日刊IWJガイド・非会員版「米政府は全面否定するも、ハーシュ氏スクープの余波が広がる! ハーシュ氏『ご期待ください。我々はまだ1塁にいるに過ぎない』」2023.2.19号~No.3811号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~シーモア・ハーシュ氏によるスクープ「いかにして米国はノルドストリームパイプラインを破壊したか」を、米国政府は全否定するも、その余波は収まらず! ダンマリを決め込む米政府に対し、ロシアと中国の外務省はそれぞれ米国に説明を要求! ドイツ野党党首は「連邦政府はこの疑惑を調査すべきだ」とツイート! ハーシュ氏は「ご期待ください。我々はまだ1塁にいるに過ぎない」と意味深長な記事を投稿! ハーシュ氏スクープの余波が広がる!

■IWJは最大の経済的危機です! 第13期6ヶ月間の累積の不足額は、1月末時点で1117万円にまで増えてしまいました! 岩上安身からのIWJの借り入れ総額は、現時点で1600万円になります! 岩上安身の私財には限界があります! このままでは、皆さまのご支持・応援、会費、そしてご寄付・カンパによるご支援がなければ、活動が立ち行かなくなります。米国が自らの覇権維持のために世界の緊張を高める「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわって、正確な情報をお届けすべく、IWJは精いっぱい頑張りますので、緊急のご支援のほど、よろしくお願いします!

■【中継番組表】

■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その37)>第二部 蒼ざめた異族「第六章 ロシアの〈他者〉なるチェチェン ―一九九一年十一月―」(part9)

■<今週の新記事振り返り>

■<今週の日刊IWJガイド振り返り>
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■はじめに~シーモア・ハーシュ氏によるスクープ「いかにして米国はノルドストリームパイプラインを破壊したか」を、米国政府は全否定するも、その余波は収まらず! ダンマリを決め込む米政府に対し、ロシアと中国の外務省はそれぞれ米国に説明を要求! ドイツ野党党首は「連邦政府はこの疑惑を調査すべきだ」とツイート! ハーシュ氏は「ご期待ください。我々はまだ1塁にいるに過ぎない」と意味深長な記事を投稿! ハーシュ氏スクープの余波が広がる!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 2月8日にシーモア・ハーシュ氏によるスクープ「いかにして米国はノルドストリームパイプラインを破壊したか」を発表し、米国政府はスクープの内容を全否定しましたが、その余波はゆっくりと広がっています。

 ご存知の通り、IWJはハーシュ氏のスクープ記事をいち早く日本語に仮訳し、号外で会員の方々にお届けしました。公益に鑑み、近日中に全文をサイト上で公開します。

※How America Took Out The Nord Stream Pipeline(米国はいかにしてノルドストリーム・パイプラインを破壊したのか)(Seymour Hersh、2023年2月8日)
https://seymourhersh.substack.com/p/how-america-took-out-the-nord-stream

※シーモア・ハーシュ氏によるスクープに関するIWJの号外記事はこちらです。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/シーモア・ハーシュ

 ロシア外務省のザハロワ報道官は8日、ハーシュ氏によるスクープを受け、「米政権は全ての事実に対しコメントする必要がある」と訴えました。

※訂正-(9日配信記事)ロシア、米に回答要求 ノルドストリーム爆発に関与との報道受け(ロイター、2023年2月9日)
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-nordstream-russia-idJPKBN2UI1T3

 『RT』(9日)によると、ロシア大統領府の報道官、ドミトリー・ペスコフ氏も9日、ノルドストリーム爆破事件に関する調査が静かに縮小されていることを懸念しているとし、「この重要なインフラに対するこの前例のない攻撃に対する開かれた国際調査の必要性」を訴え、「加害者を見つけて処罰せずにこのままにしておくことは不可能である」と、述べました。

※Kremlin reacts to Nord Stream sabotage claim(クレムリンはノルドストリームの妨害行為の主張に反応する)(RT、2023年2月9日)

 ホワイトハウスはハーシュ氏の情報について「全くの虚偽で、完全なでっち上げだ」と主張しています。

 『TASS』は8日、ホワイトハウス国家安全保障会議の広報官であるエイドリアン・ワトソン氏が、ハーシュ氏のスクープについてのコメントを求めた『TASS』の記者に対して、「これはまったくの虚偽であり、完全なフィクションだ」と語った、と報じました。

 『TASS』は、米国務省、国防総省、および米海軍の報道機関に、ハーシュ氏のスクープについてコメントを求めたが、回答はまだないと書き添えています。

※White House denies US Navy’s involvement in blowing up Nord Stream 2(ホワイトハウスは、ノードストリーム2の爆破に米海軍が関与したことを否定している)(TASS、2023年2月8日)
https://tass.com/world/1573463

 しかし、米国政府の全否定にもかかわらず、ジャーナリズム界の「生ける伝説」とも呼ばれるハーシュ氏のスクープの衝撃は、日本を含めた西側メディアが沈黙を守る中、静かに広がっています。

 ロシアに亡命した米国の、国家安全保障局・CIA元職員のエドワード・スノーデン氏は、自身のツイッターで以下のようにツイートしました。

「ホワイトハウスがその責任を負っているにもかかわらず、断固として否定した秘密作戦の歴史の事例をみなさんは覚えていますか?(後略)」

※Edward Snowden@Snowden(午前1:52・2023年2月9日)
https://twitter.com/Snowden/status/1623364061877649408

 スノーデン氏は、「EU-USA代表団会長、EU・英国友好協会副会長、ハーバード大学CES シニアフェロー、CSIS特別政治家」という肩書きをもつラデク・シコロスキー氏が、ノルドストリームが破壊されメタンガスが海面に噴き出ている写真に「Thank you, USA」というコメントをつけてツイートした「魚拓」もあわせてツイートしました。

※Edward Snowden@Snowden(午前2:01・2023年2月9日)
https://twitter.com/Snowden/status/1623366314768343040

 ノルドストリーム爆破によって、深刻な影響を受けたのはロシアばかりではなく、ドイツも同じ立場です。

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■IWJは最大の経済的危機です! 第13期6ヶ月間の累積の不足額は、1月末時点で1117万円にまで増えてしまいました! 岩上安身からのIWJの借り入れ総額は、現時点で1600万円になります! 岩上安身の私財には限界があります! このままでは、皆さまのご支持・応援、会費、そしてご寄付・カンパによるご支援がなければ、活動が立ち行かなくなります。米国が自らの覇権維持のために世界の緊張を高める「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわって、正確な情報をお届けすべく、IWJは精いっぱい頑張りますので、緊急のご支援のほど、よろしくお願いします!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 IWJの第13期も半期の折り返しを過ぎ、この2月で7ヶ月目に入りました。

 第13期が始まった8月から1月末まで、月間目標を下回る月が続き、この6ヶ月間の累積の不足額は、現時点で1117万1000円と、1000万円を超えてしまいました!

 2月1日から15日までの15日間でいただいたご寄付は、72件、88万4500円です。これは、単独月間目標額390万円の23%に相当します。

 厳しい経済状況の中、IWJにご寄付をお寄せいただき、誠にありがとうございます。

 しかしながら、IWJの内部留保も底を尽き、12月は、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、500万円をIWJにつなぎ融資することでしのぎました。そして、今年に入り、1月も私が、さらに500万円をIWJにつなぎ融資することを決めました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けてまだ未返済の残高は約600万円。この2ヶ月間のつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 加えて今年に入って年頭からスタッフの中にコロナ感染者が出て、1月末まで6人の感染者を出しており、予定されていたインタビューを2件延期せざるをえなくなりました。また、新たなインタビューの予定も入れることもできなくなり、1月はインタビューが1本もない月となってしまいました。岩上安身によるインタビューにご期待いただいていた会員や応援・支援くださっているIWJファンの皆さまには、大変申し訳なく思っています。

 幸い、1月27日を最後に、体調を崩す者や、検査で陽性になった者も出ていないため、社内での感染の拡がりはストップしたものと思われます。2月からは巻き直す勢いでインタビューを入れていきたいと存じます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費とご寄付・カンパの両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 2023年「新たな戦争前夜」を迎えて、私、岩上安身とIWJは、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるように、その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために全力で頑張ってゆきたいと思います。

 2月に入って、ウクライナ紛争の局面は、「ウクライナ=善 vs ロシア=悪」という西側メディアのバイアスのかかった報道でも、ウクライナ軍の敗色はごまかせなくなってきています。

 2月12日の日刊IWJガイドでお伝えしたように、2月に入って、西側メディアの報道やシンクタンクの分析が変わってきました。

 『ニューヨーク・タイムズ』がウクライナ軍が東部ドンバス地域で劣勢になっていると報じ、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は西側諸国が約束した戦車は「春の大攻撃」に間に合わないと報じ、米シンクタンク・戦争研究所(ISW)もロシア軍側の優勢を伝えました。

 2月9日、10日とゼレンスキー大統領は、ロンドン、パリ、ブリュッセルに武器支援、特にジェット戦闘機供与を「おねだり」する弾丸ツアーに打ってでましたが、手ぶらで帰国せざるを得ませんでした。

 欧州では、これまでのようにウクライナを支援していていいのか、「春の大攻撃」でウクライナは抵抗できるのか否か、見極めようとしているのかもしれません。

 ゼレンスキー大統領は9日ツアーの最後に、最もウクライナ支援に熱心なポーランドに立ち寄り、ドゥダ大統領と会談をおこないました。

※はじめに~ゼレンスキー大統領は、ロンドン、パリ、ブリュッセルを駆けめぐるツアーで戦闘機をおねだりするも、渋る欧州各国から確たる成果は得られず、取り付けられたのは、「NATO仕様の最新戦闘機によるパイロットの訓練の約束」のみか!? ウクライナが訴える2月後半のロシア大規模攻撃に、欧州主力級戦車は届かないと『ウォール・ストリート・ジャーナル』!『ニューヨーク・タイムズ』、米シンクタンク戦争研究所もロシア側の優勢を認める! イーロン・マスク氏のスペースX社は、ウクライナ軍が依存する同社のインターネットサービス「スターリンク」の軍事利用の禁止を一方的に発表!(日刊IWJガイド、2023年2月12日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51864#idx-1

 しかし、ドゥダ大統領は、12日、BBCのインタビューに対して、F-16航空機の派遣は「非常に重大な決定」であり、「簡単に実施することはできない」と述べました。

※Laura Kuenssberg: Jets to Ukraine decision ‘not easy’ says Poland(BBC、2023年2月12日)
https://www.bbc.com/news/world-europe-64602603

 F-16航空機の「玉突き派遣」をポーランドにやらせようともくろんでいる(ように見える)バイデン大統領は、今月20日から22日のどこかで、ポーランドを訪問する計画を明らかにしましたが、その会談の行方はまだ見えません。

※米大統領、20-22日にポーランド訪問 ウクライナ情勢巡り首脳会談へ(ロイター、2023年2月10日)
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-poland-biden-idJPKBN2UK1SE

 ウクライナ情勢は、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長が昨年10月に「ウクライナは勝てない」と発言した通りに進んでいるように見えます。

 ウクライナ紛争について西側メディアはこれまで「ウクライナの反撃が成功」、「ロシア軍が膨大な被害を出している」と、一貫してロシア劣勢、ウクライナ優勢の報道を繰り返してきました。

 IWJは西側メディアの情報とロシアメディアや第3国メディアの情報を突き比べ、情勢は必ずしもウクライナに有利ではないことを、5月のマリウポリ陥落の時点からお伝えし続けてきました。

※【特集】ロシア、ウクライナ侵攻 !!
https://iwj.co.jp/wj/open/russiainvadesukraine

 欧米諸国による、さらに高度な武器支援、NATO仕様の主力級戦車の供与などによっても、決定的に戦局を変えることできないであろうこと、ロシア軍がウクライナから追い出され、東部とクリミアを奪還される見込みがありえるなどという、テレビに出ている軍事評論家の根拠のない甘い言説には、IWJは一切与しませんでした。

 仮に、NATO諸国から供与された長距離砲やジェット戦闘機を用いて、ウクライナ軍がロシア領内に攻撃し、モスクワに向かって侵攻したりすれば、ロシアが報復のために小規模の限定的な戦術核兵器を用いるリスクは、確かに絶対にないとは言いきれません。ロシア自らも、レッドラインを踏み越えてきたら核使用もありうると、何回も忠告しています。しかし、実際にそうなれば、米国も核兵器の使用に踏み切り、核のエスカレートの連鎖は止めらない、といった指摘を、IWJは繰り返ししてきました。

 2月に入って、ウクライナ紛争初期の段階で、ロシアとウクライナの和平交渉に携わったナフタリ・ベネット元イスラエル首相が、「この戦争は米国主導の戦争」と述べました。この事実も、日本の大手メディアを含む西側メディアは大きく報じてはいません。

※ナフタリ・ベネット元イスラエル首相が爆弾発言! ウクライナ紛争は「主に米国が主導する戦争」であり、「アメリカ人に、私は言いたいのです。『私はプーチンの耳を持っている。私はパイプになり得る』と」、ゼレンスキーは「『私を助けてくれますか』と電話してきたんです」!(その1)(日刊IWJガイド、2023年2月9日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/category/guide#idx-4

※はじめに~ナフタリ・ベネット元イスラエル首相が爆弾発言!(その2)「あなたはゼレンスキーを殺すのかと。プーチンは『ゼレンスキーを殺すつもりはない』と言いました」(日刊IWJガイド、2023年2月11日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51861#idx-1

 もうひとつ、ピューリッツァー賞を受賞した経歴をもつ、米国屈指の独立調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、米国が、ノルウェーと協力し、ドイツとロシアを直接つなぐ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したという驚愕のスクープを出しました。

 IWJは、全文の仮訳を進め、全4回を号外でお送りしました。

※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その1)2023.2.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514010

※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! 米国の著名なジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!西側メディアは既読スルー!(その2)2023.2.11
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514032

※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その3)2023.2.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514069

※【IWJ号外】(最終回)ノルドストリームを爆破したのは米国! 大統領命令は無原罪!? 米国に正義も倫理も法の支配もなし! ピューリッツァー賞ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ! 2023.2.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514104

 こうした一連の状況は、岩上安身とIWJが報道してきた、2014年からの見通しが間違っていなかったことを証明しています。

 この紛争は、米国主導の戦争なのです。

 米国は、悪魔のような謀略で、他国のパイプラインを爆破し、ドイツとロシアの仲を引き裂き、ウクライナを戦場にして、欧州とロシアの友好的な関係を完全に破壊し、欧州に天然ガスと石油を高値で売りつけて市場を奪い取ったわけです。

 米国は、邪悪な国家テロを起こして、他国を都合よく操作する、そんな「クソッタレ」帝国主義国家であることが明らかになりました。こんな「クソ」帝国によって、日本はウクライナ同様に「代理戦争」のコマとされつつあることに、日本国民は真剣な危機感と怒りを抱く必要があります。

 米国政府と西側メディアは、3日「中国のスパイバルーン事件」を大々的に報じ、ブリンケン国務長官の訪中を取りやめ、米中関係の緊張緩和を拒否しました。

 米軍は4日、「中国のスパイバルーン」を撃墜しています。同時期にすっぱ抜かれているノルドストリーム爆破事件については、欧米のマスメディアは一切質問もせず、バイデン大統領はそ知らぬ顔をし続けています。

※はじめに~「中国のスパイバルーン事件」で、訪中取りやめのブリンケン米国務長官は「国家主権の侵害」と主張! 一方、米国防総省は「軍事的脅威はない」として撃墜指示をスルー! ドイツメディアが「バイデン大統領がCIA長官経由で、ゼレンスキー大統領に領土の20%を割譲し停戦するよう勧めた」とスクープ、米政府は全面否定! ゼレンスキー大統領は東部に固執! ウクライナ紛争の行方をめぐって揺れるバイデン政権!(日刊IWJガイド、2023.2.5)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51842#idx-1

 さらに、10日、バイデン大統領の命令で、米軍のF-22戦闘機がアラスカ州上空を飛行していた物体を撃墜しました。この正体不明の物体は、小型車程度の大きさで、高高度を飛行していたということです。

 米国による気球撃墜は、まるで米中対立の火種を燃え上がらせようとしているかのごとくです。実際、米国以上に日本のマスメディアは、この気球の「空騒ぎ」に狂奔していますが、これは肝心なことから目をそらさせ、人々を誘導してゆく、典型的なスピンコントロールであるといえます。

 さすがに『ロイター』ですらも、撃墜を報じた記事に「飛行物体は軍事的脅威を与えるようなものではないといい、こうした場合に大統領が関与することは珍しい」と書き添えました。

※米、アラスカ上空で物体撃墜 小型車程度の大きさ 大統領が命令(ロイター、2023年2月10日)
https://jp.reuters.com/article/usa-object-idJPKBN2UK1VF

 米国が、中国の脅威を煽れば煽るほど、そしてそれに日本政府や日本社会が乗っていけば乗るほど、日本は危機に近づいてゆきます。

 岸田文雄総理は、1月早々に昨年末閣議決定した「改定版安保3文書」を携えて訪米、バイデン大統領と会談し、日本の軍拡をバイデン大統領から賞賛されて岸田総理は鼻高々でした。

 しかし国会での議論と承認がなされなくても、閣議決定し、米国からの承認があれば軍拡のアクセルを踏んでしまう岸田政権は、日本の主権を米国に丸投げしたも同然です。米国を守るために日本が代わりに犠牲となり、日本は米中の「代理戦争」の戦場とされてしまいます。

 バイデン大統領は、「これほど日米関係が緊密になった時はなかった」などと全面的に支持を表明、岸田総理は「トマホーク」の購入まで約束してしまいました。

 たしかに、これほど緊密に自衛隊が米軍の支配下に組み込まれたことはなく、日本が米国の対中「代理戦争」のコマとして米国の戦略に組み込まれたことはかつてなかったことでしょう。日本国民として、決して喜ぶべきことではありません。

 日本がこのまま米国追従を続け、米国の一極覇権を支えるのか。そもそも依存している米国は、信頼に値する国家なのか!? 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国として中立を確立し、地域の勢力均衡をめざす多極的な外交姿勢をめざすべきではないのか。日本がどの道を進むかで、米中覇権争いの捨てゴマにされるかどうか、決まってしまいます。

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岩上安身


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◆中継番組表◆

**2023.2.19 Sun.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2023.2.20 Mon.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】16:00~「中学校英語スピーキングテストESAT-Jを都立高入試選抜に用いることの問題点の説明と都議会文教委員会の正常化を求める保護者記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会」、「都立高校入試英語スピーキングテストに反対する保護者の会」主催の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた教育問題関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%95%99%E8%82%B2%E5%95%8F%E9%A1%8C

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■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その37)>第二部 蒼ざめた異族「第六章 ロシアの〈他者〉なるチェチェン ―一九九一年十一月―」(part9)

 岩上安身は、1989年から1994年まで、29歳から35歳まで、足かけ6年かけて、崩壊前夜のソ連から、ソ連崩壊後の「民主ロシア」誕生の裏面まで、現地で取材しました。

 現地取材をまとめた著書『あらかじめ裏切られた革命』(1996年、講談社、講談社ノンフィクション賞受賞作)は、当時のソ連・ロシアの実態を記録した貴重な資料ですが、残念ながら絶版となっており、入手困難な状況となっております。

 ウクライナ紛争の長期化、そして西欧諸国が世界を支配してきた構造、米国による一極支配構造に揺らぎが見え始めた今こそ、改めて1991年のソ連崩壊前後に戻って、歴史を振り返る必要があると思われます。日刊IWJガイドで、『あらかじめ裏切られた革命』の復刻連載を進めていきます。ぜひお読みください。

 下記URLから、初回の復刻連載(その1)をお読みいただけます。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その1)>序文「ゴーリキーパークの世界精神」(日刊IWJガイド、2022年11月20日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51557#idx-4

 直近の復刻連載は、下記URLからお読みいただけます。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その35)>第二部 蒼ざめた異族「第六章 ロシアの〈他者〉なるチェチェン ―一九九一年十一月―」(part7)(日刊IWJガイド、2023年2月13日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51868#idx-6

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その36)>第二部 蒼ざめた異族「第六章 ロシアの〈他者〉なるチェチェン ―一九九一年十一月―」(part8)(日刊IWJガイド、2023年2月15日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51877#idx-9

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(◆ドゥダーエフ大統領――現代の英雄?、続き)

――チェチェンとイングーシュとの関係についておたずねしたい。二つの民族は言葉も文化も伝統もほぼ同じで、兄弟のように寄り添って一つの共同体を成してきたといわれますが、ロシアからの独立問題に関しては、あくまでロシアから独立を求めるチェチェンと、ロシア連邦内部にとどまりながら自治権の拡大を目指すイングーシュとに、はっきりと態度が二分されました。これはなぜなのでしょうか。また、チェチェンの指導者であるあなたは、イングーシュに対し、今後どう働きかけるつもりですか。

 「チェチェン人とイングーシュ人との間には何の問題もありません。問題があるとすれば、それを作り出したのはロシアです。チェチェンとイングーシュの足並みがそろうことがないように、ロシアは大変な努力を払っている。ロシアの利益にとって大事なことは、諸民族が分裂し互いに反目し合うことです。そのために様々な形で陰に陽に干渉を行なっています。しかし我々は彼らの狙い通りにはならない。一例をあげれば、ロシアの干渉があっても、我々はチェチェン・アッキンツィとダゲスタンの間の土地問題を話し合いによって一滴の血も流さずに解決しました。

 いま一番大事な問題は、イングーシュと北オセチアの間の対立を解決することです。同様にグルジアと南オセチアの流血の紛争も、ナゴルノ・カラバフをめぐるアゼルバイジャンとアルメニアの紛争に関しても、心を痛めています。私が関心を抱いているのはチェチェン民族の独立だけではない。カフカスの諸民族の友好的な平和共存なくしてチェチェン民族の未来もあり得ません。

 ロシアに踏みにじられてきた民族はチェチェン人だけではない。他の多くの民族も同じです。モスクワの専制支配から独立しようとする動きはいろいろありますが、なかでも私はグルジアのガムサフルディアの姿勢を高く評価しています。わが国とグルジアは非常に共通点が多い。グルジアはわがチェチェンに負けず劣らずマフィア勢力の強い土地柄であり、そのパワーは侮れません。そして、両国民とも選挙によって民主的に自国の大統領を選びました。現在、ガムサフルディアに対する悪いイメージがばらまかれています。

 こうしたプロパガンダの目的は、カフカス地方で独立グルジアの影響が広まるのを防ぐためです。ガムサフルディアは民主主義者であると同時にグルジアの愛国主義者だと思いますが、そんな政治家はロシアにとっては不要です。そこでロシアはグルジアに根強く勢力を張るマフィアを焚きつけて、ガムサフルディア政権の基盤を揺さぶっているのです」

――あなたはなぜ、そこまでガムサフルディアに肩入れするのですか?

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■<今週の新記事振り返り>

【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! 米国の著名なジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!西側メディアは既読スルー!(その2)2023.2.11
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514032

覇権国アメリカは「中国に抜かれる前に、東アジアで戦争を起こす」と羽場久美子・青山学院大学名誉教授が警告!~11.24 新外交イニシアティブ(ND)シンポジウム「日本の安全保障の選択肢 -抑止の限界と外交の可能性-」2022.11.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512426

【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その3)2023.2.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514069

避難先が確保されず、高線量の村内にいた原告が激怒! 東電側が反論の準備書面で「避難しなかったあんたたちが悪い」と暴論!~2.13「飯舘村原発被害者訴訟」損害賠償請求事件 第7回 口頭弁論後の報告集会 2023.2.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514050

IWJ記者の「日米蘭の半導体製造装置の対中輸出制限合意は日本の国益を損なうのでは?」との質問に「我が国が輸出規制を強化する方針を決定したということはない」と西村大臣!!~2.14西村康稔 経済産業大臣 定例記者会見 2023.2.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514062

【IWJ号外】(最終回)ノルドストリームを爆破したのは米国! 大統領命令は無原罪!? 米国に正義も倫理も法の支配もなし! ピューリッツァー賞 ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ! 2023.2.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514104

「学術会議法改正の狙いは、菅総理の任命拒否を正当化し、逆に制度としてビルトインすること」!~2.14 日本記者クラブ主催 日本学術会議歴代会長会見 ―内容:「岸田首相に対して日本学術会議の独立性および自主性の尊重と擁護を求める声明」2023.2.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514065

高野孟氏「『台湾有事は日本有事だから防衛費倍増』という『嘘の連鎖』を断ち切ることが必要。岸田は安倍の背後霊に後ろから抱きつかれ、この路線から逃れられない」~2.16「台湾有事切迫」論の嘘に惑わされるな 2.16院内集会 ―講演:高野孟氏  2023.2.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514099

大変厳しい状況が続くIWJに温かいご支援をいただき、まことにありがとうございます。お力添えいただきましたみなさまへ心より御礼を申し上げるとともに、お名前を掲載させていただきます<ご寄付・カンパのお礼とご報告(2023年1月)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/51872

■<今週の日刊IWJガイド振り返り>

日刊IWJガイド「ゼレンスキーは欧州『おねだり』弾丸ツアーで戦闘機供与を求めるが、成果なし! イーロン・マスクはスターリンクのウクライナ軍の利用を禁止」2023.2.12号~No.3804号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51864
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230212

日刊IWJガイド「韓国での核武装論の高まりを受け、米CSISが韓国への戦術核配備を提言!! 核保有へ、日本も続くのか!?」2023.2.13号~No.3805号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51868
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230213

日刊IWJガイド「『プーチン大統領が勝つかもしれない』とポーランド大統領が西側諸国を煽る! ノルドストリームを爆破したのは米国だ! 号外(その3)」2023.2.14号~No.3806号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51874
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230214

日刊IWJガイド「ノルドストリームを爆破したのは米国! 本日【IWJ号外】最終回を発行! 大統領命令は無原罪!? 米国に正義も倫理も法の支配もなし!」2023.2.15号~No.3807号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51877
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230215

日刊IWJガイド「ベネット元イスラエル首相が爆弾発言!(その3)『ゼレンスキーはNATO加盟を諦めたのです。「私は放棄する」と彼は言ったんです』!」2023.2.16号~No.3808号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51880
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230216

日刊IWJガイド「今や日本は『衰退途上国』!? 破滅的な『増税軍拡』をやめて、米中『代理戦争』の罠から抜けよ!! 岩上安身による田代秀敏氏インタビュー」2023.2.17号~No.3809号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51883
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230217

日刊IWJガイド「『次の日銀総裁になるということは、火を噴いている船の船長になれということ』岩上安身によるエコノミスト 田代秀敏氏インタビューをお送りしました!」2023.2.18号~No.3810号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51900
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230218

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230219

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵)

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