2022年1月31日、東京都千代田区の東京地方裁判所で、種子法廃止に関する違憲確認訴訟の第6回口頭弁論が行われ、原告及び原告弁護団と支援者らが、衆議院第二議員会館で報告集会を開いた。
種子法廃止に関する違憲確認訴訟は、2017年4月の通常国会で種子法の廃止が決定されたのを受け、2019年5月、農家や消費者らが原告となり国を相手取って地位確認や損害賠償を求めて提訴したもの。
1月31日の第6回口頭弁論では、第5回期日から変わった新しい裁判長により、映画『タネは誰のもの』(2020年、監督・原村政樹、プロデュース・山田正彦)が証拠として採用された。
『タネは誰のもの』は、地方公共団体(茨城県など)によるタネの品種開発、奨励品種のタネが一般農家に届くまでの過程を記録したドキュメンタリー映画で、証拠提出に際して原村監督が新取材を加えて再編集・縮尺版としたもの。
集会では、午前の法廷で上映された、再編集・縮尺版の『タネは誰のもの』が披露された。
今回法廷で陳述された第5準備書面「司法審査の在り方」を作成した、岩月浩二弁護士は「種子法廃止法案の国会提出とその過程に瑕疵がある」と述べ「我が国農政の基本は食料・農業・農村基本法に立ち返るべき」と訴えた。
続けて岩月氏は、種子法廃止法案成立過程について「本来審議すべき専門家の会議『食料・農業・農村審議会』に諮問せず、規制改革会議の農業ワーキンググループが種子法廃止を提案し、そのまま政府が国会に出した。国会では『種子法を廃止しても今までと何も変わりません』と答弁を繰り返し、(法案は)だまし取ったものだ」と立法過程の問題を指摘した。
次回期日は、3月3日に進行協議、6月3日に証人尋問を予定している。