日刊IWJガイド「昨日9日、東京の新たな新型コロナ感染者は181人! 2日連続最多を更新! ニューヨーク州では1日の死者が779人と最多に!」2020.4.10日号~No.2766号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
┠■はじめに~昨日9日、東京の新たな新型コロナ感染者は181人! 2日連続最多を更新! 緊急事態宣言当日政府が対処方針を改定、発令後即時に自治体が独自に施設の使用制限・要請ができなくなっていた!
┠■【中継番組表】
┠■IWJへご寄付をくださった方々のお名前とIWJへの応援のメッセージを感謝を込めて掲載させていただきます。今後ともIWJをお支えください! よろしくお願いします!
┠■<ニュース・フラッシュ>
┠【1】日産が5000億円の融資を要請!? コロナの影響で自動車業界は業績悪化!? 従業員の削減が予測される!?
┠【2】日銀が全国9地域すべての景気判断を引き下げ!! これはリーマン・ショック後の2009年1月以来で、コロナショックはまさに深刻!!
┠【3】西村康稔経済再生担当相が、CA(キャビンアテンダント)に、防護服の縫子をさせる!? いつの時代のジェンダー感覚なのか!?  コロナ禍を奇貨として、1938年の国家総動員法体制の再現を狙っている!?
┠■ニューヨーク州での一日の死者が779人と最多に! 米国が小国バルバドスの呼吸器を差し押さえ!? 自宅での死者数も急増!? 
┠■東京都内4000人のネットカフェ難民につき住宅支援はたったの500戸!? 都内タクシー会社はグループ会社込みの5社で全乗務員約600人の解雇決断! 「補填抜き」の緊急事態宣言の負荷はウイルスよりも急速に拡大中!
┠■総理会見に出席した岩上安身の質問状に総理官邸から回答が届く! 「PCR検査の1日2万件への倍増」との回答だが、体調不良を訴えてセンターへ相談した人の97%は検査にまで至っていないのが現実!
┠■<新記事紹介・本日の再配信>本日午後8時半より「東京オリンピックが1年延期となったが、世界中で新型コロナウイルスが収束した結果としてオリンピック開催が可能になる。開催自体が自己目的化してはダメだ~3.30日本外国特派員協会主催 自由民主党 石破茂 衆院議員 記者会見」を再配信します! すべての党員が安倍晋三総裁の顔色をうかがうようになった自由民主党で、一人、気を吐く石破氏の直言をテキストで読んで、再配信をご覧になってください!
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■はじめに~昨日9日、東京の新たな新型コロナ感染者は181人! 2日連続最多を更新! 緊急事態宣言当日政府が対処方針を改定、発令後即時に自治体が独自に施設の使用制限・要請ができなくなっていた!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日4月9日、東京都では新型コロナウイルスへの新たな感染者が、これまでで最も多い181人となりました。8日の144人に続き、2日連続での最多人数更新です。

※東京都で新たに181人感染、経路不明7割 新型コロナ(日本経済新聞、2020年4月9日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57869450Z00C20A4000000/

 安倍総理が4月7日に発出した緊急事態宣言を受け、政府と東京都の間で事業者への休業要請に関して調整が遅れ、混乱が続いています。

 昨日のこの日刊IWJガイドでもお伝えしましたが、東京都は当初、理髪店に休業を要請するとしていました。これについて国民民主党の玉木雄一郎代表が7日の衆院議員運営員会で「理容室、美容室、ホームセンターは、具体的にどうなるのか」と質問すると、新型コロナ対策担当大臣である西村康稔経済再生担当大臣は「理容室、散髪屋さんは制限の対象とすることは考えていない」と述べ、美容院も合わせた「理美容」についても「考えていない」と答えました。

 これについて、政府と調整していた東京都は昨日9日、休業要請の対象から理美容店やホームセンターを外す方針を固めました。

※緊急事態宣言、都と国の調整続く 理髪店は休業要請せず 居酒屋は時間短縮へ(日本経済新聞、2020年4月9日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57850140Z00C20A4MM0000/

 そもそも、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型コロナ特措法)では、総理大臣による緊急事態宣言を受けて、指定された都道府県の知事が必要な措置を要請するはずでした。

※新型インフルエンザ等対策特別措置法(2020年3月13日改正公布、14日施行)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=424AC0000000031

 ところが政府は、3月28日に総理大臣官邸で開催された「第24回新型コロナウイルス感染症対策本部」でまとめた基本的対処方針を、緊急事宣言を発令する7日に急遽改定し、「都道府県知事は国と協議の上、まずは外出の自粛を要請し、その効果を見極めた上で施設の使用制限の要請、指示等を行う」と決め、使用制限の対象となる施設についても政府が「所要の規定の整備を行う」との方針を決めました。

 つまり、特措法による緊急事態宣言では、都道府県の権限が強化される、としていたものが、逆に国権が強化される内容に、直前ですり替えられていたのです。

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特定都道府県(緊急事態宣言の対象区域に属する都道府県)は、まん延の防止に関する措置として、まずは法第 45 条第1項に基づく外出の自粛等について協力の要請を行うものとする。
その上で、都道府県による法第 24 条第9項に基づく施設の使用制限の要請を行い、特定都道府県による法第 45 条第2項から第4項までに基づく施設の使用制限の要請、指示等を行うにあたっては、特定都道府県は、国に協議の上、必要に応じ専門家の意見も聞きつつ、外出の自粛等の協力の要請の効果を見極めた上で行うものとする。政府は、新型コロナウイルス感染症の特性及びまん延の状況を踏まえ、施設の使用制限の要請、指示等の対象となる施設等の所要の規定の整備を行うものする。

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※新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(厚生労働省、2020年3月28日,
4月7日改定)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000620039.pdf

 これにより、東京都は緊急事態宣言と同時に独自に休業を要請する事業者を決めることができなくなりました。

 さらに、西村経済再生担当相は4月8日、緊急事態宣言の対象となった7都道府県の知事とのテレビ会議で、休業要請を2週間程度見送るように要請しました。これについては、感染者が急増する東京の小池百合子都知事は、2週間も待てないと訴えました。

※休業要請2週間見送り打診 西村担当相、7都府県に(東京新聞、2020年4月8日)
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020040801002183.html

 地方自治体がそれぞれの地域の実情に応じた対策をとるのではなく、政府が一律に対策を決めようとするのが、安倍政権の特徴です。こうした安倍政権の体質は、2月27日に安倍総理が専門家や側近の意見も聞かず、全国一斉の休校措置を要請したことにも表れています。

 岩上安身は3月14日、安倍総理記者会見で、改正新型インフルエンザ等特別措置法で発令が可能となった緊急事態宣言が、「ひとつの布石となり、国民を慣らし、その後にこの『安倍独裁』を可能とする改憲による緊急事態条項を導入するのではないか」と質問しました。これに対して安倍総理は改憲は「国民の皆様が決めるものだ」と回答するにとどめ、「安倍独裁」を否定しませんでした。

※総理会見で岩上安身が直撃質問!「報道、言論の自由は担保されるのか?」「非常事態宣言で国民を慣らし、改憲で緊急事態条項を導入!?」安倍総理は「安倍独裁」を否定せず「国民が選ぶこと」と回答!! 2020.3.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/469996

 また、この質問の際に、「都道府県知事の権限を強化されるのであって、私の独裁はありえない」といいつつ、実際には、緊急事態宣言が発効される直前に改定し都道府県の権限強化を弱めています。

 緊急事態宣言当日に基本方針を急遽政権の都合にあわせて改定したという事実は、見過ごすわけにはいきません。

 上記のテレビ会議では知事らが国に休業要請に対する損失補償を求めましたが、西村経済再生担当相はこれを拒否しました。

 休業要請に対する損失補償について、小池都知事は7日の記者会見で、休業や時短営業に協力した小規模事業者への「感染拡大防止協力金」制度について検討していると、明らかにしました。

※都内の感染者は、4月1日が66名、2日97名、3日89名、4日117名、5日143名、6日が83名、7日は80名。累計1196名。逼迫した状況が続いており、重大局面に変わりなし!~4.7 小池百合子都知事記者会見 2020.4.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/472453

 しかし、8日のテレビ会議では、他の府県の知事から、財政的な理由により「同じことをやるのは無理」との声も出ました。

 「自粛要請と補償はセットであるべきだ」ということについては、昨日9日、日本共産党の志位和夫委員長が定例会見で、「補償なき緊急事態宣言が様々な矛盾を引き起こしている。政府に対して、外出自粛や休業要請による事業者や個人の損失に対して生活や営業が持ちこたえられるよう、十分な補償を行うことを求める」と訴えました。

 志位委員長は、安倍政権の経済対策についても「世界最大規模の108兆円とはいうが、一般財政からの支出は16.8兆円にすぎず当面新型コロナウィルス危機に対して使えるのは約12兆円。なかでも給付金はたった6兆円」と指摘した上で「医療崩壊を阻止すると言いながら、緊急医療体制整備のための拡充予算は1490億円に過ぎない」と述べ、政府に抜本的な見直しを求めました。

 IWJはこの記者会見を録画収録し、昨日午後6時半から録画配信しました。お見逃しの方のために、本日、午後10時半より再配信します。

※「政府の経済対策は対象が狭い、額が小さい、たった1回きり! 生活が持たず、これでは国民は感染防止に協力できない!」 ~4.9 日本共産党 志位和夫委員長 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/472642  
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【タイムリー再配信 611・IWJ_YouTube Live】22:30~「4.9 日本共産党 志位和夫委員長 定例会見」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
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 一方、自民党の二階俊博幹事長は8日、外出を自粛して人との接触を8割減らすよう求めた安倍総理の発言について、記者団に「そんなことはできるわけがないじゃないですか。それは国民の皆さんのご協力をお願いすると、こういう早く言うと、お願いベースですよね」と発言しました。

※“人との接触7~8割削減” 二階氏「できるわけない」(TBSニュース、2020年4月8日)
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3951298.htm
 二階氏の発言は「国民への、皆さんのお願いベース」と表現はソフトで甘口ですが、見通しの方も大甘としか言いようがありません。
 もし8割削減が達成できないようであれば、コロナの爆発的蔓延を止めることは不可能となります。
 日経新聞が取り上げた4月3日付けの北海道大学教授の西浦教授のシミュレーションによれば、8割削減できれば、10日から2週間後に1日約千人の感染者を出すのをピークに急激に減少させられるといいます。しかし、それよりも削減の度合いが不足すると、自粛や休業の効果は出ず、オーバシュートしてしまうというのです。
※「欧米に近い外出制限を」 北大教授、感染者試算で提言(日本経済新聞、2020年4月3日)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57610560T00C20A4MM0000/  
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◆中継番組表◆

**2020.4.10 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch6】8:20頃~「加藤勝信 厚生労働大臣 定例記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

 加藤勝信 厚生労働大臣 定例記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた加藤勝信氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%8a%a0%e8%97%a4%e5%8b%9d%e4%bf%a1
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【IWJ・Ch7】11:00~「日本共産党 田村智子副委員長 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch7

 日本共産党 田村智子副委員長による定例会見を中継します。これまでIWJが報じてきた田村智子氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%94%B0%E6%9D%91%E6%99%BA%E5%AD%90
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【IWJ・Ch7】14:00頃~「茂木敏充 外務省 定例記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch7

 茂木敏充 外務大臣の定例会見を中継します。これまでIWJが報じてきた茂木敏充氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E8%8C%82%E6%9C%A8%E6%95%8F%E5%85%85
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【IWJ・Ch5】14:00~「小池百合子 都知事 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 小池百合子 東京都知事の定例記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた小池百合子氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%B0%8F%E6%B1%A0%E7%99%BE%E5%90%88%E5%AD%90
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開催中止【IWJ・Ch4】14:45~「第6回 感染実態解明 野党合同ヒアリング ―内容:東京都をはじめ全国での1月から昨日までの1日ごとの帰国者・接触者センターの相談数、外来の受診数、PCR検査件数(センター経由)、陽性者の数(センター経由)、積極的疫学調査のPCR検査数及び陽性者数について」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 感染実態解明 野党合同ヒアリングを中継します。これまでIWJが報じてきた新型コロナウイルス関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/special_new-coronavirus
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開催中止【タイムリー再配信 609・IWJ_YouTube Live】19:00~「4.10 第6回 感染実態解明 野党合同ヒアリング ―内容:東京都をはじめ全国での1月から昨日までの1日ごとの帰国者・接触者センターの相談数、外来の受診数、PCR検査件数(センター経由)、陽性者の数(センター経由)、積極的疫学調査のPCR検査数及び陽性者数について」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 同日4月9日収録の、感染実態解明 野党合同ヒアリングを再配信します。これまでIWJが報じてきた新型コロナウイルス関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/special_new-coronavirus
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【タイムリー再配信610・IWJ_YouTube Live】20:30~「東京オリンピックが1年延期となったが、世界中で新型コロナウイルスが収束した結果としてオリンピック開催が可能になる。開催自体が自己目的化してはダメだ~3.30日本外国特派員協会主催 自由民主党 石破茂 衆院議員 記者会見」
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

3月30日に収録した、「日本外国特派員協会」主催の記者会見を再配信します。これまでIWJが報じてきた石破茂氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%9F%B3%E7%A0%B4%E8%8C%82

[記事URL]https://iwj.co.jp/wj/open/archives/471205
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【タイムリー再配信 611・IWJ_YouTube Live】22:30~「4.9 日本共産党 志位和夫委員長 定例会見」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 4月9日収録の、日本共産党 志位和夫委員長の定例会見を再配信します。これまでIWJが報じてきた志位和夫氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%bf%97%e4%bd%8d%e5%92%8c%e5%a4%ab

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◆中継番組表◆

**2020.4.11 Sat.**

<調整中>

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

都内の感染者は、4月1日が66名、2日97名、3日89名、4日117名、5日143名、6日が83名、7日は80名。累計1196名。逼迫した状況が続いており、重大局面に変わりなし!~4.7 小池百合子都知事記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/472453

2019年12月、東京江東区のUR住宅で、72歳と66歳の兄弟が餓死した。国民の居住の安定と福祉を目指す公的住宅でなぜ餓死が起きるのか?~3.28緊急会見「公的住宅での困窮死・孤立死をなくすために」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/471048

故赤木氏の自殺は財務省による調査報告書に記されていない! 自殺の経緯や麻生財務大臣に近い議員らの関与を検証~4.1 野党による「森友問題再検証チーム」通算第52回ヒアリング 2020.4.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/471411

更田委員長の国会答弁について会見は紛糾!大山噴火による関電高浜、大飯、美浜各原発への降下火砕物について検討した事前会議での発言をめぐって~4.8原子力規制委員会 更田豊志委員長 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/472459

繰り返し「ロックダウン」という言葉を発してきた小池都知事! 都市封鎖の法的根拠はなく、お願いと自己判断がベースと強調!~4.3小池百合子・東京都知事 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/471481

「政府の経済対策は対象が狭い、額が小さい、たった1回きり! 生活が持たず、これでは国民は感染防止に協力できない!」 ~4.9 日本共産党 志位和夫委員長 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/472642

「今キャッシュが流れるようにする事すらこの政権はやっていない!」IWJ記者の政府経済対策案に合わせて消費税減税が必要なのでは!? との問いに答えて~4.7立憲民主党 枝野幸男 代表 記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/472439

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■IWJへご寄付をくださった方々のお名前とIWJへの応援のメッセージを感謝を込めて掲載させていただきます。今後ともIWJをお支えください! よろしくお願いします!

 ここに、3月中にご寄付くださった方々のお名前を、感謝を込めて順次掲載させていただきます。

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M.S.様
松崎成子様
M.T.様
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 皆様、本当にありがとうございます! 心から感謝いたします!

 現在、新型コロナウイルス感染拡大への対策で、人や物の移動が制限され、世界中の経済が縮小しています。先行きの見通しが立たない中、日本でも皆様の生活へ、少なからず影響が及んでいることと存じます。

 そのような状況下にもかかわらず、独立メディアとしてのIWJの存在を支えてくださる皆様に、心からの感謝を申し上げます。

 これからもIWJへのご支援を、どうぞよろしくお願い致します!

■<ニュース・フラッシュ>

【1】日産が5000億円の融資を要請!? コロナの影響で自動車業界は業績悪化!? 従業員の削減が予測される!?

 9日に日産が、みずほ銀行などの3メガ銀行と日本政策投資銀行に対し、5000億円の融資枠の設定を要請したと報じられました。「危機対応融資」と呼ばれる災害や金融危機などで、一時的に業績が悪化した場合に受けられる制度を活用する見通しです。日産は、カルロス・ゴーン被告が逮捕されて以降、経営が混乱していることも背景にあります。

※日産、5000億円融資枠要請 3メガバンクと政投銀に(日本経済新聞、2020年4月9日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57856760Z00C20A4MM8000/

 これまでIWJが報じてきたカルロス・ゴーン氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。  https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%B3  

※「明らかにクーデター!」日産自動車のカルロス・ゴーン前会長逮捕の不当性について、IWJの川上正晃記者が郷原信郎弁護士に訊く! 2018.12.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/437841

※(再掲)再逮捕直前メッセージ動画公開!!「これは『陰謀』『謀略』『中傷』だ」!! ~4.9日本外国特派員協会主催 日産自動車前会長 カルロス・ゴーン氏弁護人 弘中惇一郎弁護士・小佐々奨弁護士 緊急記者会見 2019.4.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/446545

※レバノンに逃亡したカルロス・ゴーン氏が8日にベイルートで記者会見! 日本の司法当局は、容疑者の扱いが不当なものではないと国際社会に向かって堂々と反論できるのか!? 岩上安身によるインタビュー 第975回 ゲスト 郷原信郎弁護士 2020.1.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/464878

 新型コロナウイルスの影響で、車の需要が急減する中、自動車の大手企業は一斉に資金提供確保に動いているそうです。日産は5月に新たな経営再建案の公表を予定しており、生産能力の縮小や従業員の削減が予測されます。リストラ費用を賄う資金の確保も必要になります。

【2】日銀が全国9地域すべての景気判断を引き下げ!! これはリーマン・ショック後の2009年1月以来で、コロナショックはまさに深刻!!

 日本銀行は、昨日、9日、2020年4月の地域経済報告(さくらリポート)を発表しました。報告書によれば、全国9地域すべての景気判断が引き下げられています。

※日銀、全国9地域の景気判断引き下げ…リーマン・ショック以来(読売新聞、2020年4月9日)
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200409-OYT1T50232/

 すべての地域の景気判断を日銀が下げたのは、2009年1月のリーマン・ショック以来になります。

 日本銀行のホームページに掲載されている2020年4月の地域経済報告(さくらリポート)によれば、北海道、東北、北陸、関東甲信越、東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄の全9地域の景気判断に、「新型コロナウイルス感染症の拡大などの影響により、このところ弱い動きとなっている」などの文言が並びました。

※地域経済報告(さくらリポート)(日本銀行、2020年4月9日)
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rer200409.htm/

 2020年1月の景気判断では、「海外経済の減速や自然災害などの影響がみられるものの、基調としては穏やかに拡大している」(関東甲信越)、「一部に弱めの動きがみられるものの、穏やかな拡大を続けている」(近畿)、「穏やか」という修飾表現を使っていても、すべての地域で景気の「拡大」および回復が起きていると日銀は報告していました。

 それが今回、日銀の全地域の支店長らが、勢ぞろいで「新型コロナウイルス感染症の拡大などの影響」という文言を用いて、「不景気」になったと報告をしました。

 そもそも、一部の人を除き、日本の国民生活は窮乏しており、人々の暮らし向きは厳しく、明らかに「不景気」であるにもかかわらず、日銀は、景気が回復との判断を報告し続けてきました。こうした一種の“日銀話法”もとうとうコロナショックで限界となり、不景気であることを認めざるを得なくなったのではないでしょうか。

 現在、全国の景気は「弱い動き」どころではありません。もはや、土砂降りの不景気の中にあるといえます。

【3】西村康稔経済再生担当相が、CA(キャビンアテンダント)に、防護服の縫子をさせる!? いつの時代のジェンダー感覚なのか!? コロナ禍を奇貨として、1938年の国家総動員法体制の再現を狙っている!?

 西村康稔経済再生担当相がテレビ番組で、休業中の客室乗務員らに、新型コロナウイルスにより不足気味の防護服を確保するために、縫製を依頼する方向で調整しているとのことです。

 航空会社の客室乗務員が防護服の縫製支援 新型コロナ対策(時事ドットコム、2020年4月8日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020040801217&g=eco

 西村大臣の意向について、埼玉県でアパレル関係の、デザインから縫製管理までおこなっているSさん(30代・女性)に取材を行いました。

 Sさんは「防護服の縫製のクオリティーは、完璧な防菌が必要とされるため、高いレベルが担保されなくてはいけない」と語り、「西村大臣は、比較的簡単にできると言っていますが、はたしてそうでしょうか」と疑問を呈しました。またSさんは西村大臣の発言について、「女性ならお裁縫くらいできるだろうという、あたかも戦時中のような、時代錯誤のジェンダーバイアスがかかっており、非常に不快に思っています」。
「保育も介護も料理だって、家で作るのと、お客様にプロとして提供するのではレベルが違いますよね。縫製を仕事にしている人たちにリスペクトがまったくないですね。専門職なのに!CAさんにも失礼だと思います。本当にああいうコロナ問題の大臣という重責には向かないと思うのでやめてほしいです」と憤慨していました。

 国家総動員法(こっかそうどういんほう)とは、1938年(昭和13年)に制定されました。大東亜戦争の長期化により総力戦の遂行のため国家のすべての人的・物的資源を政府が統制運用できる(総動員)旨を規定しています。転じて、縫製について素人のCAさんを使って、国民、皆でやっている感を出そうとしている今回の西村大臣の意向は、「国家総動員法」の再現を狙っている!? と思われても不思議ではありません。

 IWJでは、岩上安身による、早稲田大学・長谷部恭男教授インタビューで、国家総動員法について詳しく解説しています。下記のURLから、ぜひご覧ください。

 ※【第361号】岩上安身のIWJ特報!自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で「ナチスの手口」がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学・長谷部恭男教授インタビュー(その6) 2018.2.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/413289

 美大の服飾デザイン科出身のSさん自身が、新人研修で、縫製工場に勤務していた時の体験にもとづき「服飾科出身の人間でも新人にできることなど限られていました。ましてや防護服なんて縫い直し厳禁、滑脱厳禁だろうし、素人にはできないだろうと思います」と語ります。
 
 縫製のプロではないCAさんに頼むくらいなら「日本に潰れかかってる縫製工場などいっぱいあるだろうし、何ならアパレルみんな瀕死状態なので、そういう所にお金出してやってもらえば良いと思います」と主張しました。

■ニューヨーク州での一日の死者が779人と最多に! 米国が小国バルバドスの呼吸器を差し押さえ!? 自宅での死者数も急増!?

 8日にニューヨーク州では、一日の死者数が779人と最多になり、感染者は14万9000人に昇ってしまいました。これはニューヨーク州だけで、世界で2番目に感染者が多いスペインよりも、3000人多い感染者がいるということになります。

 ニューヨーク州のクオモ知事が、同州の「感染のピーク」は「4~8日後になる」との見通しを記者会見で述べたのは、5日前の4月4日のことでした。今がピークで、このあとピークアウトするのか、それとも高原状態続くのか、あるいはピークはまだ先で、今後も増加し続けるのか、まだ現時点で見きわめがつきません。

※NY州のピークは数日後か(共同通信、2020年4月4日)
https://www.47news.jp/national/new_type_pneumonia/4685655.html

 一部では米国の強行的な医療資源確保が問題になっています。

 カリブ海の人口30万に満たない国、バルバドスが購入した人工呼吸器20台が、米国により差し押さえられたと報じられました。バルバドスの保健と健康省の大臣が発表したと、5日付のバルバドスのメディアのバルバドス・トゥデイが報じています。保健と健康省の大臣は、この差し押さえをしたのが、米国のどこの機関なのかは公表していません。

※Ventilators destined for Barbados seized by U.S.(Barbados Today、2020年4月5日)
https://barbadostoday.bb/2020/04/05/ventilators-destined-for-barbados-seized-by-u-s/

 ニューヨーク州のクオモ州知事は感染拡大を抑制するソーシャルディスタンシングの効果が出ていると発言する一方で、まだ油断できない状況も説明し、引き続き自宅待機を要請しました。

 国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も「完全に予測することはできないが、秋までにはウイルスを統制下に置き、現在のような状況ではなくなっているのではないかと期待している」と発言をしました。

 また自宅で亡くなる人が急増し、この人数が新型コロナウイルスよる死亡者数に数えられていないことが問題になっています。

 ニューヨーク市消防局は、過去2週間に遡って自宅で死んだ人が2192人であり、去年の今頃は453人であったと発表しました。

 それに対し、ニューヨーク市長のビル・デブラシオ氏は、これらの死者が高い割合で新型コロナウイルスによるものであることを認識しているという発言をしました。7日時点のニューヨーク市の新型コロナウイルスによる死者は3555人であるため、去年との死者数の差がすべて新型コロナウイルスによるもののと仮定すると50%も死者数が増える可能性があるということになります。

 デブラシオ市長は「(自宅での死者が高い割合で新型コロナウイルスによるものであることを認識することで、)多くの人が亡くなっているということが明確にわかる」と発言。そしてニューヨーク市の保健局は「自宅で死亡した者が、新型コロナウイルスへの感染が陽性と判定がされてない場合でも、感染が疑われる場合、新型コロナウイルスによる死亡者として換算する」という考えを表明しました。

※After Deaths At Home Spike In NYC, Officials Plan To Count Many As COVID-19(NPR、2020年4月8日)
https://www.npr.org/sections/coronavirus-live-updates/2020/04/08/829506542/after-deaths-at-home-in-nyc-officials-plan-to-count-many-as-covid-19

※NY州だけで感染世界ワースト1位、集計されない「在宅死」も多数か(Yahoo News、2020年4月9日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200409-00010004-reutv-n_ame

※NY州のピークは数日後か 米感染者30万人、死者8千人超(共同通信- Yahoo!ニュース、2020年4月9日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200405-00000006-kyodonews-soci

 日本では、7日に緊急事態宣言が発令され、外出自粛が要請されました。今後、自宅で、新型コロナウイルスで死亡するケースが増えていくと想定されます。しかし日本では、症状があって検査を希望する人すら、なかなか検査させてもらえない状況です。いわんや、死者に対する検査はもっと少ないです。新型コロナウイルスによる死者数として計上されず、感染者数がますます把握できなくなっていくでしょう。

 ちなみに、4月6日にテレビ朝日の「モーニングショー」に出演した時事通信OBで政治評論家の田崎史郎氏が、「肺炎で亡くなった人のことを、後でCT検査をして、これでコロナウイルスなのかどうかというのは、いちいち判断しているんですよ」 と根拠のないデマ発言をして、物議を醸しています。
実際にはCTでは、新型コロナに感染したかどうかの確定診断を行うことができず、コロナウイルスかどうかの判断をするためにはPCR検査が不可欠になります。また田崎氏は番組内で「全部やっているんですよ。その結果として、今の死者数が出てきているんで」(コロナ問題が浮上した)「最初から」等々とも発言していましたが、まったく根拠がありません。

 3月7日には、名古屋市で死亡者から新型コロナウイルスが検出されたという報道がなされました。しかしそれは国がクラスターから感染経路を特定することがまだ可能と思われた1ヶ月前の話です。経路の追えない市中感染が感染者の多数を占めるようになった現状では、肺炎で亡くなった方全員のPCR検査などやっていません。

 田崎氏が虚言を吐いた翌日の「モーニングショー」では、肺炎患者への死後の検査件数を東京都に問い合わせたところ、わずか「3件」という回答だったと報告がありました。しかし、田崎氏本人による謝罪や訂正の言葉はありませんでした。

 ひとり暮らしの高齢者が、自宅でひっそりと孤独死するケースは、東京23区内では年間3000件以上にのぼります。その中にコロナ陽性でありながら、検査をしてもらえなかった人がいたとしても、日本では、ニューヨークと違い、死後に検査をされることもほとんどなく、新型コロナウイルスによる死者数として計上されずに終わるのでしょう。真の感染者数は結局、安倍政権下の日本では、永遠に明らかにならないものと思われます。

■東京都内4000人のネットカフェ難民につき住宅支援はたったの500戸!? 都内タクシー会社はグループ会社込みの5社で全乗務員約600人の解雇決断! 「補填抜き」の緊急事態宣言の負荷はウイルスよりも急速に拡大中!

 連日、IWJでも関連ニュースをお伝えしている通り、2020年4月7日、安倍総理は新型コロナウイルスの感染が急増している東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県に対し、緊急事態宣言を発令しました。

※【詳報】首相が緊急事態宣言「2週間後に感染者を減少」(朝日新聞、2020年4月7日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN467JFGN46UTFK01R.html

 同ウイルスの検査数の少なさによって、米国から不信感を突き付けられたことも理由の一つでしょう。厚生労働省は新型コロナウイルスに感染している恐れがある人に対し外来診療した場合の診療報酬を3000円に、また感染者の入院は1日につき2500円の報酬を特別に認めることに決めました。

 同省がこのウイルスに対する診療体制を強化し、「医療崩壊」を防ぐためということですが、「補填抜き」の自粛要請をしている時点では、テレワークをすることのできない多くの労働者は働きに出ることを避けられません。人々が外出をせざるを得ない状況を作っておいて、「医療崩壊」を防ぐための努力をしている風を装っているだけにしか見えません。

※コロナ患者診療で報酬上乗せ 厚労省、対応機関増加狙い(朝日新聞、2020年4月8日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200408-00000056-asahi-sctch

※だからいわんこっちゃない!真っ先に同盟国・米国から不信を突きつけられた検査過少の日本!(日刊IWJガイド、2020年4月5日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/39928

 そして、言うまでもないことですが、仕事を失い、所持金も底をつき、外へ出られなくなった時、あるいは、引きこもる住まいをも失った時が本当に怖いのです。

 ネットカフェに対して都は休業要請を出しましたが、4000人もの通称「ネカフェ難民」の人たちが生活する場所を失うことが危惧され始めています。
東京都はネットカフェで暮らす人たちのことを視野に入れて、合計500室の一時住宅の確保を目指しています(現在確保しているのは100室のみ)が、500室確保できたとしても、後の3500人の人たちはどこで暮らせというのでしょうか? また、「補償なき休業」の事実上の「強制」によって、これから倒産、失業が相次ぎ、住まいを失う人たちが、増え続けるでしょう。安心して眠れる寝床を必要とする人たちはあと「3500人」だけでなく今後増えていく可能性が高いのです。

※このままでは4000人が行き場を失う。新型コロナ、東京都の住宅支援は500戸のみ(BuzzFeed Japan、2020年4月8日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200408-00010004-bfj-soci

 藤田孝典氏はツイッター上で「現段階で住居を失ってしまっている方は、早急に福祉課に相談のうえ、簡易宿所、ビジネスホテルなどでの保護を求めてください。外出自粛要請が出ています。感染拡大を防止するうえでも、福祉課に駆け込んでください。自分を守り、他者を守り、社会を守るために、生活保護を受けてください」と訴えています。

※藤田孝典氏のツイート(2020年4月8日)
https://twitter.com/fujitatakanori/status/1247789966094037000

 自粛要請が続けば、生まれて初めて家を失う人が出ることも、このままではあり得ます。今回のウイルス拡大を受けて「休業等に伴う収入減少により、離職や廃業に至っていないがこうした状況と同程度の状況に至り、住居を失うおそれが生じている者に対して、住居確保給付金を支給できることとする(省令改正)」という厚生労働省の資料を見ましたが、自治体によって支給条件が違うとのことです。
是非、心配な状況に置かれている人は自治体に問い合わせてください。そして、こうした情報を必要としている方々のために、可能な限り情報を拡散し、届けてあげてください。

※収入減少世帯にも家賃補助制度が拡充 家賃を給付してくれる住居確保給付金の対象範囲拡大が決定!(Yahoo! JAPANニュース、2020年4月8日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200408-00172159/

 一方、西村康稔経済再生担当相は、9日、事業者に対して休業要請を行った場合の個別の補填について「難しい。法律上、規定はない」と記者団に改めて語りました。緊急事態宣言が発令された場合、「会社都合による休業」ではないため、「企業が労働基準法にもとづいて従業員へ支払う休業手当の支払い義務の対象にならない」というのが政府の見解です。

※個別休業補償「困難」と西村担当相 経済界とテレビ会議(産経新聞、2020年4月9日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200409-00000527-san-soci

NPO法人「POSSE」代表理事やブラック企業対策プロジェクト共同代表をつとめる今野晴貴氏は、「緊急事態宣言を行った最大の狙いは、実は事業者に休業手当の負担をさせないためだったのではないか」という見方をしています。

 今野晴貴氏は、4月6日に、ツィッターで、こう警鐘を鳴らしています。
「大変な状況です。厚生労働省によれば、緊急事態宣言が発令された場合、休業は企業の責任とは言えないため、休業保障は打ち切って良いと言うことです。

 代わりの保障制度は何も整備されていません。主に非課税世帯に30万円を配るようですが、大半の労働者への手当を明日までに、すぐに整えるべき」

※今野晴貴氏のツイート(2020年4月6日)
https://twitter.com/konno_haruki/status/1247073140414377984

 また、岩上安身も、同じ4月6日に、この事態に対して、緊急事態宣言の狙いが、従業員への休業補償なしに、事業者に営業の自粛をうながすことにあったのだろうとツィッターで指摘していました。

 「結局、宣言前の自粛の時と、宣言後は、企業が休業保障をしなくていい、という点だけ。つまり、コロナの封じ込めのための新たな対策もなし、中途半端に世の中は動き続けるものの、労働者への補償だけがない、というシロモノ」

 この「補填抜き」の自粛要請によって、居酒屋などがすでに深刻な悪影響を受けています。

※「緊急事態宣言で居酒屋や水商売は大打撃! それでも補償はせず!一方、『満員電車』は相変わらず! そして宣言発出後も自粛対象業種はいまだに不明!!」(日刊IWJガイド、2020年4月9日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/39940

 もちろん、この悪影響は飲食店だけに留まりません。身近なところでは、IWJスタッフが通っている都内のまつエク(まつ毛エクステンション)専門店も、来客数が減る中にあっても、最近は消毒液などを用意した上で利用客に体温の測定の徹底をお願いするなど、新型コロナウイルスに対してかなり気を付けて営業を続けていました。しかし、宣言のあった7日15時頃に2週間休業する旨を知らせるEメールを配信しました。

 余波はこれだけにとどまりません。ハフポスト日本版の調査(4月9日時点)では、東京都23区にある認可保育園の内、江東区を除いて、千代田区などの8つの区の園が原則として「休園」を、品川区などの14区の園が「自粛」要請を受けたとのことです。

※緊急事態宣言、東京23区の保育園はほぼ全て「休園」か「自粛要請」に【新型コロナ】(HUFFPOST、2020年4月9日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200409-00010000-huffpost-soci

 娯楽施設についても、2月29日から休業中の東京ディズニーランド及び東京ディズニーシーは、当初は3月16日の再開を見込んでいましたが、その後再開予定日は4月上旬へ、さらに4月20日以降へ延長になり、3回目の延長である今回は、再開の時期の発表について5月中旬に判断するとのことです。

※東京ディズニーランド&東京ディズニーシー臨時休園期間延長を発表 再開時期は5月中旬に判断(ORICON NEWS、2020年4月9日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200409-00000333-oric-ent

 都内のタクシー会社大手の「ロイヤルリムジン」は、グループ会社の計5社の約600人の全乗務員を解雇する方針で、7日から順次解雇の通達を行っていることを明らかにしました。朝日新聞の記事に対して、前出の今野晴喜氏は、「全員解雇はあまりに乱暴だ。労働契約法に明らかに違反している。他方で、国の無策がこのような経営判断を助長していることも見逃せない」と指摘しています。

 ロイヤルリムジンは、感染拡大の収束後、希望者は全員再雇用するつもりであるとのことです。今野氏のコメントにある通り、国の無策が誘因で、緊急事態の展開のスピードに制度が追い付いていないことは明らかなので、例外的に寛容な処置が取られるものと期待しますが、本来、再雇用を見越した解雇は不正受給に当たる可能性があります。会社側が再雇用したいと望む時まで、失業保険で一体何割の乗務員がこの緊急事態をしのぐことができるのでしょうか? 

 ロイヤルリムジンに電話取材を試みましたが、残念ながら、現在取材したいというメディアが殺到しており、取材は断っているとのことでした。ロイヤルリムジングループが社員に向けて張り出した貼り紙には以下のように記されていました。

「ロイヤルリムジングループ社員の皆様へ

 この度、政府より緊急事態宣言が出されることになりました。それに対し、当社は生き残りをかけ、一旦事業を休止することを決断しました。

 具体的な方策は現場より説明いたしますが、混乱の中少しでも早く、皆さまが円滑に失業手当をもらえるために決断した次第です。また、政府からの30万円の給付金もしかりです。

 タクシー事業の休業補填は歩合給と残業の給与体系ため、失業手当より不利なためこの選択をしました。

 各関係者とグループへの説明のため私は今奔走しており、皆様に直接伝えるべきこと、申し訳ありませんが、取り急ぎまずは書面にてお知らせとさせていただきます。また、一日も早く説明に参りますので、どうかご理解いただき、手続きへのご協力をお願い致します。今後も取りうる手段の中で一番の対応をしていきますので、どうかご理解ください。

 長い人生の中で土砂降りの時もあるものです。神戸の震災で友人をなくし、家業もなくし、家も全壊となりましたが、私の家は復活しました。私にはその復活のDNAが流れています。

 皆様とたった10台から一緒にこの会社を作ってきました。皆様にお約束いたします。必ず生き残り、皆様の職場を完全復旧できるように、私の人生をかけて戦います。

 そして完全復旧した暁には、みんな全員にもう一度集まっていただき、今まで以上に良い会社を作っていきたいと思います。

 ロイヤルリムジンは永久に不滅です。
 かならず皆さん、再会しましょう!

2020年4月6日 ロイヤルリムジン株式会社 代表取締役 金子 健作」

※東京のタクシー会社、全乗務員600人解雇へ 自粛影響(朝日新聞、2020年4月8日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200408-00000063-asahi-ind

■総理会見に出席した岩上安身の質問状に総理官邸から回答が届く! 「PCR検査の1日2万件への倍増」との回答だが、体調不良を訴えてセンターへ相談した人の97%は検査にまで至っていないのが現実!

 昨日のこの日刊IWJガイドでお伝えしましたが、4月7日に新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が発令されたことを受けて行われた安倍総理の記者会見で、質問できなかった岩上安身が送った文書での質問に対して、昨日9日、総理官邸から回答がありました。

※7日の安倍総理記者会見、岩上安身は抽選に当たり出席し、挙手し続けるも当てられず。最後に長谷川広報官から「では、質問は文書で出してください」と言われ、質問状を安倍総理宛に送付することに!! 質問内容を全文公開します!!(日刊IWJガイド、2020年4月9日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/39940

 岩上安身が送付した質問を以下に再掲します。

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昨日7日、の安倍総理大臣会見に参加したインターネット報道メディアIWJ(Independent Web Journal)代表で、ジャーナリストの岩上安身です。

 昨日指名されませんでしたので、総理(並びに尾身茂・専門家会議副座長)にする予定だった質問をお送りします。ぜひとも安倍総理自身にこの質問書面を読んでもらい、安倍総理ご自身の言葉での回答をお願いしたいと思います。官僚の皆さんが優秀なのはわかりますが、質問の回答を官僚の方々が代行されることはご遠慮いただきたいと存じます。口頭ではなく、書面となりましたので、いささか長くなりましたが、ご容赦下さい。

 以下、質問です。

 緊急事態宣言について、たくさんのメニューが並びました。他の諸外国のように厳格な外出禁止令、都市封鎖(ロックダウン)によって人々の移動の自由が極端に制約されることがなかったのは、多くの人々にとって安堵するところでしょうが、対策の中で最も重要なこと「大規模かつ迅速な検査の徹底」という言葉・項目がまったく抜け落ちておりました。

 非常に厳しい外出禁止令やロックダウンを出さずに、コロナウイルスの終息にまで導いたのは主たる諸外国の中で韓国ぐらいのものです。その韓国が、どこの国よりも徹底したのは、PCR検査の徹底でした。

「ロックダウン抜きの緊急事態宣言」であれば、韓国のように「徹底的した検査とロックダウン抜きの緊急事態宣言」であるべきではなかったのか。そうではなかったのはなぜなのか、理由をお聞きしたいと思います。

 総理は、会見中幾度も、日本が諸外国と比べて感染数、死者数が少ない点に言及されていましたが、そもそも検査数が他国と比べて著しく少ないという事実については、一切口にされませんでした。

 これは不可解なことで、国内外から日本のPCR検査の過少については、ずっと批判されています。他国と比較すると100万人あたりの検査数は、イタリアで1万2千人、ドイツ1万1千人、韓国9千人、米国5千人に対して、日本はたったの365人(4月6日時点)にとどまっています。

 また、ニューヨーク・タイムズ紙は、和歌山の仁坂吉伸知事のリーダーシップについて取り上げ、検査を過少にとどめるというこれまでの国の方針に従わず、徹底して検査を行い、その結果、初期に感染者が増えたものの、その後は封じ込めに成功していると報じています。こうした検査過少の政府対策本部および専門家会議の方針に疑問を呈してきたのは海外メディアだけではありません。

 同盟国の米国が、在日米国人に対して「米国への即時帰国を手配する必要がある」と帰国命令を4月3日に出しています。その理由は「日本で報告されたCOVID-19の症例数は比較的少ない。日本政府の広範な検査を行わないという決定は、COVID-19の有病率を正確に評価することを困難にしている」と記されています。
これは検査過少で実態がわからない、即ち、検査があまりに少ないために日本政府の公表するデータ以上に実際には新型コロナウイルスは蔓延しているのではないか、という疑念にもとづいて自国民に日本からの退避を呼びかけるものでした。この文章は、大使館のHPに公然と掲げられています。国内外、全世界から閲覧することができます。

 これは、国際社会、とりわけ日本において重要な同盟国である米国から、「不信」の念を突きつけられているに等しい状況であり、感染症リスクに加えてさらに、政治的・外交的リスクをも高めてしまっているのではないかと推察されます。

 ノーベル賞を受賞された、我が国が誇る知性である京都大学のIPS細胞研究所所長の山中伸弥教授は、コロナ対策に関して5つの提言をしており、そのうちの「提言2」として「感染者の症状に応じた受入れ体制の整備~無症状や軽症の感染者専用施設の設置」を提言されています。

 総理のお話では、東京でも大阪でも、ホテルを借りて軽症者の施設を確保するとのことでした。

 山中教授は、この「提言2」の実行が前提とした上で、「提言3」として、「検査体制の強化」を求めています。

 「これまでわが国は、無症状や軽症の感染者の急増による医療崩壊を恐れ、PCR検査を限定的にしか行ってきませんでした。しかし、提言2が実行されれば、その心配は回避できます」と山中教授は述べ、このまま(の過少検査状態)では「医療崩壊がかえって加速されます。自分が感染していることに気づかないと、家族や他の人への2次感染のリスクが高まります」「PCR検査を必要なときに必要なだけ行う体制の強化が求められています」と訴えます。

 本日の総理の言葉にあるように、東京や大阪でホテルを借り上げるなどして、「提言2」の実行という前提をクリアされたのですから、今こそ「提言3」である「検査体制の強化」を、大々的に行うべきであると思われます。

 緊急事態宣言の発出とともに、様々な施策を行い、なんとしてもこのコロナ禍を終息させて、国民を無事に、国民生活を安全に、国民経済を復調させようという安倍総理の並々ならぬ決意は伝わってまいりましたが、これらの施策が功を奏して、コロナ禍を終息させられるか、その鍵を握る肝心要の検査の問題がまったく抜け落ちていたのは合点がいきません。「検査の拡充」に大胆に踏みきる、という言葉が記者会見の席上、なかったのはなぜでしょうか。

 この点を、どうしてもお聞きしておきたいと思います。

 緊急事態宣言をし、国民に行動の自粛を求め、人と人との接触を減らしている間に、大規模に、無症者までも含めて検査を行えるようにし、陽性の人間を早く見つけて無症者や軽症者用の施設に隔離するという対策を大胆に断行されるのか否か。

 現在多数、コロナの疑いがあるのに、検査を受けさせてもらえない体調不良者が存在しますし、彼らのうち体調不良を訴える者には早期に検査を受けさせ、軽症ならば家族と引き離して隔離施設に入れ治療を施す。軽症者・無症者のための隔離施設の確保と、検査の拡充は一体となって行われるべき対策のはずです。そうでなければ、陽性者を早期に発見し、隔離して、市中感染を増やすのを食い止められません。

 体調不良だが検査を受けられない者は今、在宅での療養が中心です。そこへこの緊急事態宣言での休業や、行動自粛、出勤を控えての在宅テレワークを命じられた他の家族が狭い家にひしめくことになると、家庭・家族こそが感染ハブとなってしまいかねません。人を家に押し込めておけば、なんでも安全なのではないと思われます。

 そうした点も踏まえて、安倍総理には、「検査の大幅な拡充」について、英断を下し、リーダーシップを発揮し、他国並みの検査数を行って、同盟国米国を含めて国際社会からの信頼をも取り戻すおつもりであるのか、お聞かせください。

追伸

 この質問状をしたためているうちに、7日夜のテレビ東京の番組で、安倍総理が「(1日当たりの)検査能力を2万件まで上げていきたい」と発言したと時事通信が報じました。こうした重大事については、公式の会見のスピーチで主張されるべきでしたし、記者たちの質問を受けるべきではなかったでしょうか。

 質問の追加をいたします。

 先述した通り、4月6日時点で、日本のPCR検査数は、わずか365人(人口100万人あたり)です。それでもこれ以上は無理だ、患者が殺到すると医療崩壊が起こる、というアナウンスがさんざんされてきました。

 この状態から、1日あたり2万件、約6倍にどうやって引き上げるのでしょうか?飛躍的に向上させるための秘策や、それが可能であるという何か具体的な根拠があるのか、実効性とその発言の担保をお示しください。

 また、あわせて、それが可能ならば、なぜ今までやってこなかったのか、その理由をお聞かせください。

 以上です。よろしくお願いします。

岩上安身拝

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 これに対して官邸からの回答は、次のような簡単なものでした。

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(質問)【IWJ】
 PCR検査体制に関するご質問。
 
(回答)
○ PCR検査については、4月6日時点で、全国で1日当たり約1万2千件の検査能力を確保していました。
 
○ その上で、
・ 医師が必要と認めた場合にPCR検査を実施し、患者が確認された場合には、全て報告を求めるとともに、
・ 保健所などにおいて、クラスター対策を進める中で把握された濃厚接触者に対してPCR検査を実施することで、国内の感染状況を把握しているところです。
 
○ さらに、感染拡大の防止に向け、緊急経済対策において、地方衛生研究所や民間検査機関などの体制強化や検査機器の整備によるPCR検査体制の1日2万件への倍増や、保健所の体制整備などにより抜本的に体制を強化していく考えです。

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 厚生労働省にホームページによると、東京の帰国者・接触者相談センターへの相談件数は41,105件であり、そのうちPCR検査を実施したのは964件です。これは相談者のうち97%は検査に至っていないことになります。

※帰国者・接触者相談センターの相談件数等(都道府県別)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000619807.pdf

 一方で東京都は4月8日時点で、検査人数における陽性者は27%であると公表しています。仮に、接触者相談センターで相談した人全員が検査を受け、現在と同じ陽性率で新型コロナウイルスに感染していた場合、感染者は11000人に増えます。現在の東京都の感染者数は1347人です。

※新型コロナウイルス陽性者数(チャーター便帰国者を除く)とPCR検査 実施人数(都道府県別)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000620474.pdf

 PCR検査は相談センターを通して以外にも、医療機関から直接受けるケースも多いので、実際はもっと多いと考えられるでしょう。

 総理官邸からの回答では「4月6日の時点で、全国1万2千件の検査能力を確保していました」とありますが、「検査能力を確保していた」ということと、「検査を実施した」ということでは、話がまるで違います。重要なのは実績値です。たとえ総理官邸からの回答の通りに、「PCR検査体制の1日2万件への倍増」が実現しても、それは検査能力や体制の倍増であって、検査の実施数が伸びていることを直接的に意味していません。

 なぜ、日本では、体調不良等、何らかの身に覚えがあって相談している人の97%が検査を受けていないのか。帰国者・接触者相談センター、病院、医師、保健師、地方衛生研究所、国立感染症研究所という一連のPCR検査にまでたどりつくルートのどこかのポイントで、「目詰まり」を起こしていないか、確認する必要があります。そうして検証がなされた様子や、これから行われ、改善される気配は、この回答から感じとることができません。

 検査数を抑制し、結果として感染者数が少ないことを、国内外にアピールするという政治的な目的による検査数のコントロールを、感染者が急カーブを描いて増加するオーバーシュートの時期にあってもなお続けるならば、日本においてコロナウイルスは、本当にアウトオブコントロールな存在になってしまいます。そうなってからでは、手のほどこしようがありません。

■<新記事紹介・本日の再配信>本日午後8時半より「東京オリンピックが1年延期となったが、世界中で新型コロナウイルスが収束した結果としてオリンピック開催が可能になる。開催自体が自己目的化してはダメだ~3.30日本外国特派員協会主催 自由民主党 石破茂 衆院議員 記者会見」を再配信します! すべての党員が安倍晋三総裁の顔色をうかがうようになった自由民主党で、一人、気を吐く石破氏の直言をテキストで読んで、再配信をご覧になってください!

 「マスク、いったいどこにあるの? っていう国民の不安が続いてはならない。正確な情報を迅速に国民に伝えることは、政府の大きな責任である」

 2020年3月30日、東京都千代田区丸の内二重橋ビルにて、日本外国特派員協会(FCCJ)の主催により、自由民主党・石破茂衆議院議員の記者会見が開かれました。

 昨今の新型コロナウイルスの感染拡大を巡って、石破氏は上記のように述べ、「今後は国民の移動など、権利の制限を伴うことも起こりうる」と、緊急事態宣言にも言及。「それは何のために行うのか。どういう状況になれば終わるのか。それによって生じた損害をどのように補填していくか。国民が納得するための、より誠実な政府の姿勢が求められる」と語りました。

 ところが政府は、3月28日に総理大臣官邸で開催された「第24回新型コロナウイルス感染症対策本部」でまとめた基本的対処方針を、緊急事宣言を発令する7日に急遽改定し、「都道府県知事は国と協議の上、まずは外出の自粛を要請し、その効果を見極めた上で施設の使用制限の要請、指示等を行う」と決め、使用制限の対象となる施設についても政府が「所要の規定の整備を行う」との方針を決めました。

 つまり、特措法による緊急事態宣言では、都道府県の権限が強化される、としていたものが、逆に国権が強化される内容に、直前ですり替えられていたのです。

 なお、この翌週の4月7日、安倍晋三総理は東京、大阪など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令しました。期間は5月6日までで、ロックダウン(都市封鎖)は行わない。しかし、営業の休止を求められた事業者への損失補填はしない方針です。

 会見の冒頭で石破氏は、前日の3月29日に新型コロナウイルスによる肺炎で逝去したタレントの志村けん氏(享年70)について、「70歳といえば、まだ若い。それがごく短期間で症状が変化し、亡くなった。これが新型コロナウイルスの恐ろしいところであり、国民はその事を強く認識することとなるだろう」と述べました。

 次いで、「私は感染症の専門家ではないが」と前置きしつつ、2018年にジョンズ・ホプキンズ大学が発表した感染症に関する論文、および1918年に世界中で大流行し、日本でも45万人が死亡した「スペイン風邪」等について紹介。特に、ウイルスの変異による致死率の上昇に注意をうながしました。

 ジョンズ・ホプキンズ大学の『パンデミックの報告書』は、今回の新型コロナウイルス肺炎に関して、2年に予見し、警告したレポートです。この報告書の中で、地球規模の破滅的な生物学的リスク(GCBR=Global Catastrophic Biological Risk)という新しい概念を提示して、ウイルス、細菌などの病原体が近い将来、人間社会に破滅的な影響を及ぼす可能性を予見し、警告しています。 
レポートの中にある、コロナウイルスの7つの諸特徴は、現在の新型コロナウイルスの症状に、見事に合致しています。この『パンデミックの報告書』レポートを、IWJでは、公共性に鑑み、無料公開しています。ぜひ一度ご覧になってください。

※IWJ調査レポート!新型コロナは「地球規模の破滅的な生物学的リスク(GCBR=Global Catastrophic Biological Risk)」!? ジョンズ・ホプキンス大学の『パンデミック報告書』が、2年前にコロナの出現を予見し、警告! 2020.3.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/469833

※IWJ調査レポート続編!『パンデミック報告書』のプロジェクト・ディレクター、アメッシュ・アダルジャ博士にIWJは直接メール取材!新型コロナウイルスはSARSよりも明らかに感染力が強く封じ込め不可能! 2020.3.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/469956

 また、今回、アメリカやヨーロッパに比べて、日本における感染が少ない理由として、日本の衛生水準や衛生意識がきわめて高いこと、経済的困窮者でも医療にアクセスできる医療制度が整っていること、水がきれいで豊富なこと、医療従事者の勤勉さなどを挙げました。

 そして、「今はやるべきことの優先順位をはっきりさせることが重要だ」とし、 医療崩壊を阻止するためには、国民の移動の制限も含めて、感染拡大を防ぐためにあらゆる措置を講じるべきだと訴えました。

 さらに、「中小・零細企業、およびフリーランスなど、現在非常に困っている人々に対しては、つなぎ資金の提供を中心とする経済的支援を速やかに行い、その際、無審査・無担保ということも考えるべきであり、マイナンバー制度を活用することで確実な返済を担保できる」との持論を展開しました。

 昨日、この記者会見の全文文字起こしを記事としてアップしました。

※東京オリンピックが1年延期となったが、世界中で新型コロナウイルスが収束した結果としてオリンピック開催が可能になる。開催自体が自己目的化してはダメだ~3.30日本外国特派員協会主催 自由民主党 石破茂 衆院議員 記者会見 2020.3.30
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/471205

 本日午後8時30分より、この記者会見を再配信いたします。ぜひご試聴ください!

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【タイムリー再配信610・IWJ_YouTube Live】 20:30~
東京オリンピックが1年延期となったが、世界中で新型コロナウイルスが収束した結果としてオリンピック開催が可能になる。開催自体が自己目的化してはダメだ~3.30日本外国特派員協会主催 自由民主党 石破茂 衆院議員 記者会見
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
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 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、近藤ゆり、西谷恵、磯貝哲男、城石裕幸、中村尚貴)

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岩上安身サポーターズクラブ事務局
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