「提訴するのは容易ではなかった!政府や福島県は福島原発事故による健康被害はないと決めつけ、メディアによってその認識が日本社会に浸透しているからだ!」~3.2「311子ども甲状腺がん裁判」弁護団記者会見 2022.3.2

記事公開日:2022.3.2取材地: テキスト動画
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(取材、文・渡会裕)

 2022年3月2日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で、同協会主催の「311子ども甲状腺がん裁判」弁護団による記者会見が行われた。

 「311子ども甲状腺がん裁判」は、2022年1月27日、福島第一原子力発電所の事故によって放射線被曝をし、甲状腺がんにかかったとする若者6人が、東京電力に対して計6億1600万円の賠償を求めた民事訴訟。

 原発事故の放射線被ばくによる損害について、原発作業員以外の住民が東京電力を訴える集団民事訴訟はこれが初となる。

 会見で、弁護士の井戸謙一・311子ども甲状腺がん裁判弁護団長は「原告らが提訴するのは容易ではなかった。なぜなら日本政府や福島県は福島原発事故による住民の健康被害はないと決めつけ、メディアによってその認識が日本社会に浸透しているからだ」と述べた。

 続けて、「被ばくによって甲状腺がんになったと主張すれば、福島の復興を妨害する風評加害者として周りからバッシングされる」と原告らが置かれている特殊な事情について訴えた。

 また、井戸弁護士は「原告らが提訴を決断した動機は賠償だけではない」と述べ「彼らは福島原発事故後、同じ様に甲状腺がんに罹患した300人近い若者たちに声を上げる勇気を持ってほしい」と語った。

 井戸弁護士は話を継いで「そして法律によって福島原発事故による被害者全員に対し広島・長崎の原爆被害者と同じように、生涯にわたって医療や生活を援助する制度を作ってほしいという願いを持って決断した」と述べた。

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