2021年3月20日、沖縄県那覇市の沖縄青年会館にて、オール沖縄会議主催による「オール沖縄会議 学習会『南部戦跡からの土砂採取』」が開催された。
現在政府は、沖縄県南部地域の土砂を、名護市に建設中の米軍辺野古新基地の埋め立てに利用するための採取を進めている。しかし、この地域は第二次世界大戦末期の激戦地として知られ、今も戦争の犠牲となった沖縄県民や日本兵の遺骨が眠っている。
日本政府によるこの暴挙に対して、沖縄県民を中心に抗議の声が高まっており、県の内外で抗議集会やハンガーストライキ等が行なわれてきた。
学習会では、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表で具志堅隆松氏と、土木技師で沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏が講師として登壇。南部地域の土砂搬出問題をはじめとした辺野古埋め立てに関連する様々な問題点の指摘や、実態の報告が行なわれた。
3月初頭に沖縄県庁前広場で抗議のハンガーストライキを行った具志堅氏は、ハンガーストライキの現場にかけつけた人たちについて「平和運動とか反戦運動とかには縁のないような、普通の人が来てくれる」ことを嬉しく思うと述べ、この問題への抗議の声が幅広く共感されていることを伝えた。
学習会は、新型コロナウイルス感染対策で参加者同士が距離をとるため、3席テーブルに2席までの着席としたが、参加者が多く集い、会場はギリギリいっぱいに。そして参加者たちは、具志堅氏や北上田氏の話に熱心に耳を傾けた。
学習会に参加し、取材した現地沖縄のIWJ中継市民は、取材後、「遺骨も不発弾も基地も、今現在の問題として沖縄がずっと背負い続けて終わりの見えない『戦後』の重みと、『戦後』を負わせながら更に『戦前』を背負わせようとする政府による辺野古の基地建設が進められる屈辱や痛みを、少しでも多くの方に感じて頂いて、これからまたいろんな繋がりが力になっていく事を願います」とのコメントをIWJ編集部に寄せた。