2022年10月25日(火)午後5時から、東京都千代田区の参議院議員会館で、立憲民主党・憲法調査会による、「国葬、旧統一協会問題と憲法との関わりについてヒアリング」と題する集会が催された。国際憲法学会副会長である、早稲田大学法学学術院の長谷部恭男教授が講師を担当した。
「国政上の重要事項に関しては、国会での審議と決定が必要である」という考え方を、長谷部教授は強調した。
「何故これが必要なのか、根本をたどっていきますと、それは『重要事項法理』であろうと。国政上の重要事項である以上は、全国民を代表する国会での審議と決定が必要であると」
近年の新自由主義政策に伴う行政権力の肥大化に対して、唯一の立法機関である国会の審議と決定が、やはり必要ではないのか、そのように長谷部教授は問題提起をした。
「今回の場合、そもそも、本予算外の執行に関しまして、予算を支出することになります。本来でしたら補正予算の審議・議決という形で、国会は必要ではなかったのか。そういう問題もあるだろうと思います」
補正予算を組む十分な時間がありながら、それに付随する国会での審議を迂回できるのは、憲法87条の予備費制度があるからである。
- 日本国憲法第87条(参議院)
長谷部教授は、行政権の暴走の可能性を以下のように述べた。
「現在のように何兆円もの予備費を設けてしまう。これは、政府が自由に使えるお金を、あらかじめ政府に渡してしまう。自由に使ってくださいと。
旧憲法下の緊急財政処分や予算外の国庫剰余金の支出を政府に認めるというのは、旧憲法下ではありましたが、これは現憲法下でも認めているのと実際上の効果としては、同じことになりはしないだろうかと。
つまり、現在の政府と、それを支える国会議員の方々は、87条の予備費制度を、一種の緊急事態条項として使っている、ということになりはしないだろうかと」
詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。