2020年3月24日(火)午前9時30分より、東京都千代田区霞が関の法務省庁舎にて、森雅子法務大臣の定例記者会見が開催された。
冒頭、森大臣より、定例会見前の閣議において、「証人等の被害についての給付に関する法律施行令の一部を改正する政令」および、「最高検察庁の位置並びに最高検察庁以外の検察庁の名称及び位置を定める政令の一部を改正する政令」の2つの案件について、閣議決定が行われた旨、報告があった。
続いて、森法務大臣より、2020年4月20日から京都にて開催予定となっていた「第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)」が、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染状況を鑑み、開催延期となったこと、および、「聖火リレーの実施にともなう福島第一原発事故に関する風評被害にもとづく、偏見・差別を防止するための人権擁護活動等の推進」について、報告が行われた。
その後、質疑応答となり、各社より、冒頭に報告のあった案件等について質疑が行われた。
IWJからは、「先日、自殺した財務省近畿財務局職員・赤木俊夫氏の遺族が国、すなわち代表者として森雅子法務大臣と佐川宣寿元理財局長を提訴しました。この提訴を受けて麻生財務大臣は、「調査報告書と手記に齟齬はない」ので、「再調査を考えていない」と発言していますが、手記には「佐川氏から指示されて改ざんをした」とはっきり記されており、明らかに調査報告書と事実の根幹の部分で違います。赤木氏のご遺族の夫人が言われる通り、佐川氏の上司である麻生財務大臣は調査をする立場ではなく、調査をされる立場であり、真実を言っているとは思われません。法務省としては 明らかな事実が出てきた今、手記を無視することなく真実を解明するため、再捜査に臨むお考えはあるのでしょうか?」と質問をした。
この質問に対して、森法務大臣は、「あらためて、自殺なさった近畿財務局職員の赤木さんのご冥福をお祈りしたいと思います。また、ご指摘の訴訟を提起するという報道は承知しています。が、現時点で、訴状の送達を受けておりませんので、この裁判についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います」と回答した。
新事実が出てきたのだから、検察が再捜査を行う必要があるはずだという点に関しては、回答はなかった。