GX法案は虚構の上に築かれている! 終わりつつある原子力産業をお金つぎ込み救済!~5.9_原発GX法を廃案に! 参議院議員会館前行動に結集を! (―登壇:村田弘氏、宇野朗子氏、菅野正寿氏、アイリーン・スミス氏、武本和幸氏、森山拓也氏ほか) 2023.5.9

記事公開日:2023.5.10取材地: テキスト動画
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(取材・文、木原匡康)

 「GX脱炭素電源法案」(原子力基本法、原子炉等規制法、電気事業法、再処理法、再エネ特措法の改正案5つを束ねたもの)が2023年4月27日に衆議院で可決、参議院本会議に回されることになった。

 運転期間の上限撤廃をはじめ、原発活用を強引に進める法案の成立を阻むため、参議院議員会館前での連続アクションが、5月9日(火)に行われ、IWJが中継した。主催は国際環境NGO FoE Japan、原子力規制を監視する市民の会、原子力資料情報室、さようなら原発1000万人アクション、許すな!憲法改悪・市民連絡会、Fridays For Future Tokyo。

 11日(木)、18日(木)も実施予定。

 満田夏花氏(FoE Japan)を司会に、計12名に上る以下の方々が、オンライン(※印)も含め発言した。

村田弘氏(福島から神奈川に避難、福島原発かながわ訴訟原告団長)、岩渕友氏(参議院議員、日本共産党)、福島瑞穂氏(参議院議員、社会民主党)、※宇野朗子氏(福島から京都に避難)、※菅野正寿氏(福島県二本松市在住、有機農家)、※アイリーン・スミス氏(環境ジャーナリスト、グリーン・アクション代表)、※武本和幸氏(「原発反対刈羽村を守る会」代表、刈羽村村議会議員)、森山拓也氏(気候ネットワーク)、阪上武氏(原子力規制を監視する市民の会)、高野聡氏(原子力資料情報室)、木村雅英氏(経産省前テントひろば、再稼働阻止全国ネットワーク)、一般参加の方。

 福島から避難した村田氏は、「国は避難地域を次々と解除し、通常の20倍ぐらいの放射線は大丈夫、福島に帰れと追い立てた。ところが今、殆どの避難した方々が帰る余地がなくなっているのを見て『もうあんたがた帰らなくていいよ。よそから来る人たちを呼び込んで、何とかする』と、まさに棄民の最たる状況」と批判した。

 アイリーン・スミス氏は、「世論調査の『60年を超える運転期間延長を支持しない』が71%などの結果を議員に示し、『選挙怖くないの?』と言いたい」と訴えた。

 4月の統一地方選で刈羽村議に当選した武本氏は「GX法案が仮に成立しても、推進派は生き残れないだろう。今回私を当選させたような原発批判の世論が地元に確実にある」と述べた。

 気候ネットワークの森山氏は「政府は原発活用の理由を脱炭素と言うが、2011年以降、殆どの原発が動いてないのに、CO2排出量は減った。再エネや省エネの普及が進んだからだ。環境省調査で、日本は再エネで電力需要の2倍を賄うポテンシャルがある」「しかし原発に頼ると、再エネ拡大にブレーキがかかる」「また、原発新設は2040年代以降が予想され、30年までにCO2排出半減が必要な気候危機対策に間に合わない」と指摘した。

 アクション終了後、原子力規制を監視する市民の会の阪上氏に、IWJ記者が「改めて強調したいこと」を聞くと、「(GX法案は)全体的に虚構の上に築かれている。世界的な原発回帰とか、エネルギー危機など、状況にかこつけ、終わりつつある原子力産業を、お金をつぎ込み救済しようとしている」「もう一つ問題は、原子力規制委が、これまでの規制の役割を自ら放棄する動きだ」と答えた。

 さらに「戦争できるような政策が進められる中、いちばん標的となる原発が何の防御もされてないように見える」と聞くと、「そこも非常に無謀だし、輪をかけて危険な状況。とにかくいろんなものを突っ走らせている。そんなに考えもなしに、非常に危険な方向に日本を走らせようとしている」と答えた。

 詳しくは、全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画

  • 日時 2023年5月9日(火)18:30〜
  • 場所 参議院議員会館前(東京都千代田区)
  • 告知 FoE Japan 声明:原発GX法案の衆院可決に抗議
  • 主催 国際環境NGO FoE Japan、原子力規制を監視する市民の会、原子力資料情報室、
  •    さようなら原発1000万人アクション、許すな!憲法改悪・市民連絡会、Fridays For Future Tokyo

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