「原発と火山、原発と戦争。そのリスクは地球大に広がる!」 ~IWJ×FFTV(実験版) 満田夏花・福田健治・岩上安身 2014.10.8

記事公開日:2014.10.14地域: テキスト 動画 独自
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(IWJテキストスタッフ・奥松由利子)

 「火山学者は口をそろえて『巨大噴火でも水蒸気噴火でも、予知は困難。予知できたとしても、その時期や規模はわからない』と言います。規制委員会は、ガイドラインを作る段階から火山の専門家を呼ぶべきだった。もうひとつの問題は、たとえ噴火が予知できても、核燃料を運び出すのに少なくても5年かかること」──。FFTVの満田夏花氏は、川内原発の再稼働について、火山噴火の影響があまりにも軽く見られていると危機感を表明した。

 FFTVとは、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)と、FoE Japan原発チームによる動画サイトである。福島原発事故や子どもたちの被曝問題に取り組む両者がタッグを組み、原発、エネルギー問題などを中心に、さまざまなテーマで毎週火曜に動画配信を行っている。2012年の夏のスタート以来、配信数はこれまでに104回を数えている。

 2014年10月8日、東京都内のIWJ事務所にて、IWJとFFTVとのコラボ企画「IWJ×FFTV(実験版) 満田夏花・福田健治・岩上安身」が行われた。満田夏花氏(FoE Japan)、福田健治氏(弁護士)、岩上安身の3名が、川内原発再稼働と火山リスク問題、メディアの使命、国際的な原子力災害補償の枠組みであるCSC条約の裏側などについて語り合った。

■ハイライト

火山学専門家不在のまま作成された火山影響審査ガイド

岩上「鹿児島に記者が飛んで、インタビューをしている。火山学の専門家は口をそろえて『予知はできません』と言っている。『そんな水準にはない』と。にも関わらず、『できる』という前提で再稼働してしまおうという話が進んでいるんですよね」

満田氏「原子力規制委員会は、火山噴火の影響を考える火山影響審査ガイドを、火山の専門家を入れずに作った。川内原発の審査を続けていたのですが、ついぞ火山の専門家をヒアリングに呼ぶことはなかった。九電のヒアリングはものずごいたくさんしてるんですが

 火山影響評価ガイドには3つのステップがあって、まず立地をみる。これがステップ1。巨大な噴火が起きて、火砕流が到達して、原発が壊滅的な打撃をうける可能性が十分に低いか。もし低くなければ、立地不適とし、廃炉にする。

 ステップ2は、モニタリングで前兆現象を捉えて、ステップ3として対処方針を立てる。対処方針とは、原発を止めて、燃料を運び出すということ。火山の専門家はまず立地からしてダメ、と言っている。運転期間プラス燃料が保管されている期間をあわせた運用期間中、火砕流が襲うリスクは、十分ある、とは、そこまでは言っていないが、低くない、と。

 今一番問題になっているのは、桜島を含む巨大な姶良カルデラ。そこは二万九千年前に巨大噴火を起こしている。原発から数キロのところに、火砕流の痕跡がある。火砕流が届く可能性があるということは、最終的に九電も認めている。菅官房長官が『火砕流は届かない』と発言していますが。何を根拠にそんなことを言い出すのだろう。

 火山影響評価ガイドを作る時、唯一意見を聞かれた東大の中田節也先生も、噴火予知連の藤井会長も、火山学者は軒並み、口をそろえて『巨大噴火であろうと、水蒸気噴火であろうと、予知を行うのは困難だ』と言っている。予知できたとしても、それが何日後に起こるのか、何年後に起こるのか、何十年後に起こるのか、分からないと言っている。そこがすごく重要なんです。

 過去に、パプアニューギニアだったと思うが、予兆があって、その後何十年も静かだった。そしてある日、突然噴火が起こった火山がある。要は噴火の余地は困難で、しかも、時期や規模はわからない、ということは、火山学者の意見の一致しているところではないか」

岩上「御嶽山が噴火したとき、予兆がなかったから山に登ってたわけでしょう。ある日突然噴火が起こって、噴石がバラバラと落ちる、そして火砕流が流れるということが起きるんだと僕らは今回痛感したわけですよね。その後、政府が言ったことは『いや、今回は水蒸気爆発だから。マグマ性の噴火じゃないから、違うんだ』。そしてマグマ性の噴火だって分かるって素人が言ってるわけですよ。

 こないだ田中原子力規制委員長の会見がありました。うちも中継をしました。『素人だけど、火山学の専門家じゃないですけど。専門家に一切聞いてないけど、(予兆は)わかります』と言っている。どういうことなんだ」

満田氏「彼は科学を放棄している。専門家を呼ぶべきだと思います。ガイドラインを作る時点から専門家を入れるべきだったんです。もうひとつの問題は、カルデラ噴火が起こった時、人は逃げられるかもしれないが、原発を止めて、核燃料を運び出すのにどれくらいかかるのか。田中さんご自身が五年とおっしゃっている」

福田弁護士「このやり方自体は、今後裁判のなかで問題だっていう話が出てくると思う。基準自体もおかしいし、基準の使い方もおかしい。そのなかで、再稼働は違法じゃないかという話も出てくると思うんです。

 大きく分けて(裁判の)ルートは2つある。再稼働の許可を出したのがおかしいというのは行政裁判。この前の大飯の差し止め裁判は、基準云々ではなく、民事裁判。あの判決の面白いところは、いわゆる規制基準的なものは一切相手にしなかったこと。

 国がつくっている規制基準に合致するように頑張ってるのになにがいけないんだ、というのが間違いなく電力会社の固定観念。大飯の判決はそれをバッサリ切った。基準がどうかじゃなく、危険かどうかなんですよ、と。あのパラダイム転換は大きかった。危険性そのものを見る、ということ」

人の避難対策の不備、核燃料の搬出対策の不備

満田氏「県民の皆さんが、公開討論を実現する会というのをつくって、県や九電に呼びかけて、地震と火山と避難について、反対派と推進派の専門家の討論をやろうとした。それが9月6日。結局、県も九電も答えず。現実的に九電が何を考えてるかわからないんですが火砕流が到達するまでに核燃料を運び出すことになっているんですが、そんなことが(笑)」

岩上「火砕流が到達するまで5年かかるっていう想定なんですかね?。前兆現象が起こると、九電は専門家を呼んで、これが巨大噴火に繋がるかどうかを検討する。繋がるとなれば、燃料の搬出計画の更新を、それから策定すると。前兆現象がなにかも分かっていないのですが。

 第二次安倍改造内閣がこないだ発足した時、大臣のひとりが、もし事故が起こったら国が責任を持って面倒見ますみたいなことを言ったわけです。どんな責任を取れるんですかね?

 井村隆介(鹿児島大学准教授)さんが、姶良カルデラが一番大きな爆発をした時、半径80キロから100キロくらいまで火砕流が行くっていうんですよ。200万人から300万人くらいの人が影響をうけるだろうということですよね。

 火山って、台風でも影響受けるらしいですよ、井村先生いわく。デリケードなんですよ。台風のせいで噴火が起きちゃったら、もうたまったもんじゃないですよね。そこで原発の災害があったら……」

満田氏「安倍首相は地元のご理解が必要だって言っているんですが、地元の市長、鹿児島の県議会と知事がいいっていったら、通っちゃうんです」

岩上「鹿児島の県議会は、原発再稼働賛成なんですよね」

満田氏「明確に反対している人は一人か二人ですね。彼らが市民の同意も必要だとかカッコつけなければ、あっという間に再稼働通っちゃんです。(意見を聞いても)市民の中には、顔と名前さらして反対といえない人もいるわけですよ。

 この体制に反旗を翻した自治体もいて、南のいちき串木野市、日置市が地元同意に俺達もいれろと。隣接した風下の町で、住民は3万人くらいなんですけど、もう一万五千人くらいの方が署名に名を連ねているんです」

加入が予定されるCSC条約(原子力損害の補完的保障に関する条約)

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