)12月15日、ジョン・マケイン共和党上院議員とクリス・マーフィー民主党上院議員がウクライナ訪問し、野党党首(ヤツェニュク)と会談して、マイダン革命を支持した大衆を応援し激励した」という。
 マケイン氏は、全ウクライナ連合「自由」総裁オレフ・チャフニーボクとヤツェニュクを訪問している。「自由」は、ウクライナのネオナチ・民族主義政党である。
・遠藤誉(2022)『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略――世界はどう変わるのか』PHP新書
尊厳の革命(wikipedia)

テリシェンコ氏「あの不吉な『ヌーランド・クッキー』(※IWJ注2)は、私のアイデアでした。

 2013年12月、彼女(ヴィクトリア・ヌーランド、当時は米国の欧州・ユーラシア担当国務次官補)がキエフにいたとき、パンを配ろうとしていました。私は彼女に、『あなたはイエスではないのだから、もっと地に足の着いた何かを持って人々の前に出ていくべきだ』と、その計画をあきらめるように勧めました。

 そうやって、私はそれ(マイダン・クーデター)に巻き込まれました。米国政府は本格的に関わっていました。米国政府だけではなく、米国政府のコントロール下にあるG7の大使たちも。

 ですが、私はそこにいました。米国大使のパイアット(※IWJ注3)が、マイダンに来た時、私は群衆をかき分けて彼を迎えに行き、私たちが座って決断をした建物に連れていきました。お金がどこにあって、『右派セクター』(※IWJ注4)がどこにいて、火炎瓶や爆発物の準備をしているのか、彼に見せたのです」。

(※IWJ注2)ヌーランド・クッキー:ヴィクトリア・ヌーランド米国務次官補(2013年~2017年)が、マイダン革命の時に、ユーロ・マイダンに集まったデモ隊の人々にクッキーを配り、デモ群集を煽り、励ましていたことを指す。ヌーランドがクッキーを配っている映像は、数多く残っている。ヌーランド氏は2021年に、米国務省次官に昇格している。
Victoria Nuland gives food for demonstration people in Ukraine(FrontNews Ge、2013年12月11日)
(※IWJ注3)パイアット:ジェフリー・R・パイアット(Geoffrey Ross Pyatt)、オバマ政権下で、2013年7月30日~2016年8月18日まで駐ウクライナ米国大使を務めた。その後、駐ギリシャ米国大使を経て、2022年からはエネルギー資源担当国務次官補を務めている。
Geoffrey R. Pyatt(wikipedia)
(※IWJ注4)右派セクター:2014年3月22日に創設された、ウクライナの民族主義者らで構成される極右政治団体・政党・準軍事組織。極右民族主義団体・トライデント、ウクライナ民族会議 ― ウクライナ人民の自己防衛、ウクライナの愛国者、ウクライナ国民会議、ホワイトハンマーなどが合併し、右派セクターを創設した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B3%E6%B4%BE%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC(wikipedia)

テリシェンコ氏「私はその経緯をすべて目撃しました。だからこそ、彼らは、マイダンクーデターの直後、私にウクライナ政府の一員にならないかというオファーをしたのです。そういうふうにして、私は『ディープ・ステート』の人たちと仕事を続け、目撃したのです。

 当時、私は彼らにとって、チームの一員であり、『いい奴』でした。彼らは私に対して、ウクライナ人であることや何かを発言することに、何の問題も感じていませんでした。私は彼らのことは、話さなかったからです。

 私はクーデターの一員でした。私は、もしクーデターの間に私の身に何かが起きたら、米国大使館が必要に応じて避難する手伝いをしてくれるという、身の安全の保証をもらっていました。

 それは、米国市民と同じようにというのではなく、私たちがそういう関係にあったから、彼らはそうすることを申し出たのです。

 もし、ウクライナ側の誰かをパイアットに会わせる必要があれば、私は、ただ、彼か、彼のアシスタントの携帯に電話をする、そうすると、2、3時間以内に会うことができました。

 その逆ももちろん、ありました。もしパイアットが、ウクライナ側の誰かと会う必要があれば、それは実現しました。それは、マイダンの後も続きました。

 しかし、ここであなたに言っておかなければならないのは、マイダンは、米国政府とキエフの米国大使館によって、完全に調整され、コントロールされていたということです。

 広報をしていた親ソロス派の人々による公式な側面がありましたが、密室で行われていたことはすべて、米国大使館関係者の関与のもとに行われていました。

 エリザベス・ゼントス(※IWJ注5)のようなホワイトハウスの米政府高官も関わっていました。私はワシントンの駐米ウクライナ大使館にいた頃、ずっと彼女と一緒に仕事をしていました。彼女は、ジョー・バイデンの国家安全保障チームの一員でした。

 つまり、このプロセスは、非常に深く結びついており、それは今日まで続いているのです。

 ウクライナにとって不幸なことに、戦争が始まりました。当時私はそれを理解していませんでした。 私がそれを理解したのは、数年後、2016年から17年にかけて真実を公表した時です。そして、私は、私の国を支配されないように『ディープ・ステート』と戦い始めました。

 しかし、このプロセスは2014年に始まったのです。ウクライナでの戦争と外部からの干渉によって、マイダンで人々が死に、ドンバスで人々が死に、ウクライナがバスの下に投げ出されました(※IWJ注6)」。

(※IWJ注5)エリザベス・ゼントス:(Elisabeth Zentos)、米国の外交官。米フォーリン・サービス協会によると、2012年から2014年まで、ゼントスはキエフ大使館の政治軍事部長を務め、ウクライナのマイダン革命とロシアによる初のウクライナ東部侵攻への対応にあたった。
2022 Awards for Constructive Dissent(American Foreign Service Assosiation)
(※IWJ注6)ウクライナがバスの下に投げ出されました:ウクライナが犠牲になった、米国に裏切られた、という意味。「throw someone under the bus」は、自分が利益を得るために、または悪意で、自分の近親者・仲間・友人などを犠牲にする、という意味。
throw someone under the bus(英辞郎)

テリシェンコ氏「そして、(ウクライナは)ジョー・バイデン、ディープ・ステート、クリントン、ソロス、そしてあなたが名前を挙げることができるすべての人たちの腐敗したスキャンダルや、汚職の計画のためのボロ布として使われるようになりました。

  彼らは皆、ウクライナに関与し、資金を持ち、フランクリン・テンプルトン(※IWJ注7)のように、ウクライナを経由して、数十億ドルのマネーロンダリングがウクライナの融資先である米国企業に行われました。つまり、残念ながら、このプロセスは、今日私たちが目にしていることと、すべてつながっているのです」。

(※IWJ注7)フランクリン・テンプルトン:グローバルに展開する独立系の資産運用会社グループ。
Franklin Templeton(Web site)

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