植草氏は、日本政府が保有する1兆ドルの米国債を、円安ドル高の今、売却することを提唱している。
「このアメリカ国債は、ドル安の時に、円高ドル安を止めるために買った。それが累積されて、だいたい1兆ドルになっています。
この1兆ドル分のアメリカ国債は、ドルが安い時に買っているので、おそらく平均コストは、1ドル100円くらいだと思います。1兆ドルのアメリカ国債を買うために、要したお金はだいたい100兆円です。
ドルが160円まで上がった今、この1兆ドルのアメリカ国債を全部売ると、160兆円になりますので、60兆円の利益が出る。これは、国民全員に、1人40万円から50万円のボーナスを出せる金額です」。
しかし、日本政府がこの米国債を売らない理由は、「アメリカが米国債を売らせない」からだと、植草氏は指摘している。
かつて、「米国債を売りたいという衝動に駆られたことがある」と発言した橋本龍太郎元総理は、その後、謎の死を遂げた。
また、リーマンショックの時に、「日本の外貨準備を活用すべきだ」と言ってきた米国に対し、「日本は米国のキャッシュディスペンサーではない」と発言した当時の中川昭一財務相は、そのあと、G7会合で謎の酩酊会見をし、最後は自死にまで追い込まれた。
植草氏は、「日本が持っている外貨準備(主に米国債)の話は、政治的タブーとされている」と指摘した。
さらに植草氏は、この問題の重大な点を、以下のように解説した。
「日本政府がアメリカの国債を買うということは、日本政府がアメリカ政府にお金を貸している、ということになります。
それを売却するということは、アメリカに貸しているお金を返してもらうことになります。
アメリカが、日本政府に(米国債の)売却を認めないというのは、借りたお金を返す意思がない、ということです。
これは、債券ではなく、日本のアメリカに対する贈与、『みかじめ料』です」。
植草氏は、「1番大事なこと」は、現在の約60兆円分の含み益が、ドル高のうちに米国債を売却して利益確定しなければ、「何の意味もない」「みるみる間に、また1ドル100円にまで円が上がってしまえば、利益は消えてしまう」と指摘した。
最後に植草氏は、7月31日に行われた日米協調介入の裏側について、次のように解説した。
「アメリカは、アメリカが持っているユーロを売って、円を買いました。
そして、日本政府のドル売り介入については、『レポ取引』が行われたと伝えられています。
これは、日本政府が保有するアメリカ国債を、買い戻し条件付きで、FRBに売る、というものです。アメリカは日本政府にドルを渡しますが、日本政府がアメリカ国債を買い戻す際には、そのドルには金利が付きます。
日本は、金利まで払ってドルを借りてドルを売るけれど、もともと持っているアメリカ国債の残高は変わらない。
アメリカは、日本に借りているお金を返さないばかりでなく、金利までもらえる」。
さらに植草氏によると、米国債は米国のニューヨーク連銀が管理していて、10年国債の満期が来たら、自動的に新しい国債に乗り換えさせられ、永遠に返ってこないのだという。
また、日本政府が為替介入のために米国債を保有している外為特会(外国為替資金特別会計)では、米国の高い金利による金利収入が、財務省の「小遣い」になっているのだと、植草氏は解説した。
■【6】エッセンス版


































