チェルノブイリ原発事故と福島第一原発事故の比較 ~ドイツ国際会議 2日目 2014.3.6

記事公開日:2014.3.6取材地: | | テキスト 動画
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(IWJヨーロッパ・鈴木樹里)

特集 3.11

 ドイツのフランクフルトで3月4日から開催されている国際会議、『原発事故かもたらす自然界と人体への影響について』」の2日目が行われた。

 はじめに、福島県から来独した今田かおるさんが、事故直後当時の経験を振り返りながら、医師としての経験を語った。

 「震災後、一日200人も診察した。すぐにでも逃げたかったが患者さんが押し寄せて、逃げることが出来なかった。3月23日に避難者のいる避難所に行った。当時、薬より必要だったのは温かい食事だった。しばらく、休みの日に避難者と一緒に食事を作る手伝いをした」

 2012年12月、かおるさんはベラルーシの医師による講演会に参加。医師たちが、政府からの圧力により、ベラルーシの現状を自由に語ることができない事実を知ったかおるさんは、ベラルーシを直接訪ね、事故から25年以上経ってもなお、甲状腺がんが増え続けている実態を見たことを語った。

 かおるさんは帰国後、子どもたちの甲状腺超音波検査を行う医師に応募。医師は、保護者から説明を求められた際、その場で結果を話してはならないというマニュアルの存在について明かしたかおるさんは、福島の子どもたちが置かれている現状を懸念している。

■全編動画 1/4 ※配信状況により、録画が一部欠けております。何卒ご了承ください。

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住民を被曝から守る機能が国や自治体にない

 同じく医師であり、福島県在住の種市靖行氏も発言し、子どもたちの医療費無料化措置に対し、疑問を呈した。2012年、政府は福島県に住民票がある事故当時18歳以下の子どもたちの医療費を無料にした。しかし、ひとたび住民票を他県に移せば、この措置を受けることができないことになっている。種市氏はこれについて、「福島県に子どもたちを呼び戻すことが目的だ」と指摘。健康被害は起こらないという前提で住民を帰還させようとしている国や自治体の対応を批判した。

 次に、ベラルーシ医療アカデミーの内分泌学科のラリサ・ダニロヴァ教授が登壇。データを記録し、共有することの重要性を説いた。

 「ベラルーシの経験から福島が学べることは、統計をちゃんと取るということ。ベラルーシでの検査は適当で、中には記録が残っていないものもある。データを統計だてて取ること。国の登録データバンクを作ることも大切だ。長期にわたってそのデータを観測することの大切さを強調したい。異常が見つかれば背景も含めて登録しなければいけない。

 ロシア、日本、ベラルーシの医師が一つのチームとなることが出来るかもしれない。私達が共にデータを集め協力しながら治療、診断方法を開発することが出来るだろう。もしかしたら日本の皆さんからも新しい方法を学び取る方法があるかもしれない」

おしどりマコ氏、日本のメディアについて語る

 昼には、フリージャーナリストのおしどりマコ氏や、サウスカロライナ大学教授のティモシー・ムソー先生らによる記者会見が行われた。

 マコ氏は自身の福島での取材に基いて、マスメディアでは報じられていない福島の現状を伝えた。

 「原発の作業員は何人も亡くなっているが、仕事中に亡くなった人だけ発表されている。例えば、家に帰って亡くなった人は発表されていない。こうした記事を書こうとすると圧力がかかる。今、福島では、安全性をアピールするために地元の食物を学校給食でも使い始めた。福島県の母親は、『福島県のものを食べさせないで欲しい』としてアピールしている」

 「日本のジャーナリストは自分たちの立場をどのように考えているか」という記者からの質問に対して、マコ氏は、

 「たくさん取材をしても、発表する段階で圧力がかかり全てを発表できない。原発事故後、マスメディアを辞め、フリーになった人も中にはいる」と答えた。

 その後、ベラルーシ出身で物理学者のミクハイル・マルコ氏による講演のほか、米国サイスカロライナ大学教授の生物学者、ティモシー・ムソー氏の講演が続き、日本からは岐阜在住の松井英介医師、医療問題研究会の高松医師、大阪赤十字病院の山本英彦医師から、福島の現状が報告された。琉球大学名誉教授で物理学者の矢ヶ崎克馬氏からは、モニタリングポストの問題点について講演が行われた。

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