2023年6月11日(日)午後1時30分より、大阪府大阪市の大阪PLP会館にて、共同テーブル近畿主催「沖縄戦から78年『たたかう人びとに学ぶ』」が開催された。
この集会では、元緑ヶ丘保育園父母会副会長・明(あきら)有希子氏と沖縄国際大学教授・前泊博盛氏による講演が行われた。
明氏は以下のテーマに従って、ご自身の体験談を交え、基地のある沖縄の現状に話を進めていった。
・ご息女の通っていた保育園への米軍機部品落下事故
・以前住んでいた宜野湾市の日常
・沖縄県が抱える基地が、どれだけのものか
【保育園への米軍機部品落下事故について】
「2017.12.7、自分の娘が通っていた宜野湾市の緑ヶ丘保育園に、米軍のヘリから部品が落下した。本来ヘリの部品として付いていて、離陸する前に取らなければならなかったものが、付いたまま飛行していた。
保育園の中では、クリスマスに近かったので、聖誕劇(降誕劇)の練習をしていた。交通事故でも起こったかのように大きな音。すぐ近くで交通事故でも起こったかと思い、園長先生が外に出ると部品が落ちていた。
現場から数10センチのところは園庭があり、1歳児クラスの子どもたちが、靴を履いて出ようとした矢先のこと。
厚さ13ミリ、重さ213グラム。上空から落ちてくるとかなりの衝撃になると思う。私は家にいて、『米軍機から部品が落下』のニュース速報で知った。
(テレビ画面の)写真を撮って、グループラインで流していたところ、間髪を入れずに保育園から電話連絡があり、『園も子供たちも全員無事』との先生の言葉を信じて、若干早めに迎えに行ったところ、規制線が張られていて、大勢の警察関係者・報道陣。
園内は全部カーテンが閉まっていて、子どもたちは何が起こったのか全く把握していなかったほど、先生方が平常心を持って対応してくださった。
しかし米軍からは【該当する部品は飛行前に取り外したので、今も過不足なく揃っている】との発表・報道がされたので、その時から『事故など自作自演』『嫌なら引っ越せ』『そんなところで生活している方が悪い』などの理不尽な誹謗中傷が始まった。
保育園の方にも、”県内・県外より”朝からひっきりなしに『嫌なら引っ越せ』『やらせだろう』など電話による誹謗中傷。被害を被ったのに、さらに追い打ちをかけるようなことがずっと続いた。
沖縄防衛局・宜野湾市役所には、事故原因の究明(なぜこのこのような部品の落下に至ったか)・原因究明まで、普天間基地に離発着する米軍ヘリの保育園上空の飛行禁止・再発防止策などを掲げて、書面を送った。
在日米軍総領事館にも足を運んで、父母会として直接『実際は飛行禁止ルートであるのに、それを守らず飛んでいるので、本来の飛行ルートを飛んで欲しい』と対応を求めた。
2004年に沖縄国際大学への墜落事故の際に、病院・学校などの上空は飛行しないよう、『場周経路』(※)見直しと言うことになったはずが、そうなっていない。
内閣官房・防衛省・外務省担当者に検証依頼を行ったが、『米軍が認めていないので回答待ち。どうすることもできない』と米軍に追従するばかり。
外国特派員協会で場周経路を守って欲しいと訴えても、『米軍が守ってくれなかったらどうするのか』と見当違いの質問が飛んでくる状況だった」
- (※)場周経路【トラフィックパターン】航空軍事用語辞典
- 沖縄米軍部品落下3年、誤解される当事者の願い:普天間基地反対の主張は一度もしていない(2020.12.28、東洋経済)