2020年5月26日、千代田区の農水省で、江藤拓農林水産大臣による定例会見が行われた。
冒頭、江藤農水大臣は、新型コロナウイルスの蔓延により全国の学校が休業したことで給食の提供が行われなくなったことについて「子ども食堂による食事の提供が学校給食の補完機能を果たしている」として「食育の観点から、学校給食用政府備蓄米を、無償供与する」と述べた。
政府の緊急事態宣言解除を受けて、国内農産物の需要回復に向けた見通しを問われると「一定の需要回復は見込まれるが、インバウンドがほぼほぼ無い」、「キャベツや白菜などは高値だったりするが、高級なものは相変わらず苦戦が続いている」、「農林水産物については相変わらずまだら模様」と語った。
また、「農業はこれからが繁忙期、第一次補正予算を利用してもらい人手不足の解消に役立てて欲しい」と述べた。
しかし、子ども食堂の存在は行政による貧困家庭への支援不足が生み出したものであり、農業労働力の不足も長年続く問題だ。これらの問題をコロナ禍特有のもののように捉え、一時的な解消のみを行う、行政の場当たり的な姿勢が表れた会見となった。