大きな地震に遭遇すると、原発の変圧器は火を噴く! 運転延長が認可された東海第二原発は、何が起きてもおかしくない! 断層の中に埋まっているのが日本列島!!~2.24 能登半島大地震から考える 東海第二原発(日本原電)―登壇:山崎久隆氏(たんぽぽ舎共同代表) 2024.2.24

記事公開日:2024.3.8取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

2024年2月24日午後1時30分より、東京都千代田区の日本教育会館にて、「とめよう! 東海第二原発首都圏連絡会」の主催により、たんぽぽ舎共同代表・山崎久隆氏を講師として迎えた学習会「能登半島大地震から考える 東海第二原発(日本原電)」が開催された。

 山崎氏の講義の後には、質疑応答により参加者全員で理解と知識を深めていくという趣旨で、「学習討論」の時間が設けられた。

 山崎氏は、次のように講義を始めた。

 「2024年1月1日に起きた地震、『大地動乱』の時代に今、来ているわけですけど、その真っただ中で起きた地震ですね。

 正月早々で皆さん、だいたいどこかでくつろいでいたんじゃないかと思いますが、私もそんな中、うつらうつらと昼寝したような状態で飛び起きました。

 飛び起きたのは、緊急地震速報で起きたんですけど、『いったいどこだろう』と。すぐに頭をよぎるのは南海トラフなんですが、いやそうじゃなかったってことですね。

 私の郷里に近い、能登半島でした。で、映像が切り替わって、ライブになったんですが、ライブになった中で見えた映像というのは、家が次々と倒壊していく、まさにそのライブです。家が倒壊したり、津波で流されるというのをライブで見たのは、2011年3月11日以来ですから、ものすごいショックを受けました。

 同時に、すぐそばにあるはずの志賀原発はどうなったのか、ということが頭をよぎりました。珠洲の映像は入ってきましたが、志賀の映像は、当然、あんまり入ってきませんね。そうやっているうちに志賀原発は『異常がない模様』というような話の中で、林官房長官が一言、『火災が起きたようだが、消火できました(※)』と言ったんですね。

 それを後で、間違えたということで訂正されたことになっているんですけど、いまだに私は本当なのか、訂正がですよ、本当なのかと疑っているんですが、誰も中に入って第三者が見ていないのでね。

 『起動変圧器』というのは、電源を通す。発電所から送電網に電源を通す。出入りがあるところの非常に重要な機器ですから、そこが発火するというのは、2007年7月、中越沖地震によって、柏崎刈羽原発3号機が燃え上がった事件を覚えていらっしゃると思うんですね。あれと同じということになるわけです。

 もうひとつ言うなら、2011年3月11日の女川原発1号機、これがタービン建屋の中の遮断機というものがあるんですけど、それにつながっている配電盤が10台全部燃えるという事件がありました。福島第一原発事故はあまりにも衝撃的だったので、陰に隠れて、今、再稼働するなどとほざいておりますが、あの原発はあの地震で炎上してるんですよ。

 ということで、実は、大きな地震に遭遇すると、起動変圧器なり所内変圧器は『火を噴く』ものだというふうに、私も思っていますので、『またか!!』というふうに思ったんですね。そういうぐらいに衝撃的な1日を過ごしました。

 (パワポの写真を指しながら)これはタービン建屋で、この外側にある変圧器が今回故障しましたが、あとでちょっと詳しくやります。

 今日の話は、前半で『能登半島地震と志賀原発の関係』ということを、ちょっと詳しくやりますが、残りの半分で、東海第2原発(について)、この能登半島地震を受けてどう考えるべきなのか、ということを話したいと思います」。

 志賀原発は、今回の地震で外部電源を半分失ったが、最低限必要な場所が限定されていたことで、過酷事故は起こらなかった。

 また、志賀原発は運転を停止していたので、冷却すべき燃料体はプールにあった。しかし、「志賀原発が稼働していたら」という仮定にもとづき、山崎氏は様々な問題点を淡々と指摘していった。

 茨城県東海村の東海第二原発(日本原電)は、現存する日本で最も古い沸騰水型軽水炉(BWR)であり、2018年11月27日(この日で運転開始から40年経過)までに再稼働が許可されなければ廃炉になるはずだったが、2018年11月7日、その再稼働と20年の運転延長が決定された。

 原子力規制員会は、原発の安全性よりも日本原電の存続を優先したとされているが、それに加えて、2023年5月31日、「長期停止期間」を運転期間から除外し、その分だけ運転時間を延長できる「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素法」が成立し、これにより、14年余りの期間を追加で延長できる法的根拠が整った。

 これまでの稼働時間に、追加可能な運転時間を加えると、60~75年近い期間の運転となるが、これほどの長期間運転したBWRは世界中探しても存在せず、何が起きてもおかしくないと言われている。

 「要は、断層の中に埋まっているのが、日本列島です」。

 上記は、山崎氏の言であるが、そのような国に、稼働可能な原子力発電炉が33基(2023年10月末時点)もある。これがどういうことを意味するのか、あらためて考えなければならない。

 山崎氏は、この学習会に先立つ2月10日、たんぽぽ舎にて、「『能登半島地震から見える日本の原発の危険・問題点』―能登半島地震と日本の『原発の危険』を検証」と題する講義を行っている。IWJはこの講義をライブ中継した。ぜひ、以下の記事をご参照頂きたい。

 山崎氏の講義、および質疑応答の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画 前半

■全編動画 後半

  • 日時 2024年2月24日(土)13:30~16:00
  • 場所 日本教育会館 8F 第3会議室(東京都千代田区)
  • 主催 とめよう!東海第二原発首都圏連絡会(詳細

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