「理性的な議論では負ける。これは喧嘩だ」~ 緊急リレートーク「もの言えぬ社会をつくるな-戦争をする国にしないために-」 2014.9.16

記事公開日:2014.9.19取材地: テキスト動画
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(IWJ・薊一郎)

 「今は朝日を守る時」15人の著名人がリレートーク~ 緊急リレートーク「もの言えぬ社会をつくるな-戦争をする国にしないために-」

 吉田証言・吉田調書に関する誤報問題でバッシングを受ける朝日新聞、近く施行されると見られる秘密保護法。「自分の意見を公の場で堂々と述べるのが難しい状況になってきている」。このような危機感を抱く超党派の国会議員の呼びかけにより、15名の著名人による緊急リレートークが開催された。

 呼びかけ人の福島みずほ参議院議員は、「こんな時代を変える、反転攻勢の一歩になれば」と開催の動機を語った。

■ハイライト

  • 発言 渡辺美奈氏(女たちの戦争と平和資料館[wam]事務局長)、北原みのり氏(ラブピースクラブ主宰)、黒澤いつき氏(明日の自由を守る若手弁護士の会共同代表)、伊藤和子氏(弁護士、ヒューマンライツ・ナウ事務局長)、永田浩三氏(武蔵大学教授)、前田朗氏(東京造形大学教授)、篠田博之氏(月刊「創」編集長)、新崎盛吾氏(新聞労連委員長)、内田浩氏(出版労連書記次長)、清水雅彦氏(日本体育大学教授)、中野晃一氏(立憲デモクラシーの会呼びかけ人)、森達也氏(映画監督)、海渡雄一氏(弁護士)、ほか
  • 日時 9月16日(火) 16:00~
  • 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)

「これは喧嘩だ。理性的に冷静に議論するようでは負け」

 月刊『創』編集長の篠田博之氏は、現状の朝日新聞バッシングに関して、「メディア間の場外乱闘」と形容し、「メディア歴史上深刻な状況」だとした。

 評論家の佐高信氏は、そもそも「新聞記者はゆすり・たかり・強盗のたぐい。自分を紳士だと思っているから負ける。朝日新聞は喧嘩の仕方を知らない」として、朝日新聞の対応に疑問を呈した。その上で、「紳士からゆすり・たかり・強盗に戻らなければならい」として、朝日新聞をはじめとするメディアにエールを送った。

 「立憲デモクラシーの会」呼びかけ人の中野晃一氏は、1990年代後半からの歴史修正主義の台頭を振返りつつ、現在の日本の民主主義は「非常に厳しい戦いに直面している」と指摘した。

 高千穂大学の五野井郁夫准教授は、1918年の白虹(はっこう)事件からの新聞弾圧の歴史を振返りながら、最近の政府・自民党は「勝つためには手段を選ばない。しかしながら我々は同じ土俵にのるべきではない。一緒に近代的価値を守るために闘う」と呼びかけた。

「ヘイトスピーチはヘイトクライムと呼ぶべきだ」

 ラブピースクラブ主宰の北原みのり氏は、「幼い少女への性的欲望をファンタジーにしようとしている」として小児性愛を批判しているという。北原氏は、ろくでなし子さん逮捕に関して警察を批判した際、「ロリコンを批判する人間が女性器はいいのか」とバッシングされた。「まったく異なるものが同列に論じられている」「私たちが信じる表現の自由は本当にあったのか」と語り、表現の自由についての社会の混乱を指摘した。

 東京造形大学の前田朗教授は、ヘイトスピーチに関して、「ヘイトスピーチという呼び方をするから、表現の自由だなどという議論が出てくる。ヘイトスピーチは基本的に暴力であり、ヘイトクライムの一種だ」と述べた。憲法12条・13条・14条に謳われている近代的価値を守り、「責任ある表現の自由をどのように守るか」を考えていくことを提唱した。

「今は朝日新聞を守る時」

 海渡雄一弁護士は、「今声を上げなければ、もの言えぬ社会になっていく」と危惧を表明。朝日新聞バッシングをしている他社は「他人事とかんがえるべきではない。次は別の新聞へとバッシングが移るだろう」と語り、朝日新聞を叩く他社へ警告した。

 中野氏は「朝日新聞を敵に渡してはいけない。今は朝日を守る時だ」と述べて、政府・右派メディアに対して朝日新聞を擁護する必要性を訴えた。

(…会員ページにつづく)

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「「理性的な議論では負ける。これは喧嘩だ」~ 緊急リレートーク「もの言えぬ社会をつくるな-戦争をする国にしないために-」」への1件のフィードバック

  1. 一撮 より:

    安倍政権のなりふり構わぬ不正な言動に対して、危惧を抱く怒れる知識人達の非常に個性的な発言に元気づけられました。こういった人々による貴重な集会の存在を知ることが出来るのも、じつにIWJのおかげであると感謝しています。
    願わくば、沢山のウエッブ・ピープルにIWJの会員になってもらってこの素晴らしい動画を見てもらいたいと思います。

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