2023年3月13日午後2時、東京高裁前にて、いわゆる「袴田事件」の再審開始決定の報告が行われた。
この日、あいにくの雨の中、袴田巌さんの再審無罪を求める実行委員会(アムネスティ・インターナショナル日本)、日本国民救援会、日本プロボクシング協会 袴田巖支援委員会、袴田巖さんの再審を求める会、袴田巖さんを救援する清水・静岡市民の会、袴田巖さんを救援する静岡県民の会、袴田さん支援クラブ、浜松・袴田巖さんを救う市民の会、無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会、そして、報道関係者など、多くの人々が東京高裁前の歩道を埋め尽くし、「旗出し」の瞬間を、それぞれの想いをスピーチしながら、待ち続けていた。
「旗出し」は、スピーチ集会が始まって1時間が経過したころに行われた。「検察の抗告を棄却」、そして「再審開始」と書かれた旗がひるがえり、集まった人々は歓声をあげ、抱き合い、互いをねぎらいあった。
その後、袴田巌さんの姉である袴田ひで子さんと、弁護団事務局長の小川秀世弁護士が現れ、報道陣のインタビューに応じた。
ひで子さん「みなさまありがとうございます。再審開始になりました。本当にうれしいです!! 闘って来た甲斐がありました。本当にありがとうございます!! ただうれしい!ただうれしい!本当にうれしゅうございます。(中略)
あのねえ、ともかくねえ、私は56年間闘っているんですよ。この日が来るのを、本当に、心待ちにしておりました。これでやっと肩の荷が下りたという感じでございます。本当にありがとう!」
小川事務局長「私は、当然だと思っていたんですよ。…だけど、みんなが喜んでくれるから…本当にうれしい!! 」
小川弁護士は、この「再審開始」の決定について、ひとつの懸念を口にした。
小川事務局長「今日、検察官、検察庁に対して、『特別抗告』をするなという申し入れ(※)をしに行く予定でおります。ただ、決定の内容を見ますとね、『犯行着衣』ではないというところははっきりと否定してくれていますので、そういうところで、もう、検察官はね、何も、今まで立証もできなかったわけですから、もう抗告することは事実上できないと思います」。
- 「袴田事件」再審開始支持決定を評価し、検察官特別抗告の断念を求める会長声明(日本弁護士連合会HP 2023.3.13)
もし、検察が「特別抗告」をすれば、再び最高裁において事件が審理されることになる。弁護団や支援者らは、取材に集まった報道関係者に向けて、「検察が『特別抗告』を断念するように、きちんと釘を刺してほしい」と何度も訴えた。
現在、特別抗告期限である3月20日に向けて、検察庁の「特別抗告」を阻止するための署名活動(※)も展開されている。袴田巌さんご本人、姉のひで子さん、そしてすべての支援者・関係者のみなさんの長過ぎる闘いに終止符を打つために、ぜひ、署名をお願いしたいと思う。
- 【まだ可能性はあります】冤罪袴田事件、検察庁は再審開始を認めた東京高裁決定に対して特別抗告をしないでください。【特別抗告期限3月20日!!】★あなたの署名だけが必要です★寄付不要♪(change.org)
詳細についてはぜひ全編動画をご視聴ください。