東京五輪の「聖火リレー」は、コカ・コーラ等大スポンサーの宣伝のためのお祭り騒ぎと化し、大きな批判を浴びているが、五輪スポンサーである大手メディアは、それらの事実をほとんど報じていない。
そもそも「聖火リレー」は、1936年のベルリン・オリンピックで、ナチスによる、政治的プロパガンダの道具として発明されたことをご存じだろうか。
元プロサッカー選手で、米国五輪代表としてブラジル戦やソ連戦などに出場経験を持つ、パシフィック大学政治学教授のジュールズ・ボイコフ氏は、この聖火リレーの歴史的起源を踏まえながら、今回の東京五輪の聖火リレーの東北復興との欺瞞的関係、そしてコロナ感染拡大への悪影響を指摘。そのうえで「聖火リレーは廃止すべきだ」と主張するオピニオン記事を、米NBCのニュースサイトに寄稿した。NBCは五輪の米国内独占放映権を持ち、IOC最大の資金源となっている米テレビ局である。
五輪「聖火リレー」の真の姿に迫る、この重要な寄稿を、IWJは全文仮翻訳した。ぜひ御覧いただきたい。
▲1936年ベルリン・オリンピックの聖火リレー(画像:Wikipedia、ドイツ連邦公文書館)
コカ・コーラ等スポンサーPRのお祭り騒ぎで大批判の「聖火リレー」!! それは「ナチス発明」のプロパガンダの道具だった!!
朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、北海道新聞など、東京五輪スポンサーの大手メディアがほとんど報じていない「アンタッチャブルな問題」に聖火リレーがある。
東京五輪の聖火リレーの最上位スポンサーは、コカ・コーラ、NTT、日本生命、トヨタ自動車の4社である。
この4社がDJを乗せたコンボイ(トラック型宣伝車)を走らせている光景は、SNSや地元などで大きな批判を呼んでいる。コンボイは大音量の音楽をかけ、観覧客で密になった沿道を次々にのろのろ通過し、警察車両も合わせて30台ほどがすぎたころに、ようやく車両の影から聖火ランナーが現れるという、およそ聖火リレーとは異なった一大お祭り騒ぎになっている。
物事の起源には、その物事の本質が現れる。この聖火リレーは、一見、古からの伝統のように思われるが、ナチスがそのプロパガンダのために発明したものだった。現在、ナチスの代わりに、派手なプロパガンダを全国的に展開しているのが聖火リレーのスポンサーであるコカ・コーラやNTT、日本生命、トヨタ自動車なのだ。
聖火リレーの本質がナチスのプロパガンダにある点は、東京五輪スポンサーの日本の大手メディアはほとんど論じていない。皆無といってもいいと思う。少なくとも我々が探した限りではない。
元プロサッカー選手で米国五輪代表も務めたジュールズ・ボイコフ、パシフィック大学政治学教授は、この聖火リレーの起源にまで遡り、その本質を福島や新型コロナウイルス・パンデミック、国家との関りなどの観点から論じている。非常に重要な寄稿である。
▲ジュールズ・ボイコフ・パシフィック大学政治学教授(画像:Wikipedia、Jessi Wahnetah)
IWJはジュールズ・ボイコフ教授が米NBCニュース(2021年3月25日)に、寄稿した全文を仮翻訳した。
以下が、ジュールズ・ボイコフ教授のNBCへの寄稿全文である。なお文中の見出しはIWJ編集部が便宜的に付与した。
[ジュールズ・ボイコフ教授の寄稿全文(仮翻訳)]
コロナ禍の恐怖の中、東京オリンピックの聖火リレーが開始。聖火リレーは廃止すべきだ~この光景は、ズバリ、ナチスが確立したオリンピックの伝統の祭壇に、公衆衛生を犠牲として捧げる危険性がある~
筆者 「パワーゲーム~オリンピックの政治史」著者、ジュールズ・ボイコフ
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https://note.com/iwjnote/n/nb9d476d1d867