旧統一教会を40年間追い続けるジャーナリストの有田芳生氏(2022年7月25日まで参議院議員)が、2022年7月18日のテレビ朝日系番組『羽鳥慎一モーニングショー』で爆弾発言を行った。
有田氏が、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きた1995年、警察関係者に呼ばれてレクチャーした際、目的を聞くと警察幹部は「オウムの次は統一教会を摘発する」と語ったという。ところが、その後10年、摘発の動きが起きなかったため、有田氏がその理由を改めて警察幹部に聞くと、一言「政治の力だった」。この発言に、スタジオは凍り付いた。
この有田氏の爆弾発言以降しばらく、『モーニングショー』は統一教会問題に関して沈黙を続けた。テレビ朝日OBの鎮目博道氏は、抗議電話の殺到により制作チームが委縮した可能性を指摘している。
一方、日本テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』では、7月19日に有田氏出演後、20日に自民党と統一教会の関係をブログで「告発」した青山繁晴参議院議員が出演、さらに21日再び有田氏が出演して統一教会と政界とのつながりを報じるなど、統一教会報道を続けた。
有田氏は、自分がテレビ出演すると、統一教会が各局に執拗に抗議するが、「抗議があったから、また有田さんに来てもらいました」という『ミヤネ屋』スタッフの言葉を紹介、「メディアの踏ん張りどころです」とツイートしている。
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メディアや社会が統一教会を放置した「空白の30年」にも、霊感商法で多くの家族が自己破産! 国会議員にも浸透!
「空白の30年」――かつて霊感商法で大きな社会問題として世間を賑わした統一教会を、安倍元総理銃撃事件で再び注目が集まるまで、メディアが放置し続けてきたことを、ジャーナリストの有田芳生氏は、そう表現した。
2022年7月の参議院選挙で惜しくも当選がかなわなかった有田氏が、7月18日のテレビ朝日系の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』に、統一教会を40年取材してきたジャーナリストとして出演し、次のように語った。
「空白の30年の間にも、街頭のアンケートなどを通じて、新しい信者も入ってきたし、霊感商法も行われてきた。今回の容疑者のお母様のように、献金を求められる人はいっぱいいて、自己破産している家族なんていうのはものすごく多いわけですよ。
霊感商法でお金を巻き上げる。信者たちに、献金、献金。カードローンで破産する。それは表に出ていないですけど、今でもものすごいですよ。
そういうことが、空白の30年間で、メディアも報道しない、社会問題にもならない。統一教会は日本社会で活動してきたし、まったく監視の目が届かない状況のもとで、国会議員の人たちにも、相当浸透していっているというのが、今の現実なんですよ」。
山上容疑者は「信仰2世」! オウム真理教事件同様のこの問題も30年放置された!
さらに有田氏は、今回の事件の山上徹也容疑者について、「信仰2世の問題」として、次のように語った。
「これも表には出ていないんだけど、統一教会の中では10年ぐらい前でしたかね、合同結婚式に参加をして生まれた祝福2世というお子さんの問題、あるいは親が教団に入った子どもである信仰2世。これは統一教会の中でも問題になったんですよ。
子どもたちからすれば、自分の意識なしに、いつの間にか統一教会のメンバーにさせられちゃっているわけでしょう。それで今度の容疑者のように、お金をどんどんどんどん献金させられて、自分の人生を変えられたと思っているわけですから。
そういう信仰2世の問題は、統一教会の中でもテーマになったんです。だけど、苦しんでいる家族の救済の手立てというのは、もちろん教団にもないし、社会的にもない。
だから、オウム真理教事件のときも、教団に強制捜査が入ったとき、子どもたちがいっぱい救出されたじゃないですか。その子どもたちをどうするかっていうのも、当時、社会問題に、一時なったんだけど、まったく放置ですよ。
その人たちは、今でも社会のどこかにいらっしゃるわけだけど、心の中がどうなっているのかというのは、まったくわからない。
統一教会も一緒なんです。2世の人たちの心のうち、そしてその家族がどうなっているのか、そういう問題も、まったく放置された30年でもあるんです」。
国際勝共連合「PRチーム」は予算月額500万円! 定期的に議員会館の与党と野党の事務所にロビー活動!「大臣の部屋に文鮮明氏の本が」!
さらに番組では、有田氏が議員生活で実際に目にした、議員と統一教会との関係が明らかにされた。
それは、「国際勝共連合のPRチームが定期的に議員会館の与党と野党の事務所を訪れる」というもの。そこでPRチームは「選択的夫婦別姓反対、同性婚反対、ジェンダーフリー反対など、様々な資料を持ってきて、議員に協力を求める」とのことだ。さらに「ある大臣の部屋に、統一教会の創設者、文鮮明(ムン・ソンミョン)氏の本が置いてあった」という。
▲国際勝共連合のPRチームは、定期的に議員会館の与党と野党の事務所を訪れてロビー活動を行うという。前方の建物が衆議院第一議員会館。後方に見えるのが、衆議院第二議員会館と参議院議員会館。(Wikipedia、Arterialmaterial)
この「PRチーム」について、有田氏は次のように語った。
「今でもやっています。今日(7月18日)は休み(祝日・海の日)だから、明日ぐらいまた行くんじゃないですか、国会に。
PRチームって言って、国際勝共連合の渉外担当の女性たちなんです。ある女性を責任者にして、定期的に国会に行って、議員たちを回って、自分達の教えを広げていく。
ある大臣の部屋に入ったら、置いてあるんですよ、文鮮明教祖の本なんかが。(中略)
このPRチームっていうのは、毎月の予算が、私の得た内部資料によると、月500万使っているんですよね。500万使って、定期的に国会に行って、ロビー活動をやって、特に自民党の議員さんたちのところを回って、自分達の教えを広げていくわけですよ。
それはもう、ずうっとやっているわけですから。空白の30年より前からやっている、予算もついてね。
それは、国際勝共連合の女性たちなんだけれども、統一教会の信者なんです、これは。(中略)
国会の食堂で、ごはん食べてますよ」。
統一教会信者50人以上が国会議員秘書に! 京都の研修施設に女性信者を集め秘書養成!
さらに有田氏は、1990年代に、統一教会の信者が、数多くの議員の秘書になっていることを取材したと明らかにし、「ある議員に聞いたら、50人以上の信者が秘書になっているよ」と言われたとした上で、次のように述べた。
「(この証言は)私設秘書ですけどね。
もちろん、当時、半年かけて調べたんだけども、公設秘書にも入っていたっていうのは、明確になりましたけど」。
さらに有田氏は、次のように語った。
「とにかく私設秘書として、頑張って協力しますよって言ってくれたら、国会議員っていうのは、候補者でもそうだけど、人員がいりますよね、人手。お金もかかる。だけど、10人、20人の統一教会の信者が、協力してくれて、寝食忘れて行動してくれたら、こんな嬉しいことはない。
ついでに言っておくと、1986年に、中曽根内閣のときに衆参ダブル選挙があったんだけど、そのあたりから、ものすごく政治への接近っていうのは、より強まっていった。
京都の右京区の嵐山に、嵯峨亭っていう旅館があったんです。それを統一教会が購入して、研修施設にして、そこで秘書養成講座をやっていたんです。女性信者たちを全国から集めて。身長は156センチ以上の女性、できたら英会話ができること。
そういうのを集めて研修をやって、名刺の渡し方から、お辞儀のしかたから、秘書としての必要な素養っていうのを、秘書養成講座をやっていたんです。
そこで養成された秘書たちが、各国会議員の私設秘書とか、あるいは公設秘書に入っていった。
これはもう、証拠もあって、かつて週刊文春に原稿も書きました」。
爆弾発言!「『オウムの次は統一教会を摘発』と言った警察幹部に摘発しなかった理由を10年後聞くと、一言『政治の力だった』」!!
さらに有田氏はこの番組の中で、衝撃的な事実を明らかにした。有田氏の発言を、そのまま書き出す。
「オウムは、あれだけのとんでもない事件を起こしたから、宗教法人格を剥奪されたんだけど。
▲「地下鉄サリン事件」を起こしたオウム真理教の青山総本部(1994年に東京・南青山にて撮影、2015年4月解体)(Wikipedia、Hasec)
実は、1995年に地下鉄サリン事件が起きて、その秋なんですけど、警察庁の幹部と警視庁の幹部に『有田さん、レクチャーしてくれ』って言われて、麹町のあるビルでレクチャーするんです。
そのときの条件が『有田さん、今日来ている人、誰か聞かないでくれ』って言うんですよ。20~30人いらしたかな。『聞かないでくれ』って言われても気になるんですけど、目の鋭い人たちが集まっているわけ、全国から来て。
で、終わった後に警察庁の幹部と警視庁の幹部と話して、『今日の集まり、何が目的だったんですか?』って聞いたら、『オウムの次は統一教会、摘発するんだ』って言ったんです。
ところが、何にも動きがなかったじゃないですか。いまだ、ないんだけれども。
で、オウム事件から10年経って、池袋で警視庁の幹部2人と話をしたときに、10年経って、今だから言えることを教えてくれって聞いたんです。『何でオウムの次は統一教会だって言ったのに、ダメだったんですか?』って。
一言です。『政治の力だった』。圧力。
それで今にきているんですよ」。
▲東京都千代田区霞が関の警視庁本部庁舎(Wikipedia、っ)
このとき、しばらくの間、生放送のスタジオは静まり返った。
それでもなお、有田氏は次のように続けた。
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