袴田巌氏本人が登壇、発言!「戦いがあるということで今日は出場して来た。戦いに勝つということが重要」~5.19 再審法改正をめざす市民の会 結成4周年記念集会「袴田事件の再審確定 つなげよう再審法改正へ」 2023.5.19

記事公開日:2023.5.22取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

 2023年5月19日正午より、東京都千代田区の参議院議員会館にて、「再審法改正をめざす市民の会結成4周年記念集会『袴田事件の再審確定 つなげよう再審法改正へ』」が開催された。

 集会では、袴田巌さんの姉・袴田秀子さん、袴田弁護団団長の西嶋勝彦弁護士、元裁判官で現袴田弁護団の水野智幸法政大学教授、映画監督の周防正行氏、そして、2014年3月の静岡地裁・袴田事件第二次再審請求審で、裁判長として、「これ以上、拘置することは耐え難いほど正義に反する」と述べ、拘置の執行停止と再審開始を決定した、元裁判官の村山浩昭氏などが登壇した。

 集会開始直前には、袴田巌さん本人も参加するとの知らせが入った。報道陣がカメラを構えて見守る中、巌さんは、姉・秀子さんを先導するかたちで入場し、関係者席までしっかりとした足取りで歩き、用意された関係者席に着いた。

 巌さんと一緒に登壇した秀子さんは、次のように語った。

 「長いことかかりましたが、再審開始になりました。皆さまのおかげでこういう席に出れるようになりました。私は、本当にうれしく思っております。長い間、ありがとうございました。

 私は、巌だけ助かればいいと思っておりません。巌ももちろんですけれども、再審で苦しんでいる方にも、皆さんに助かっていただきたい。石川さん(※IWJ注)も、今日お見えですが、石川さんも、今度ぜひ、再審開始になっていただきたいと思う」

(※IWJ注)石川さん:
 1963年、埼玉県狭山市で女子高生が殺害された狭山事件で逮捕された石川一雄さん(84)。
 1ヶ月にわたる取り調べによる自白で、一審は死刑判決。
 1964年に控訴審が開始されて以降、無実を訴えているが、二審では無期懲役が確定。
 1994年に仮出獄し、2006年に第3次再審請求。
 再審可否の判断に向け、「裁判所は事実調べを行うべきだ」との声が上がっている。
参照:

 秀子さんの挨拶に続き、巌さんからも発言があった。聞き取りにくい部分が多々あったが、概ね、以下のような内容であった。

 「今日で2日目になります。東京に来て、2日目になりますが、戦いがあるということで、物言うなと言われていたが、何が起こるかわからんから、物言うんじゃないと。

 そういうことで、今日は出場して来たということでございます。

 まあ、戦いに勝つということが重要で、いつも勝ってきた。すべての勝負に勝ってきて、全世界の(聴き取り不能)で試合をしている袴田巌でございます。

 戦いはどこまでも続く、世界の戦いでありまして、どういうふうに切り回して、日本の北と南だね、(聴き取り不能)これだけの機会をもっているんだから、袴田巌が、自分の機会を持っているんだから、これ以上強い者はいないんだと、いうことでございます」

 現行の再審法(刑事訴訟法第四編)の条文がもたらす「冤罪」によって、理不尽に人生を踏みにじられた人々の「戦い」は、いまだ終わっておらず、現在進行形のものである。

 この集会を主催した「再審法改正をめざす市民の会」は、適正な最新ルール作りのために、(1)再審のためのすべての証拠の開示、(2)検察官の不服申し立ての禁止、(3)再審における手続きの整備、の3つの改革を提言している。

 「再審法改正をめざす市民の会」の活動内容の詳細はウェブサイトをご参照頂きたい。

 また、同サイトでは、再審法改正(刑事訴訟法の一部改正)を求める国会請願署名も可能となっている。

 集会の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画

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