2021年6月8日(火)、8時45分より、内閣府中央合同庁舎にて、河野太郎新型コロナワクチン接種推進担当・規制改革担当大臣の定例記者会見が行われた。
記者との質疑応答ではオンライン診療、ワクチン接種、職域接種に関連する質問が多く挙がった。
IWJ記者はまず、ワクチン接種の意思確認、および接種の忌避と取り残しの区別方法、さらにワクチンの持続性について質問を行った。
IWJ記者「先の5月21日の河野大臣の会見において、函館市の例で、認知症などの症状があって判断や意思表示の困難な方のワクチン接種がどうなるのか、函館市で配布されている『新型コロナワクチン事務処理の手引き』というものに、本人の意思が確認できない場合は接種できないと記されている件に関して、お答えいただけるというのをまだ伺っていませんでした。ご回答願います」
前回の会見でIWJ記者は、上記の函館市の「本人の意思が確認できない場合は接種できない」という事例をあげたうえで、「老健施設の、本人の意思確認ができない認知症状態のご老人などがワクチンを打てないのであれば、施設でのクラスター発生は今後も避けられない。一般人でも、後見人の必要な判断力の不十分な方々にも同様の問題が発生するのではないか?」と質問し、河野大臣は「確認してご返事します」と回答していた。
河野大臣「ご家族であったり、施設の方であったり、ご本人に近しい人がご本人の意思を引き出していただいて、確認していただいて、打つということなら接種をしていただくということであろうと。
自署できない場合は家族が代わって署名してもよろしいということにはなってるそうでございますが、周りの人が一生懸命、ご本人の意思を引き出して、確認をして頂く、それができれば接種できるということだと思います」
- 認知症などで本人に接種意思を確認することができない場合、家族にて同意書を書いてもらっても良いですか(厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A)
IWJ記者「高齢者の方の接種がどんどん進んでますが、どうしても、手続きがうまくいかないということのほかに、自由意志で、強制ではない接種ですから、忌避感がある、副反応が怖いなどの理由でしたくないという方もいらっしゃると思います。やりたくないということと、うまく手続きできなくて取り残してしまうことの区別は、どういう風になさるんでしょうか。どのくらいの割合で、その回収がうまくいったことを指して、高齢者の接種が完了したとなるのでしょうか」
河野大臣「自治体でさまざまに予約を取る、あるいは接種にサポートすることをいろんな形でやってくださっております。希望する方が予約をして接種が終われば、だいたい接種完了かなというふうに思います。
自治体によっても、数字には差があるんだろうと思いますが、打ちたいという方がまあ予約が取れて打てれば、それでよろしいと思いますし、なかには最初に予約を取ったら8月だった、大規模接種会場ができたので、6月、7月でも打てますよって言うけれども、面倒くさいから8月でいいよ、という方もいらっしゃいますんで、あんまり無理に、行ってください!というわけにもいきませんが、希望される方にはきちっと打てるだけのワクチンがありますから、打ちたいと思ってなかったけど、やっぱり打とうかなと思ったら、それもいつでも打てるようになっておりますので、そこは別に高齢者の接種が終わりました、と言っても、その後からでも打てますので、いつでも打ちたい時に打っていただく、と思ってます」
IWJ記者「ワクチンの免疫効果がどれくらい持続するのかというのは、まだ医学的、科学的に検証の途中だと思いますが、希望される方、皆さんがワクチン接種をやった後の、その後の、日本国民の免疫の持続はどうなるのか、さらにその後の二回目のワクチン接種があるのかどうかということをどうお考えでしょうか」
河野大臣は、「モデルナもファイザーも2回打つことになってますが? ああ、免疫ができたその後の。それはもう厚労省にお聞きください」
また、会見冒頭には、河野大臣より、オンライン診療・オンライン服薬指導の特例措置の恒久化、地方自治体職員の立入検査身分証の統合、本日8日より企業や大学などの単位でワクチンの接種を行う「職域接種」の申請受け付けが始まることなどの報告があった。
新型コロナウイルス感染対策として特例的に認められたオンライン診療・服薬指導はコロナ収束まで着実に実施されるが、その後も国民の医療へのアクセス向上を目的として、恒久化を目指すという。
ワクチン接種の加速を図る「職域接種」は21日から実施され、接種を行う医療従事者や会場は、企業や大学側が確保し、地域の高齢者接種の妨げとならないことが条件とされる。
河野大臣は報告のなかで、全国のワクチン供給に関し、「接種が進んでいて供給が間に合わない自治体、進んでおらず余っている自治体、いろいろある。足並みを揃える必要はない。摂取状況を確認しつつ供給が滞らぬよう調整してほしい」と述べた。
会見の詳細は全編動画にてご確認いただきたい。