IWJ記者の「有事の国民の飢餓リスク」の質問に対し「備蓄・増産、友好国からの輸入も考えるが、海上封鎖が起こらないよう世界の平和を願って外交的な交渉をやっていく」と野村大臣!!~4.7 野村哲郎 農林水産大臣記者会見 2023.4.7

記事公開日:2023.4.7取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

 2023年4月7日午前9時15分頃より、東京都千代田区の農林水産省にて、野村哲郎農林水産大臣の記者会見が開催された。

 冒頭、野村大臣からの報告事項はなく、大臣と各社記者との質疑応答となった。IWJ記者は、「食糧安全保障」、特に、有事における国民の「飢餓リスク」について、次のように大臣に質問した。

 「前回に引き続き、有事の際の国民が飢餓に直面するリスクについてうかがいます。

 現在の日本の食料自給率は38%とされていますが、有事、つまり戦争において海上輸送が封鎖されれば、石油タンカー、食料輸送船が日本に届かなくなり、100%輸入頼みの石油、および、輸入に多くを頼る種子や肥料、飼料などが枯渇し、備蓄が十分になければ国民は飢餓に直面します。

 野村大臣は、4月4日の会見で、『肥料などの原料を備蓄することも考えていかなければならない』とおっしゃいましたが、肥料だけでなく、主食の米を中心に、戦争が数年続いても、国民が飢えないだけの食糧備蓄が必要なはずです。戦争が起こり、海上輸送網がすべて封鎖された場合、日本国民を餓死させないためには、何がなされるべきか。

 まず、十分な備蓄の量と予算について、農水省の考えをお聞かせいただければ、幸いです。よろしくお願いします」

 この質問に対して、野村大臣の答弁は、以下の通りであった。

 「そうならないように、やっぱり、やっていかなきゃいけないんで、有事の際は、そういうことも心配なことのひとつであります。だから、最悪のことを考えながらやっていかなきゃなりませんが、ただ、すべてを国産で賄うということは、今の国内の農地の2倍の面積が必要。まあ、これはもう、御存知の通りです。

 だから、日本だけで国民の胃袋を満たしていくことはできないので、やはり、現実的な備蓄と、それから増産、こういうことも考えていかなきゃなりませんが、やはり、不測の事態においても一定の輸入を確保することは、極めて重要だと思います。

 だから、それを全部敵に回すわけじゃなくて、友好国から輸入していくとか、今、現実もそうなんですよ。例えば、今、ウクライナ、あるいはロシアからの小麦がなかなか入りにくいですが、日本の場合は、カナダから小麦は入れていますから、余り心配することがない。

 それから、肥料の中でも、リンが中国から9割を占めていたんですが、このリンが、中国も自国生産に踏み切っておりまして、リンが入ってこなくなった。どうしたかというと、アフリカのモロッコから、このリンも輸入している。

 そういうような形で、友好国なり、あるいは輸入に対してちゃんとこたえてくれるような国との、やはり、常日頃の、この不測の事態にならないように、なっても、そういう国から輸入させてもらえるようにやっていかなきゃいかぬだろう。

 こういうことも考えておりますが、まず、第一義には、そういうことが、海上封鎖みたいなことが起こらないような、世界の平和を願って、あるいはそういう交渉を、外交的な交渉をやっていかなきゃいけないというふうに思います」

 詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画

  • 日時 2023年4月7日(金)9:00〜
  • 場所 農林水産省内 講堂(東京都千代田区)

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