2021年11月9日、市民団体らが東京・千代田区の参議院議員会館で、「食品等の出荷制限」における放射性物質100ベクレル/kg緩和案の撤回を求める、とした署名を厚生労働大臣に提出した。さらに、厚生労働省の担当官に対し、市民らがヒアリングを行う集会が開催された。
今年3月、自由民主党の東日本大震災復興加速化本部「食品等の出荷制限の合理的なあり方検討プロジェクトチーム」(座長・根本匠衆院議員)は、福島原子力発電所の事故後に設定された放射性セシウム濃度に関する食品の安全基準(1キログラムあたり100ベクレル)を緩和するよう政府に求めた。
これに対し、市民らが行っている市民放射能測定データサイト「みんなのデータサイト」が呼びかけ団体となって、「食品等の出荷制限」における放射性物質 100ベクレル/kg緩和案の撤回を求める署名を集めて、厚生労働大臣と自民党の「食品等の出荷制限の合理的なあり方検討プロジェクトチーム」の座長・根本匠衆院議員宛てに提出、基準を緩和しないよう求めた。集めた署名は、3万5456筆に上った。
「みんなのデータサイト」共同代表の阿部浩美さんは「10年たって食品の放射線は下がってきているのでさらに下げることは可能だ」「国民の健康と安全を確保するという意味合いからは基準値をもっと下げるというならよくわかる」と、「基準策定の経緯を検証する」とした厚労省の姿勢に疑問を呈した。