「台湾有事は作り話に近い」! 鳩山友紀夫氏、孫崎享氏、樋口英明氏、鈴木宣弘氏、鈴木エイト氏が熱弁!~6.14 平和と暮らしを破壊する軍拡・原発・増税まっしぐら 岸田悪政にNO!NO!NO!―そうだ、選挙に行こう!政策連合大集会 2023.6.14

記事公開日:2023.6.20取材地: テキスト動画
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(取材・文、木原匡康)

 総選挙をにらみ、政権交代を呼び掛ける集会が、2023年6月14日、東京都新宿区の四谷区民ホールで開催され、IWJが中継した。主催は政策連合(オールジャパン平和と共生)。

 登壇者は、鳩山友紀夫氏(元内閣総理大臣)、孫崎享氏(元外務省国際情報局長)、樋口英明氏(元福井地裁裁判長)、鈴木宣弘氏(東京大学教授、動画出演)、鈴木エイト氏(ジャーナリスト)ほか。進行はオールジャパン平和と共生・政策連合運営委員の政治経済学者・植草一秀氏。

 はじめに、政策連合最高顧問で、東アジア共同体研究所理事長を務める鳩山友紀夫氏が「世界平和のために日本がなすべきこと」と題して講演を行なった。

 鳩山氏は「プーチンは悪人でゼレンスキーは善人」との風潮を、そんなに単純なものではないと一喝。「ウクライナがNATO加盟を否定し、東部のロシア語話者居住地域の自治権を認めれば、ロシアの侵攻はなかった」と指摘した。さらに、米国によるロシアの協定案拒絶や、2014年のマイダン革命での親ロ派政権転覆を批判し、「NATOの東方不拡大」の約束破りや、ロシア語話者の民族浄化を糾弾した。

 一方、鳩山氏は「台湾有事は作り話に近い」として、岸田政権の防衛費増額は、増税云々より「日本を戦争に巻き込むことが問題」だと批判した。さらに鳩山氏は、軍事的抑止力を高めれば相手も高めるという「抑止力のパラドックス」を指摘。台湾は「現状維持」がベストだが、台湾有事を煽る米日の右派に、日本政府が同調することが怖いと述べた。

 習近平主席との会談で、鳩山氏が中国の「一帯一路」政策は「友愛の精神」、論語の「仁」「恕」だと述べると、習氏は「恕」すなわち「己の欲せざるところ、人に施すなかれ」で推進したいと答えたという。鳩山氏は、台湾独立派を鼓舞する米日の挑発は危険だとして、南西諸島への自衛隊のミサイル配備中止等を訴えた。

 次に、東アジア共同体研究所理事・所長を務める孫崎享氏が「ウクライナ戦乱と台湾有事」と題して講演を行なった。

 孫崎氏は「敵基地攻撃」に関して、日本は「真珠湾攻撃」で大成功したと指摘。しかし、それがもたらした運命は「日本人が一番知っている」と警鐘を鳴らした。無謀な敵基地攻撃論で、米国の中国・北朝鮮攻撃に利用される日本は、ウクライナと同じとした。

 また、孫崎氏は「プーチンの目的は領土的野心でなく、防衛目的のNATO拡大阻止」であり、「ゼレンスキーはNATO非加盟の約束や東部2州への自治権を付与できたのに、しなかった」、だから戦争が起きたという趣旨の発言をしたのが、実は安倍晋三元総理だったと指摘。それが報じられない理由は、安倍元総理より強い米国にあるとした。

 この話は「陰謀論」とも言われるとした上で、孫崎氏は、安倍元総理銃撃事件の担当医師の発言と、映像記録の齟齬を指摘。山上徹也容疑者以外の狙撃犯の存在を示唆した。そして、ウクライナ側の戦争責任を明言した安倍元総理の死によって初めて、G7サミットのロシア非難声明が可能になったと指摘。しかしそれに誰も触れないのは(米国が)「怖いからだ」「この国は怖い国になった」と訴えた。

 2014年、大飯原発の運転差し止め判決を下した裁判長として知られる樋口英明氏は「私が原発を止めた理由」と題し講演を行なった。

 樋口氏は「原発問題は難しくない、2つだけ理解すればよい」と明言。1つは「原発は人が管理し続けないといけない」つまり「電気と水で原子炉を冷やし続けないといけないこと」。もう1つは「管理を外れて事故が起きた時の被害が絶大なこと」だという。

 また、樋口氏は、原発問題は国防問題だとして、日本は「海岸沿いに54基の原子炉を並べた時点で敗戦確定」と指摘。「敵基地攻撃能力」を言いながら、原発を増やすとは、「仮想敵国やテロリストは原発を狙わないという、高い信頼があるのだろう」と皮肉った。

 休憩を挟み、第2部冒頭で、来場した高良鉄美参議院議員(沖縄の風)、川内博史元衆議院議員(立憲民主党)、篠原孝衆議院議員(立憲民主党)が挨拶した。

 鈴木宣弘東京大学教授は体調不良のため、会場で「農業消滅」と題した講演動画が流された。

 鈴木教授は「日本の食料自給率は38%で低いといわれるが、実質はもっと低い」として、自給率80%とされる野菜は種の9割が輸入、化学肥料もほとんど輸入で、輸入が止まれば野菜の自給率はわずか4%に激減すると指摘した。

 鈴木教授は、ウクライナ紛争で各国が肥料や食糧の輸出をセーブする中、日本は農業支援どころか、農水予算は2兆円から増加が認められない一方で、防衛予算は5年で48兆円、再エネの買取費用は4.2兆円だと、アンバランスを訴えた。

 鈴木エイト氏は、「自民党は統一教会との関係を断ち切れるのか」と題して講演を行なった。

 鈴木氏は、統一教会について、韓国軍事政権下での発祥や日米での拡大の経緯、勧誘や搾取の実態、自民党議員と教団の関係、2世信者の問題、安倍元総理銃撃事件以降の展開と、被害者救済法による「幕引き」の問題など、時間が限られた中で、盛りだくさんの話題を紹介した。

 その上で鈴木氏は、「次の本丸は菅(義偉前総理)さん」だと述べ、さらに「解散命令請求」に関しては「熱い夏」になると予告した。

 最後に、「そうだ、選挙に行こう」と題する政策連合のメッセージを、政策連合運営委員の安田節子氏が発表した。

 詳しくは、全編動画を御覧いただきたい。

 なお、登壇者に関する岩上安身のインタビューは、以下で御覧いただきたい。

■全編動画

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