2022年9月7日、午後6時30分より、東京都千代田区の連合会館にて「安倍元首相を美化し、弔意を強要する国葬を許さない! 9.7集会」が開催され、日本体育大学の清水雅彦教授(憲法学)による講演が行われた。
主催である「戦争をさせない1000人委員会」事務局長の内田雅敏氏は、参加者に以下のように問いかけた。
「岸信介、安倍晋太郎、そして安倍晋三。三代にわたって、いわば家業みたいなものが『統一教会』であったわけです。
そして本来、追悼というものは、亡くなった人をよく知っている遺族、あるいは友人、そういった人たちが本当にしんみりと偲ぶ、それが追悼である。
それを公にしようとするときには、必ず、何か目的がある。(中略)
自民党と統一教会の深い関係も封印する。こういうねらい。本当に思うんですけど、『平気』なんですね。こういう形でお金を使って。だから、汚いと思う。これが安倍晋三の言う、『美しい日本』なのか?」
そして内田氏は、「安倍晋三に対して、『国葬』を許すということは、私たちは、子どもたち、そして、孫たち、まだ生まれてきていないこれからの世代に対して、恥ずかしくてならない。今日の会合を契機として、9月27日の『国葬』の日まで、日本全国で『国葬』に反対する声、これを上げていきましょう!」と語気を強めた。
清水教授は「憲法から考える安倍元首相国葬」と題した講演で、憲法の基礎である「法の支配」と「立憲主義」、「憲法改正(96条)」について詳説。その上で、国葬に「法的根拠」がないことなどについて解説した。
清水教授は、安倍政権下で行われた反憲法的・監視強化的立法、安倍氏の憲法観、自民党の改憲案や「敵基地攻撃論」などを振り返り、「お友だち内閣」と揶揄された一連の人事をもって、安倍元総理の政治を「人の支配」によるものだと批判した。
清水教授は講演を以下のように述べて締めくくった。
「『国葬をやるべきではない』という声を大きくしていかなければならないと思います。私たち憲法研究者も8月3日に国葬に反対する声明を84人の連名で出しました。
そして、9月4日と5日までに、英語版、スペイン語版、フランス語版、韓国語版(の声明)も作りまして、2日間で日本にある169の大使館などにこの声明を郵送しました。何とか本国にも私たちの声を届けて、『参列に来てほしくない』」と呼びかける取り組みもしています。
あるいは、『戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会』などから構成される国葬反対の実行委員会では、8月22日に、11人の呼びかけ人によって、ネット署名(※)を始めまして、9月5日には、4つの団体・個人が一緒になって、合計40万筆(重複を除くと28万筆)と発表されていますけれども、これを提出しました。
- 安倍元首相の「国葬」中止を求めます(change.org)
もっと、100万筆以上は集まってほしいと思いますので、ぜひ、署名活動をもっと増やして、国葬に対して、いかにカウンターの声があるのかということを示してほしいと思いますし、あるいは、各地でスタンディング集会など、色々な形で国葬へのカウンターの声を出して、何としても国葬をやらせない。
実際には、それでも、向こうは国葬を強引にやってくると思いますけども、反対の声をなるべく可視化し、国葬をやったけれども、やらなかったほうがよかったというような状況を作っていきたいと思います」
集会・講演の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。