安倍晋三元総理がテレビ番組で、米国の核兵器を自国領土に配備する「核共有(ニュークリア・シェアリング)」について、「議論をタブー視するな」と語り、波紋を広げた。林芳正外務大臣は発言について聞かれ、「『非核三原則』から認められない」と答えている。
そもそもプーチン大統領は、隣国ウクライナに、米国・NATOのミサイルが配備されることを恐れて侵攻している。また、「核保有の可能性があった」ということも、侵攻の理由としている。同じくロシアと隣国として国境を接する日本が、核兵器を配備しようとする時それがセット完了となるまで、おとなしく待ってくれると思ってるだろうか!?
ロシアがウクライナへ侵攻した、その様子を目の当たりにして、米国との核共有(ニュークリアーシェアリング)を唱え出す、安倍晋三元総理の頭の中を疑う。ロシアという「無法者」を見て、致死性の武器をこれから用意しようと公言してしまう愚かさ。ロシアは安倍発言を聞き流してくれるだろうとでも思ったのだろうか。
安倍発言を「妄言」と断じた中国もロシアも、日本がもし本気で米国の核兵器を共有すべく動き出したら配備が完了される前の段階で、警告した上で、聞き入れられなければ実力で破壊しにくるのではないだろうか?
核保有を秘密裏に進めたイスラエルの慎重さ(イスラエルの核武装を是としているわけではない)のカケラもなく、「議論を始めようではないか」と呼びかけてしまう、無防備さ、稚拙さ。これこそは真正の「平和ボケ」ではないだろうか?
もちろんどんな理由であれ、武力侵攻は許されるべきではない
というのは当然の「正論」である。だがその「正論」を力がねじ伏せる時、国際社会においては国家と国家の上に上位の審判は存在しない。国際社会には、「世界政府」は存在せず、本質的に今なお「アナーキー」なままなのだ。「正論」を唱えているだけでは、国家の安全保障は保てない。リアリズムで思考しなければいけないのは当然のことである。
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