【岩上安身のツイ録】台湾とウクライナ、国民国家を形成できなかった国の悲劇 2014.4.11

記事公開日:2014.4.11 テキスト

特集 IWJが追う ウクライナ危機
※4月10日の岩上安身の連投ツイートを再掲します。

 明日、台北で呉叡人さんという政治思想史の先生にインタビューを行う。この方の書いた評論が刺激的である。タイトルは「賎民宣言ー或いは、台湾悲劇の道徳的な意味」。その冒頭には、ヘーゲルの「世界史においては、国家を形成した民族しか問題にならない」という言葉が掲げられている。

 刺激的で挑発的な論文のタイトルは、ヘーゲルの「歴史哲学講義」から引用したこの差別的なテーゼへの全身での応答に他ならない。植民地にされてきた民族の、自虐のようでも、開き直りのようでもある、激しい異議申し立てである。


【岩上安身のツイ録】注目の「STAP細胞論文」~岩上安身がテレ朝「モーニングバード」で小保方氏代理人が語ったスクープ証言に言及 2014.4.8

記事公開日:2014.4.8 テキスト

特集 STAP細胞問題
※4月8日の岩上安身の連投ツイートを再掲します(4月8日)

 テレビ朝日系「モーニングバード」に8日、出演した岩上安身のコメント部分を報告ツイートします。

 最初のニュースは、みんなの党・渡辺喜美議員が代表を辞職したというニュースについて。


【岩上安身のツイ録】チョムスキー氏の講演を終えて/犠牲を強いられたユダヤ人の歴史と今後のウクライナ政変の展開 2014.3.7

記事公開日:2014.3.7 テキスト

※2014年3月6日の岩上安身の連投ツイートを加筆し、再掲します

 チョムスキー氏の講演。アダム・スミスの著作について解題始める。スミスは、今日、自分のものは自分のもの、人には渡さない、という邪な格率を標榜する支配的な人間たちのアイコンになってしまっている。しかし、スミスは、そうは考えていなかった。

 スミスは、いわば新自由主義に反論していた。今、理解されているのとは、まったく違う。利己的競争がベースになるビジョンと、人への共感、他者への幸福を気にかける互助の精神、ビジョンがある。スミスは今日、新自由主義者によって理解されているのとは違って、他者への共感を唱えていた。


【岩上安身のツイ録】緊張が続くウクライナ、その深層 ナチス誕生前史としてのクリミア戦争 2014.3.5

記事公開日:2014.3.5 テキスト

特集 IWJが追う ウクライナ危機
※3月1日の岩上安身の連投ツイートを加筆し、再掲します(3月3日)

 世界の注目の焦点は、ウクライナの首都キエフから、東方のモスクワ、そしてそのはるか南のクリミアに移った。

 16世紀以来、オスマントルコ帝国を、12度に渡る露土戦争(ロシアートルコ戦争)で叩きに叩いて、領土を拡張し、帝国を築いたロシア。そのロシアがさらに南下し、外洋に出るための出口としてボスポラス海峡まで支配しようとしたところ、イギリス、フランスの権益と対立、黒海に突き出したクリミア半島を巡って戦ったのがクリミア戦争である。19世紀、1853年から56年にかけての10回目の露土戦争のことをそう呼ぶ。


【岩上安身のツイ録】「ショック・ドクトリン」としての国家戦略特区〜作り出される「火事場」 2014.2.2

記事公開日:2014.2.2 テキスト

 田岡俊次さんのインタビュー、予想していた以上に盛り上がった。初対面なのだが、田岡さんの直近の関心はもっぱらソチ五輪でのテロ可能性にあり、チェチェンに注目。僕が独立後の初代大統領ドゥダーエフにインタビューしたことがあると告げると、クールな様子が一転、目を輝かせていた。

 ドゥダーエフ大統領にインタビューした際、彼に気に入られて、自宅にまで招かれた。チェチェンでは、自宅に招かれるとは、その家の主人が守る、ということを意味する。しかし、僕を守る約束をしたドゥダーエフは、その約束を果たせない。彼はロシアに爆殺されたからだ。


【岩上安身のツイ録】「強兵」が復活しつつある日本~岩上安身の父が語った日本軍の異常な理不尽

記事公開日:2014.1.30 テキスト

※1月21~22日の岩上安身の連投ツイートを再掲します

 日本軍の兵隊は糧食をほとんど持たずに戦場へ行かされた。現地調達。つまり現地の住民から食べ物を奪うのが前提。現地で多大な迷惑をかけ、食べ物が尽きるとたちまち飢餓に。

【悲惨な戦場】「軍人・軍属二百三十万人の戦没者、半数以上が餓死者」http://bit.ly/18tomr1

 僕の父は、一番辛いのが飢え、二番目が軍隊内の内務班教育のリンチ、三番目が病いと話していました。RT @lyricisttom: 今は亡き祖父が密林地帯で作戦中に前線から引き返すことになり、三日三晩ほぼ寝ずに虫を食べたり雨水を飲みながら退散をしたとよくお酒を飲むと言っていました。


【岩上安身のツイ録】国政にも注視! 日本の右傾化と外資のためだけの「国家戦略特区」 2014.1.29

記事公開日:2014.1.29 テキスト

※1月29日の岩上安身の連投ツイートを再掲します。

 国家戦略特区は、さまざまなメニューが掲げられているが、大きな狙いは労働者を今以上に解雇しやすくすることと言われる。「ブラック企業が「合法」に・・・安倍政権の本当の狙いは「クビ切り特区」の全国拡大?」というのは、昨秋の週刊朝日の記事のタイトル。

 この記事中で、「特区を一度認めれば、これが『蟻の一穴』となり、最終的には専門職以外の労働者すべてに対象が広がる恐れがあります」と解説しているのが、日本労働弁護団常任幹事の棗(なつめ)一郎弁護士。


【岩上安身のツイ録】国家戦略特区と営利事業化される教育~「奨学金」という名の学生ローン 2014.1.28

記事公開日:2014.1.28 テキスト

特集 2014東京都知事選
※1月27日の岩上安身の連投ツイートを再掲します。

 これから国家戦略特区について、連弾で情報発信する、と昼間も書いたが、まず、第一弾は、高士太郎さんのIWJブログ特別寄稿「都知事選の隠れた争点〜国家戦略特区とTPP」。特区のもつ危険性がひしひし伝わる内容。今夜これから、アップロードする。

 特区は、舛添氏が毎日街宣で唱えているような、「みんな、金儲けしよう」などというおめでたい話ではすまない。雇用、教育、医療など、生活に直結する分野を直撃する可能性がある。目を凝らして「現実」を見て欲しい。選挙を通じて、「争点」を凝視してもらいたい。


【岩上安身のツイ録】理不尽に抵抗する「勇気」~沖縄県名護市長選挙の取材を終えて 2014.1.25

記事公開日:2014.1.25 テキスト

特集 2014年 沖縄県名護市長選挙
※2014年1月25日の岩上安身のツイートを再掲します。

 IWJウィークリーのSTF、やっと手を入れ終えた。今号は沖縄の取材成果がぎっしり詰まっている。振り返ってみて、本当に励まされる。沖縄は癒しの島と言われるが、励ましの島でもあると思う。へこたれない。諦めない。タテもヨコも手をつなぎ合う。日本にもアメリカにももみくちゃにされてきた。

 だが、延々と恨むのではなく、日本人も米国人も中国人も迎え入れ、もてなし、交易と観光とで栄え、生き延び続けている。ミサイルが3発落ちれば沖縄はおしまい、と何度も聞いた。基地があるということは敵の標的になる蓋然性が高まる、ということだ。


【岩上安身のツイ録】「細川擁立劇」について考えておくべきこと~これだけある小泉政権と安倍政権の共通点 2014.1.14

記事公開日:2014.1.14 テキスト

特集 2014東京都知事選
★2014年1月13日の岩上安身の東京都知事選に関するツイートを再掲します。

 細川・小泉・小沢連合に世間が沸き立つのは当然だと思う。ビッグネームの合従連衡。政治的に鋭く対立していた小泉氏と小沢氏が、本当に手を結び合ったのか、という驚き。鍵を握るのはやはりマスコミを通じての影響力、大衆的な人気では、いまだに群を抜く小泉氏。

 小泉氏の「自民党をぶっ壊す」再びか、と「期待」する向きがあるのも良く理解できる。が、ちょっと待ってもらいたいのは、小泉氏がぶっ壊したあとの自民党はどう再生したか、である。


【岩上安身のツイ録】自由人権協会 藤原家康弁護士の特定秘密保護法への指摘まとめ 2013.12.7

記事公開日:2013.12.7 テキスト

 昨日まで、各界から特定秘密保護法の批判が提出され、そのほとんどをIWJは生で報じてきた。それらをIWJウィークリーに掲載するべく、今、鋭意、編集中なのだが、鋭い指摘になるほど、と膝を打つ。自由人権協会の藤原家康弁護士の指摘である。

藤原弁護士曰く「憲法を理解していない人たちが作っているとしか思えない法律」と批判。「一番の問題は立法目的がないこと。何のために作るのか、という質問に答えられない」。これは正鵠を射ている。推進側だけでなく、批判側にも公安の権限拡大のためだろうと、的外れな批判が散見される。


【岩上安身のツイ録】特定秘密保護法案成立を受けて 2013.12.7

記事公開日:2013.12.7 テキスト

特集 秘密保護法
※2013年12月7日のツイートを掲載しています。

 11時23分、特定秘密保護法が参議院で可決。その間、NHKは何を報じているかと思いきや、ワールドカップの抽選の中継。国会前の抗議の群衆に議場内の様子が伝わり、コールは「採決撤回!」へ。ch4とch6で、IWJは今も中継中!

 特定秘密保護法は、可決したが、これからが本番。この法律は戦争遂行のための秘密保護法制。米中の覇権争いのために、原発を抱えたまま、日本にとって大義も国益もない戦争に突入し、この日本列島を戦場にしていいのか。破滅は回避できるか。それが問われ続ける。生き残りをかけた戦いが始まる。


【岩上安身のツイ録】「桜前線満開中継 継続中!」2013年の桜ツイートまとめ 2013.3.29

記事公開日:2013.3.29 テキスト

2013年3月21日

今日は、ややひんやりしているものの、陽光がまばゆい。光の春。外に出るとあちこちで桜が咲いてしまっている! 今年は不意打ちの春でもある。


【岩上安身のツイ録】 山口県が生んだ「奇兵隊内閣」~TPPのバトンは菅政権から安倍政権へ 2013.3.16

記事公開日:2013.3.16 テキスト

 皮肉なことに、昨日から山口県に来ている。安倍晋三氏の地盤。昨日の臨時記者会見もそのために出席できなかった。TPP交渉参加を表明する会見が行われている時間は、新幹線で移動中だった。伊藤博文に山県有朋、岸信介に佐藤栄作。幕末維新以降、長州・山口県が輩出した総理は数多いる。

 西東京を選挙区とするため、山口県の生んだ総理、という中に数えられないことが多いが、民主党の菅直人元総理も山口県出身。自らの政権を郷土の英雄・高杉晋作の編成した奇兵隊にちなんで、「奇兵隊内閣」と呼んだ。そしてこの菅内閣が最初に持ち出したのがTPP。野田政権を経て、安倍政権へ。


【岩上安身のツイ録】 イエズス会の狙い「植民帝国の拡大」は現代にも通ずる 2013.3.11

記事公開日:2013.3.11 テキスト

 走りながら充電するのが、僕らのような 仕事の基本スタイル。

 ほんの少しの合間を見つけて本を読む。

 昨夜から、藤木久志著『天下統一と朝鮮侵略〜織田・豊臣政権の実像』を読んでいる。


【岩上安身のツイ録】 「日露戦争以後の参謀本部は、決定的に無能であった」―大江志乃夫氏が日本軍の弱点を斬る 2013.2.20

記事公開日:2013.2.20 テキスト

 昨夜は『日露戦争スタディーズ』を読み、今夜は同書にも寄稿されていた歴史家・大江志乃夫氏の『日本の参謀本部』を読み出す。お会いしておくべき人だった。2009年に逝去。現在のような時代にこそ必要だった人。

 この『日本の参謀本部』のあとがきに、『戦略的思考とは何か』の著者で、対米追従を一貫して説き続ける元外務省官僚の岡崎久彦氏への、痛烈な批判が記されている。『日本の参謀本部』は85年刊。『戦略的思考とは何か』は83年刊。ともに中公新書である。後者は発刊された年に読んでいた。


【岩上安身のツイ録】 歪められた歴史―日本軍・日本政府による朝鮮半島侵略の驚くべき史実 2013.2.15

記事公開日:2013.2.15 テキスト

 司馬遼太郎の『坂の上の雲』は、2000万部も売れたという。NHKでもドラマ化された。日露戦争の時代を描き、「明治の栄光」を讃える『坂の上の雲』の歴史観=司馬史観は、日本国民の隅々に刷り込まれてきた、と言っていい。

 司馬遼太郎氏は戦前の日本軍の暴走には批判的だったと広く信じられている。実際、『この国のかたち』の中で、1931年(昭和6年)の満州事変以降の日中戦争〜第二次大戦敗戦までの時代を「あんな時代は日本ではない」と、「灰皿でも叩きつけるようにして叫びたい」と述べている。


【岩上安身のツイ録】 日本の雇用をボロボロにする自民党の経済政策 2013.1.24

記事公開日:2013.1.24 テキスト

 今日のMXテレビでも話したが、昨日、物価2%のインフレ目標を掲げて、量的緩和を行うことが決定し、他方、今日は公務員の報酬削減や、生活保護の給付削減がニュースとなる。このダブルバインドぶり。おかしいと、思わないのだろうか。


【岩上安身のツイ録】 「守ってあげる」と甘言を弄して不平等条約を押しつける~100年の時を超えても、変わらない米国の戦略、姿勢 2013.1.22

記事公開日:2013.1.22 テキスト

 TPPは菅政権の際に、「第三の開国」として、唐突に持ち出された。そのTPPが同時並行で進められている日米同盟の深化(軍事的属国化)と改憲(実は米国との集団的自衛権の行使容認)とリンクしていることに、もう多くの人が気づき始めていると思う。

 第二の開国は、第二次大戦での敗戦で、第一の開国は、幕末の日米通商条約の締結。鎖国を開き、貿易を求めるといえば聞こえはいいが、米国にとって有利な条件での貿易の要求は、黒船と大砲という武力による威圧を伴うものだったことは周知の通り。同時に「守ってあげるよ」という甘言も。


【岩上安身のツイ録】 663年、白村江の敗戦のあと、日本が受容した唐風文化の謎 2013.1.13

記事公開日:2013.1.13 テキスト

 虜になるような文体の持ち主というのに、時々出くわす。有名無名問わず、である。鈴木治という方がいる。美術史家らしいのだが、『白村江〜古代日本の政敵と薬師寺の謎』という著書を手にするまでそのお名前を存じ上げなかった。