2020年5月15日(金)午後7時より、東京都千代田区永田町の国会議事堂周辺にて、「国会個人包囲0515 検察庁法改正案の強行採決に反対します #SocialDistanceResistance」抗議行動が開催された。
この抗議行動は、SNSのツイッター上でのハッシュタグ「#国会個人包囲0515」での呼びかけに応じて集まった人々が、国会議事堂の敷地を黄色い立入禁止テープで囲い込み、与党が5月15日までの衆院通過を予定していた、検察官の定年延長を可能にする「検察庁法改悪案」に抗議するものであったが、結果として、与党は同日の内閣委員会での採決を見送るかたちとなった。
この抗議行動の取材の前の西村康稔 新型コロナ対策担当大臣の定例会見が押したため、午後7時の開始時間に30分遅れの現場入りとなり、すでに黄色の立入禁止テープは国会を包囲しており、国会正門前から撮影を開始し、国立国会図書館前をとおり、参議院議員会館前のあたりで抗議行動は終了となった。官邸前まで到達できなかったのは悔やまれるが、その間に、2人の抗議行動参加者に話をうかがうことができた。
国立国会図書館前でスーツ姿の男性に声をかけた。日本共産党・藤野保史 衆議院議員だ。「本日はどういった意図でこの抗議行動に参加されましたか?」との問いかけに対し、藤野議員は「私、今日、検察庁法案について、内閣委員会で質問をしたんですけども、そのこともあって、今日こういうのをやってらっしゃるとお聞きして、是非参加させていただきたいということで、参加させていただきました。コロナの下での新しい形態を編み出されたなあと。今までにない。適度な距離だし、喋らないけど、この立入禁止テープで繋がっているという」と、この抗議形態を評価した。
そこからさらに歩き、国会図書館前の信号のところで、一人の男性に声をかけた。お仕事帰りの参加でお疲れであろうにもかかわらず、質問に快くお答えいただいた。
「なんと言いますか、ついに、安倍政権がボロをだしたな、という感じでした。やっぱり、今までやってきた、『森友』であるとか、『沖縄の辺野古や高江』でやっていることだとか、『桜を見る会』もそうですが、やっぱり、彼らの、安倍政権のアキレス腱なんだなと。
だからこそ、今回、ルールをねじ曲げてまで、検察に、自分の息がかかった、自分の思い通りに動く人間を送り込もうとしているのだと。そういう意味では、もちろん、ルール違反の暴挙ですから、許せないというのはありますが、それ以上に、いままでジャーナリストだとか野党といった人たちが、追求して積み重ねてきたものに、ついに火が着いたなと感じます」
報道によると、政府は、検察庁法改正案の今国会における成立を見送る方針で調整していくようである。しかし、今後、通常国会会期終了となる6月17日まで、決して気を抜くことなく、野党および世論による政府の監視を継続することが必要である。