10月11日、岩上安身は神戸学院大学の上脇博之教授に、10日の続編のインタビューを行った。
上脇教授は今年9月28日付けで、元安倍総理補佐官の薗浦(そのうら)健太郎衆議院議員、薗浦議員の政治資金管理団体「新時代政経研究会」の会計責任者である大谷勇人氏を政治資金規正法違反の闇政治資金パーティー事件で、株式会社ライズ・ジャパンの仲井力社長を、政治資金規正法の「寄付の総額の制限」違反で、刑事告発した。
11日の岩上安身によるインタビュー「続編」では、自民党の有力政治家や高級官僚らを講師に招き、企業経営者らを集めた「高級秘密クラブ」とも呼ばれる「志友会」を運営する経営コンサルタント会社「ライズ・ジャパン」について、上脇教授に詳しくお話をうかがった。
上脇教授の告発状によれば、ライズ社が主催する「志友会」は、「情報・人脈を共有する経営者の会」とされ、「経営者勉強会」を開催している。勉強会の講師には、菅前総理や麻生副総裁、加藤前官房長官、小泉前環境相や、現職の事務次官などが招かれ、終了後には天下りの相談も行われていたという。
ライズ社は政治家を「広告塔」として、地方の中小企業経営者から高額の会費や寄付、勉強会の会費を集め、政治家には「お礼」として資金提供を行うという新手の政官財癒着ビジネスを展開しているのである。
また、志友会に会員を多数勧誘した富山県の女性経営者に対しては「ご褒美」として安倍総理主催の「桜を見る会」に招待していた。安倍氏が「桜を見る会」をいかに「私物化」させていたか、よくわかる。
上脇教授は、「安倍総理のルートか他のルートかわからないけれど、ご褒美が『桜を見る会』招待というのは、底辺で安倍さんたちとつながってますよね」と指摘。
岩上安身が「名簿作りの手伝いもやってないか? ライズ社を調べれば桜を見る会の裏側が見えてくるかもしれない」と述べると、上脇教授は「そうなんです。ここでつながってますよね。志友会は桜を見る会があることによって存在意義をアピールできる」と応じた。
また、告発状によると、ライズ社は「志友会」会員に政治家の闇政治資金パーティーの案内メールも送っており、多額のパーティー券を購入した会員は有力政治家とホテルでの「食事会」に参加できる「特典」もあったということで、新しい形の政官財の癒着構造が浮かび上がってきた。
上脇教授は「講演すると闇政治資金パーティーで、ライズ社が便利に動いてくれる。ここに任せておけばパーティー券が売れて、政治家にとってもお得」と語った。
上脇教授は今回の告発について「氷山の一角の可能性がある。僕の告発を突破口にしてほしい」と訴えた。
IWJ記者は11日、ライズ社に電話取材をした。志友会の活動について質問したが、「受付ではわかりません」の一辺倒で、担当者につなぐようお願いすると、「担当者は外出中」との答え。「もし帰社されたら、折り返していただけますか?」とお願いすると、「折り返しのご連絡はできません」と、ゼロ回答であった。仲井力社長の名前の読み方だけは「チカラ」と教えてくれたが。
また、IWJ記者は薗浦健太郎事務所にも電話取材を行ったところ、FAXで質問内容を送るように指示された。
IWJが薗浦事務所に送った質問は、以下の通りである。10月18日正午までにご回答いただくように本文に付記してある。
—————————
1)こちらの会の案内メールをライズ・ジャパンの仲井力氏の名で、秘書・吉村祐子氏が志友会の会員の方に送っていらっしゃいます。つまり、案内メールの発送を、ライズ・ジャパンに業務委託されたということでしょうか?その場合、委託費はいくらだったのでしょうか?
2)会の講師として、先日自民党幹事長に就任された甘利明氏のお名前があります。甘利氏は私的に講演されたのでしょうか?それとも政治活動の一環として講演されたのでしょうか?
3)甘利氏への講師料等の費用は、どなたが支払ったのでしょうか?「薗浦健太郎君を励ます会」でしょうか?それともライズ・ジャパンでしょうか?その金額はおいくらだったのでしょうか?
4)薗浦先生は志友会の会員(会費免除)とうかがっております。いつから志友会の会員になられたのでしょうか?現在も会員でいらっしゃいますか?同様に特別待遇の自民党議員の方々がいらっしゃるか、ご存知でしたらお教えください。
5)これまでも、ライズ・ジャパンの協力、または志友会が案内する勉強会を開催したり、参加したりされたことはありますか?
6)もし、5)が「ある」でしたら、いつ、どこで、また、その時の講師の方がどなただったかご教示いただけますか?
7)志友会会員になっている企業から、志友会の会費や勉強会参加費以外に、個別に企業献金がなされたことはありますか?あるとすれば、企業名など具体的にご教示ください。可能であれば、企業からの個々の献金額の公開をお願いします。無理でしたら総額でいくらくらいなのかお教えいただけますか?
8)7)に関連して、政治資金収支報告書には政治献金であれば、献金内容詳細が記載されていると存じますが、私人としてお受け取りになった事も考えられます。領収書の発行名義を政治団体としてなのか、個人としてなのか詳細の説明をいただければと存じます。
衆議院選挙も近く、大変お忙しい中だとは存じますが、ご回答をお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
—————————
IWJは甘利事務所にも取材を申し込んだところ、こちらもFAXで質問を送るようにと指示された。
甘利事務所へ送った質問は、以下の通りである。10月18日正午までにご回答いただくように本文に付記してある。
—————————
2019年4月3日に開催されました「そのうら健太郎と未来を語る会」についておうかがいいたします。
1)甘利先生はこちらの会の講師をされています。どのような経緯で講師をお引き受けになったのでしょうか。薗浦議員側からの依頼でしょうか、それともライズ・ジャパンの仲井力氏側からの依頼だったのでしょうか?
2)甘利先生への講師料は、どちらから支払われたのでしょうか?「薗浦健太郎君を励ます会」でしょうか、それともライズ・ジャパン(あるいは志友会)でしょうか?金額はおいくらだったのでしょうか?
3)甘利先生は私人として講演されたのでしょうか、それとも政治活動の一環として講演されたのでしょうか? 講師料はどのように会計処理されたのでしょうか?
4)安倍元総理の補佐官をつとめていた薗浦健太郎議員は志友会の会員(会費免除)だとうかがっております。甘利先生も志友会の会員でいらっしゃいますか?その場合、いつから志友会の会員になられたのでしょうか?会費の免除など特別な待遇を受けていらっしゃいますか?
5)薗浦健太郎氏の勉強会以外にも、ライズ・ジャパン(または志友会)の協力・案内する勉強会に講師として参加されたことはありますか?
6)もし、5)が「ある」でしたら、その時の主催者の方がどなただったかご教示いただけますか?
7)志友会会員になっている企業から、志友会の会費や勉強会参加費以外に、個別に企業献金がなされたことはありますか?あるとすれば、企業名など具体的にご教示ください。可能であれば、企業からの個々の献金額の公開をお願いします。無理でしたら総額でいくらくらいなのかお教えいただけますか?
衆議院選挙も近く、大変お忙しい中だとは存じますが、ご回答をお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
—————————
上脇教授は薗浦議員とは別に、もう一つ、今年10月4日に、友田有・山口県議らを違法な寄附の供与・受領(政治資金規正法違反)容疑で告発している。
友田県議は、安倍元総理を地元で支える「おともだち」。上脇教授は告発状の送付をメディアに知らせたが、報じたのは5日付け中国新聞の朝刊紙面のみだったとのこと。
引き続き10月12日午後6時半から、「続々編」として、この安倍元総理と友田議員について、上脇教授にお話をうかがった。本編、続編につづき、この「続々編」もぜひ御覧ください。
- ライブ配信【10/10 18時30分頃~】岩上安身による神戸学院大学教授 上脇博之氏インタビュー https://youtu.be/M4YDHqqPzmQ
- ライブ配信【10/11 18時30分頃~】岩上安身による神戸学院大学教授 上脇博之氏インタビュー(続編)https://youtu.be/_eqRRE4hCHA
- ライブ配信【10/12 19時頃~】岩上安身による神戸学院大学 上脇博之氏インタビュー(続々編)https://youtu.be/CsmgNcRC-80