2021年3月30日の丸川珠代東京オリンピック・パラリンピック大臣の会見で、IWJ記者は、NBCニュースサイトの論説が、聖火リレーは「ナチスが確立したオリンピックの伝統」であり、「公衆衛生を犠牲にする」と批判していることをふまえて、「リレーを中止すべきでは」と質問した。
NBCの論説は、パシフィック大学のジュールズ・ボイコフ教授が寄稿。聖火リレーはナチスがファシズムの宣伝のために発明したもので、今回の東京五輪では「福島に復興がないという現実」の隠蔽に利用されたと指摘した。
さらに、ボイコフ氏は聖火リレーと五輪本番が「新型コロナのパンデミックを悪化させる可能性」があると論じた上で、ナチスの遺物である聖火リレーは「中止」ではなく、「廃止すべき」であると主張している。
しかしIWJ記者の質問に対して丸川大臣は、ボイコフ教授の指摘に対して真っ向から逆らうかのように、聖火リレーによって「日本中の皆さまの気持ちがひとつになっていくことを期待する」と回答した。政治家が「国民の心をひとつにする」と発言することは、内心の自由の尊重を踏みにじるものであり、異論を許さないナチスのファシズムと同様の発想である。
▲丸川珠代東京オリンピック・パラリンピック大臣(IWJ撮影、2021年3月30日)
大臣質問でIWJ記者が参照したNBC論説!! 聖火リレーを、ナチスは「ファシズム」の宣伝の道具とし、東京五輪は「福島に復興がないという現実」を隠蔽、「新型コロナのパンデミック」を悪化させる! IWJはこの論説の全文を仮翻訳!!
2021年3月30日、午前9時10分頃より、東京都千代田区の内閣府本部庁舎にて、丸川珠代東京オリンピック・パラリンピック大臣による定例記者会見が開催された。
IWJ記者は、米テレビ局NBCのニュースサイトに、福島で「聖火リレー」が始まった2021年3月25日に掲載された、聖火リレーを批判する論説をもとに質問を行うとともに、会見の模様を中継した。
IWJ記者が質問したNBCニュースサイトの論説とは、元プロサッカー選手で、米国五輪代表としてブラジル戦やソ連戦などの出場経験を持つ、パシフィック大学政治学教授のジュールズ・ボイコフ氏が寄稿したものだ。
▲ジュールズ・ボイコフ・パシフィック大学政治学教授(画像:Wikipedia、Jessi Wahnetah)
ボイコフ氏は論説で、「聖火リレー」が古代オリンピックからの伝統などではなく、1936年のベルリン・オリンピックで、ヒトラー率いるナチスによる政治的プロパガンダの道具として発明され、ギリシャからベルリンまでの道々で、ファシズムのプロパガンダを撒き散らした経緯を説明している。
▲ナチス・ドイツ総統、アドルフ・ヒトラー(画像:wikipedia、ドイツ連邦公文書館)
▲1936年ベルリン・オリンピックの聖火リレー(画像:Wikipedia、ドイツ連邦公文書館)
同様に、今回の東京五輪の聖火リレーが、「福島に復興がないという現実を隠すための政治的な隠蔽」「聖火を利用したまやかし」と批判されていることを指摘。
さらに、五輪主催者たちが東京大会を「世界の希望の光」「トンネルの出口の光」と呼んで、コロナ禍からの地球全体の再出発かのように、「スローガンに厚化粧を施していた」と断じている。
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