2013/05/07 ヘイトスピーチで院内集会「『表現の自由』の国際基準、“他人の人権を侵害することは許されない”」 ~差別主義者・排外主義者によるデモに抗議する 第2回国会集会  

記事公開日:2013.5.7
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 「他人の人権を侵害してまで、『表現の自由』は保障されない」。差別主義者・排外主義者によるデモに抗議する国会集会の第二回目が開かれ、スピーカーの一人である師岡康子氏はこう語った。

 第一回が開催されたのは3月中旬。この2ヶ月の間、朝日新聞やTBSといった大手メディアが排外デモについて報道するなど、世論の高まりが見られた。デモ主催者も、参加者が持参する「殺せ」、「吊れ」などと書かれたプラカードを掲げさせないなど、表現を自粛する動きも伺える。しかし一方で主催者自らが、「腹を切れ」、「ホロコーストをするぞ」といった過激なコールを先導。悪質な排外主義的言動は規制されることなく、未だに主催者の意のままである。

 アメリカやイギリスで調査を重ねてきた師岡康子氏はこの日、国際社会におけるヘイトスピーチの考え方を紹介した。

 「新大久保で行われている意図的な差別や憎悪の扇動を、『表現の自由』として、保護するべきなのか大いに疑問だ。他人の人権を侵害してまでも、『表現の自由』は保障されない、というのが国際的な認識である」と述べ、続けて、「第二次世界大戦でのナチスによるヘイトスピーチとそれに引き続くジェノサイドの反省が社会の根幹にある」と、欧州連合や米国、カナダの法規制について報告した。

 日本の場合、ヘイトスピーチを直接取り締まる法律はないが、「自由権規約」と「人種差別撤廃条約」という2つ国際人権規約に加盟している。

 1979年に加盟した自由権規約の第20条の第2項には、「差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道は、法律で禁ずる」とある。

 また、1995年に加盟した「人種差別撤廃条約」の第2条の1項には、「締約国は、人種差別を批判し、あらゆる形態の人種差別を撤廃し、すべての人種間の理解を促進する政策を、すべての適当な方法により遅滞なく、遂行する義務を負う」、「状況により必要とされるときは立法を含むすべての適当な方法により、いかなる個人や集団、組織による人種差別も禁止し、終了させる」と書かれている。

 先日、参議院予算委員会の中で、安倍首相は始めてヘイトスピーチに言及し、批判する答弁を行った。世論の高まりをうけ、今後、ヘイトスピーチ規制法整備へと動き出す可能性もある。しかし、「その前に、これら2つの国際規約に加盟していることですでに負っている義務があり、それを具体化していないのが日本の問題だ」と師岡氏は批判した。

■パネラー
 安田浩一氏(ジャーナリスト)
 師岡康子氏(大阪経済法科大学 客員研究員)
 魚住昭氏(ジャーナリスト)
 宇都宮健児氏(弁護士)

■ 内容

  • 呼びかけ人あいさつ 有田芳生参議院議員
  • TBSニュース報道 (4/25) 上映(録画に映像は含まれません。音声のみ)
  • 報告 安田浩一氏(ジャーナリスト)
  • 発言 大野元裕参議院議員
  • 報告 師岡康子氏(大阪経済法科大学 客員研究員)
  • 代理出席紹介 有田議員
  • 発言 平山誠参議院議員
  • 報告 魚住昭氏(ジャーナリスト)
  • 報告 宇都宮健児氏(弁護士)
  • 京都朝鮮学校襲撃被害者メッセージ(代読 徳永エリ参議院議員)
  • 会場から
    江川紹子氏(ジャーナリスト)/ハンドルネーム「ヲ茶会」さん(音声のみ)/中沢けい氏(作家)/田中宏氏(一橋大学 名誉教授)/鈴木邦男氏(一水会 最高顧問)/松沢呉一氏(フリーライター)
  • 発言
    田城郁参議院議員/徳永エリ参議院議員/小西洋之参議院議員
  • 閉会あいさつ 有田議員

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  1. 『ネットと愛国』(安田浩一 著)を、遅ればせながら本屋で買い、読んだ。驚かされたことがいくつかあり、中でも在特会に入るきっかけとして、2002年の日韓ワールドカップ(および小泉訪朝)がエポックだったということには、虚を突かれた。
     私はサッカーファンで、日韓ワールドカップの時にどんなことがあったか、言われていたかリアルタイムでの記憶がある。私自身も、当時、韓国にあきれるような思いを持った瞬間瞬間があったと思う。同時に私個人にとってそれらは、「ワールドカップでの話」で、「(日韓)サッカーの話」でしかなかった。日韓ワールドカップのあとも日本代表は、なでしこ含め「小日本」と中国で言われたりし、似通った状況はその後も続いている。とはいえ、似通いながらも状況は流れている。軽くなったり激しくなったりしながら、サッカーも続いていくのだと思っている。サッカーも。つまりは「日韓関係」も。
     もしも在特会がサッカーチームであったなら、大会から除かれるとか、リーグ出場資格剥奪などされるのは確実だ。一般から支持を受けることもないだろう。現今、「スポーツ」の枠とはこういうものだと思う。しかしワールドカップの歴史一つとっても、決して「スポーツ」の枠が磐石でまっすぐだったわけではない。海外のリーグでは人種差別が時折起こり続けてもいる。「スポーツ」も、いつも紙一重のところに立っている。立ち続けようと努めながら、だ。
     今年3月26日のワールドカップ最終予選、対ヨルダン戦(アウェー戦)で日本は敗れたが、ヨルダンの一選手は日本の監督であるザッケローニに「首切り」パフォーマンスをやっており、試合後も観客席に向かって「首切り」して盛り上がったという。単にヨルダンが日本に勝ちたかっただけかも知れないのだが、アラブでの日本の評判が落ち、悪くなっている現れではないかと心配にもなる。しかしやはり、時は流れ、「サッカー」を続けて行けるのではないか。その方向に期待するのは間違いじゃないと思える。
     20代前半に、「ナチス政権下のナチスはドイツの事情だった」と気が付いて震えたことがある。ドイツの外からも内からも、その状況は「事情」と見られていたのだと。これは恐ろしかった。ヘイトデモも、放っておけば日本の「事情」と化してしまいかねない。「事情」と認識されることで「閉ざされる」人たちが出てしまう。何の救いもない中に。
     私は日本をそういう国にしたくない。サッカーも見ていたい。私も立ち続けていよう。自分なりに。

  2. 一方的にヘイトスピーチをする側が弾圧されるってのも変な話。行動を起こすには何かしらの理由が必要。特に在日朝鮮人・コリアンとの確執は根深い。これらの問題を解消しない限り不平不満は無くならないだろうし、日本のブレーンは日本人のためのブレーンでは無い、というイメージは根付くだろう。そういった点で中国や韓国の政治家は日本を良く利用している。少なくとも、中韓の日本を指したデモで国が止めるように指示したなんて話は聞いたことがない。日本のブレーンは本当に日本のために尽くしているのか、わからなくなる。

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