ロッキード事件などを担当した元検事総長の松尾邦弘氏ら検察OBと、元法務省官房長の堀田力氏ら、法曹界の重鎮14人が連名で、検察庁法改正案に反対する、森まさこ法務大臣あての意見書を、昨日、法務省に提出した。
この法案の最も大きな問題点は、検事総長と検察官の定年を、内閣や法相が認めた場合、特例で最長3年間延ばすことができるという特別規定である。
意見書提出後の記者会見で松尾氏は、「定年の問題について、ある検察官に延長を認め、他に認めないということによって、そういったところに政権の内部で検察に対する、ひとつのアクション、影響を与える疑義が生じるのではないか」と、政権が検察人事に恣意的な介入をすることによって、捜査に影響を与えることを指摘した。
意見書では黒川弘務東京高検検事長の定年延長をめぐる一連の経緯について「法的根拠がない」と指摘。
さらに2月13日の衆議院本会議での「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」という安倍総理の答弁を、「ルイ14世の『朕は国家である』との言葉を彷彿とさせる」とした上で「三権分立の否定にもつながりかねない」と批判し、さらに、ジョン・ロックの「法が終わるところ、暴政が始まる」との言葉を引用して警告している。
以下にその全文を掲載する。