2022年8月22日、午後2時より、東京都千代田区の衆議院第一議員会館にて、安倍元首相の「国葬」中止を求めるアピール賛同署名開始の記者会見が開催された。
署名の呼びかけ人として会見に登壇したのは、専修大学の石村修名誉教授、高千穂大学の五野井郁夫教授、日本体育大学の清水雅彦教授、東海大学の永山茂樹教授の4名。
会見では4名それぞれが安倍元総理の「国葬」が中止されるべき理由を語り、上野千鶴子氏ら、その他の呼びかけ人からのメッセージが掲載された資料も配布された。
7月22日に閣議決定された安倍元総理の「国葬」(9月27日実施予定)に対して、多くの疑問・反対の声が上がっている。反対の理由はいくつかある。
まず、個人の葬儀を国が行うための根拠法がないこと。次に、特定個人の葬儀費用を税金で執行することは、法の下の平等、思想・良心、信教、表現の自由を侵害すること。そして、安倍氏の政治的な業績に対する評価が定まっておらず、むしろ、「行政の私物化」や「国会軽視」などの点については、いまだに、厳しい批判にさらされていることなどだ。
政治学者である五野井教授は、安倍元総理が亡くなったことで「従一位」の位階を受けたが、最後の国葬となった吉田茂は「正三位」、国民葬の佐藤栄作は「従四位」、内閣・自民党の合同葬だった中曽根康弘は「従六位」を、それぞれ生前に授与されていたと述べた上で、次のように語った。
「生前に位階を授かったということが、この国においては、一番わかりやすい政治の業績です。
そして、安倍元首相においては、その業績がありません。明確です。私が言っているのではなく、国が決めている基準です。
国が決めている基準として、生前に業績がなかったことが明々白々なんです」。
五野井教授は「国が冷静に判断した業績として、位階が安倍さんにはありません」と述べ、閣議決定に法的根拠がないこととあわせて「まず、『業績がない』、そして、もうひとつ、『法的根拠がない』、という、薄弱どころか、両方ともないんですね。ないものについて、我々の税金を使うというのは、やはり、いかがなものかと思っています」と語った。
五野井教授は、「コロナ禍で炊き出しに並んでいる人もまだたくさんいる」と指摘し、「国のためを思うのであれば、生きてる方、今苦しまれている方のために使うべきではないでしょうか」と訴えた。
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