2023年2月8日午後1時30分より、東京都千代田区の衆議院第2議員会館にて、「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」の主催により、「#軍拡より生活!~未来の子どもたちのために平和を!」と題して、軍事費増大の方針撤回と生活者の目線にたった政策を求めるオンライン署名約7万5000筆の署名簿提出と記者会見が行われた。
登壇者は、ジャーナリストで和光大学名誉教授の竹信三恵子氏、杉浦ひとみ弁護士、WAN(ウィメンズアクションネットワーク)理事長で東京大名誉教授の上野千鶴子氏、日本女医会会長の前田佳子氏、法政大前総長の田中優子氏、ザ・アール創業者の奥谷禮子氏、ヒューマンライツナウ副理事長の伊藤和子氏弁護士、ライターの和田静香氏、市民運動家の菱山南帆子氏、アクティビストの福田和香子氏、漫画家の東村アキコ氏の11名。
会見冒頭、署名立ち上げの趣旨と会見の流れなどについて、杉浦ひとみ弁護士が次のように語った。
「2015年の安保法制の強行成立によって、日本の専守防衛の姿勢は揺らぎました。そして、昨年(2022年)末には安保関連3文書を閣議決定し、敵基地攻撃能力を持つ、あるいは防衛予算の拡大の方向が明らかになりました。
この国の流れは明らかに外交による平和の道を捨て、再び戦争への道を進み始めていることが明らかになりました。私たちは、この社会の流れを何とかして止めなければいけない。
そのためには、地に足をつけて、生活や平和を守りたいと考える『女性目線での政治』が必要だと、そういった危機感によって集まったメンバーです。
今回、『#軍拡より生活』と銘打ったのは、生活に根ざした声であり、署名を集めたのはこの活動の狼煙(のろし)です。この会の現状は、今日を目指して、私たちは走ってまいりましたが、1ヶ月足らずの間に約7万5000の署名(2月6日22時時点で7万4900筆)が集まりました。
同じ思いの多くの方たちの声を聞き、これからどのような活動をしていくかについては、今一度しっかり検討していきたいと考えております」
続いて、法政大学前総長の田中優子氏が、政府与党、野党各党代表、そして連合代表への要求として、「軍事費GDP比2%を撤回すること」、「歯止めなき軍拡を押し進めることをやめ、そして女性や子ども、若者や社会的弱者の目線に立った政策を進めること」の2点を読み上げた。
- #軍拡より生活!~未来の子どもたちのために平和を!(change.org)
そして、約7万5000筆の署名簿が野党各党の代表者9名に直接手交され、それぞれの議員から受けとめのメッセージが表明された。
登壇した10人の女性たちも、それぞれが「#軍拡より生活を」というスローガンへの思いを語った。
日本女医会会長の前田佳子氏は、「このようなところに出てくるのは初めてですので、ちょっと緊張しています」としつつ、以下のように思いを表明した。
「ここで特に強調したいのは、『おかしいことはおかしいと言いましょう』ということです。黙っていると、おかしいことがまるで正しいかのように見えてしまうからです。
岸田さんは、軍事費を5年間で43兆円使うと、アメリカに約束をしました。
国の1年の予算の財布は一つしかありません。軍事費を増やすとなれば、他の予算を減らす必要があります。予算の3分の1を占める社会保障費が減らされる可能性があるんです。
物価が上がり、給料は上がらず、たくさんの人が苦しい思いをしているのに、社会保障費を減らすことは正しいでしょうか? おかしいですよね。
社会保障費に占める医療費給付費の割合は、額は増えていても、年々減っているんですね。割合としては、昨年、10月には高齢者の窓口負担が1割から2割に増えました。国立病院機構やJCHO(地域医療機能推進機構)の予算を軍事費に回すことが計画されています。
コロナを5類に移行すると、患者さんの負担が増え、病院はさらに収入が減ります。
軍拡のために大切な税金を使うのはおかしい。『この愚か者めが!』といった議員さんがいましたけれども、その言葉をそのままお返ししたいです。
署名して下された方に感謝いたします。ありがとうございます」
質疑応答を含め、会見の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。