2022年3月3日午後1時頃より、東京・ビジョンセンター日比谷にて、「日本からウクライナを想う市民の会」の主催により、「日本におけるウクライナからの避難民受け入れについての政府への7つの提言と署名活動」についての記者会見が行われた。
登壇したのは、NPO法人WELgee代表理事の渡部カンコロンゴ清花氏、日本在住のウクライナ人のオレクシイさん、そして、小説家の温又柔(おんゆうじゅう)氏の3名。
冒頭、渡部氏により、政府への提言・署名活動の経緯・進捗等について、以下のように説明があった。
「今、『ウクライナからの難民のために、日本が取れる7つの拡充アクション』というオンライン署名のキャンペーンを行っています。(3月)1日にスタートして、今、4万人という署名が集まっているところです。
- ウクライナからの難民のために、日本が取れる7つの拡充アクション(change.org)
もうご存知のとおり、ウクライナの方々が1日までに約87万人、隣国のポーランドとかハンガリー、モルドバのほうに逃れているということが報道されています。世界の色んな国だったり、地域・自治体だったり、個人がすごく迅速に動いて、今、受け入れに対して動き出したのを私はインターネットやスマホで見ていました。
日本は遠いから来ない、とか、日本まで来るのには時間がかかるとか、そういう観点ももしかしたらあるんですけど、そんなこと言ってる場合じゃないのではないかと思いました」。
日本でも「ウクライナからの避難民の受け入れができないのか?」という声が、政治の世界、民間からも生まれており、渡部氏は、それらの声を集め、可視化するためにこのアクションを立ち上げた。
アクションのポイントは、「日本にまったく新しいスキームを作り出さなくても、まずは既存のスキームから、難民・避難民の(受け入れの)拡充を実は検討することができる」ということである。そして、そして、その具体策が「7つの提言」となった。
ウクライナ人のオレクシイさんは、ロシアの侵攻による母国ウクライナの惨状について簡単な説明をした後、「これは人道的な大惨事だと思う」と述べ、「そんな悲しい思いで、(自分に)できることを探していたとき、渡辺さんからメッセージをもらい、取り組みに参加することになりました」と、自身がアクションに参加することになった経緯を語った。
温又柔氏は、「私は常日頃から、難民というのは、元々、普通の人々だと思っています。(中略)自分と同じ普通の人々が、戦争という尋常ならざる状況に陥ってしまい、母国とか自分が今まで住んでいた場所を追われるようになったときに、安全な場所にいる普通の人の一人である私は一体何をしたらいいのか、ずっと、居ても立ってもいられない気持ちで先週からいました」と自らの胸中を吐露した。
3名の登壇者の発言に続いて、各社記者との質疑応答が行われた。
渡部氏は会見の最後を次のような言葉で締めくくった。
「難民は、同じ地球に、今生きている人のひとり。この問題をそのようにとらえることができれば、きっと議論がもう一歩前に進むかなと思っています」。
記者会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。