新型コロナ第2波に見舞われ、あえいでいる英国で、『エコノミスト』誌が11月11日、「(各国)政府のコロナ対策は科学的か」というランキングを掲載した。31カ国を対象に、世界各国の約2万5000人の研究者に対して行った、各国政府のコロナ対策がどの程度科学的かというアンケート調査のまとめである。
元になったのは5月と6月に行われた調査であるが、ニュージーランドが1位、ギリシャが2位(春は封じ込めていたが、12月初頭現在で10万人突破。日本よりは低いが)、中国は3位、米国は31位で最下位と、その後の感染拡大状況を予告するかのごとき内容になっている。
新型コロナウイルス感染対策の評価は、科学者の自国政府の政策に対する信頼度をあわらしているようだ。日本は31カ国中22位で、決して高評価ではなかった。当然と言えば当然である。
▲ジョンズホプキンス大学ダッシュボード(Martin Sanchez撮影、unsplashより)
調査の概要
▲ニュージーランド、アーダーン首相(wikipediaより)
エコノミストは「ニュージーランドの研究者は政策立案者に最も満足している。回答者の4分の3以上が、3月初旬に国境を閉鎖し、厳格な封鎖を課したジャシンダ・アーダーン政権が、専門家の科学的助言を考慮に入れていることに同意している。ニュージーランドがウイルスを2回抑制したので、まったく不思議なことではない。アーダーン氏の対応は有権者にも人気がある。10月17日、彼女は国の総選挙で圧勝した」と1位となったニュージーランドのアーダーン首相を賞賛している。
『エコノミスト』によると、『公衆衛生のフロンティア(Frontiers in Public Health)』というスイスの科学ジャーナルが、2020年5月と6月に行ったアンケート調査のまとめである。
各国の科学者に、27の質問をしているが、その質問の1つに「問:あなたは以下の意見にどの程度同意しますか? 政策立案者はCOVID-19の間に科学的アドバイスを十分に考慮に入れてきた(Q: How much would you agree with the following statement? Policy makers have taken scientific advice into account sufficiently during COVID-19)」がある。回答は選択式で「強く賛成または賛成、どちらでもない、強く反対または反対」の3択である。
- The Academic Response to COVID-19(Frontiers in Public Health、2020年12月4日閲覧)
『公衆衛生のフロンティア』は調査のまとめとして「多くの研究者は、政策立案者がパンデミックを緩和するための科学的アドバイスを十分に考慮していないと回答した」と指摘している。
各国の評価はその後の各国における感染拡大状況の予告となっている
▲トランプ大統領(連邦議会図書館より)
1位はニュージーランド、77%が「強く賛成または賛成」。2位はギリシャで76%、3位は中国で71%が「強く賛成または賛成」。4位アルゼンチン、5位デンマーク、6位ドイツ、7位オランダ、8位韓国、9位ノルウェー、10位オーストリア、11位オーストラリアと高評価の政府が続く。
一方、最下位の31位に甘んじたのは米国で、「強く賛成または賛成」はわずが18%、66%が「強く反対または反対」となっている。そして、30位チリ、29位ブラジル、28位英国と続く。