自民党総裁選での高市政調会長の改憲発言に関するIWJ記者の質問に「自民党『憲法改正草案』の人権の考え方が非常に間違っている」と福島党首!~10.13社会民主党 福島瑞穂党首定例会見―内容:選挙公約ならびに新ポスターの発表 2021.10.13

記事公開日:2021.10.13取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

 2021年10月13日(水)、午後4時30分頃より、東京・千代田区の参議院議員会館にて、社会民主党 福島瑞穂党首の定例会見が開催され、2021衆議院総選挙に向けた「選挙公約」、ならびに「新ポスターの発表」が行われた。

 会見冒頭、社会民主党 幹事長の服部良一氏より、2021衆議院総選挙公約についての説明が行われた。

 公約は、「生存のための政権交代」をキャッチコピーとするもので、コロナ感染対策として、「あらたな特別給付金10万円の支給」、「自宅療養はNO!緊急に臨時病院を開設」、また、大企業の内部留保に課税して財源とし「3年間消費税ゼロ」などを掲げる。

 また、福島党首より、マニフェスト、および新しく作成した2枚のポスター、および、「生存のための政権交代」ならびに「非正規・貧困社会からの脱却宣言!」というキャッチコピーのコンセプト等についての解説があった。

 続いて、福島党首、服部幹事長と各社記者との質疑応答となった。IWJ記者は次のとおり質問を行った。

 「社民党さんの今回のキャッチフレーズが『生存のための政権交代』ということで、とても素晴らしいキャッチフレーズだと思いますけども、その、国民の生存に関する質問を一つ致します。

 現在、自民党・政調会長である高市早苗氏は、9月26日ネットでの総裁選討論会で『居住移転の自由、職業選択の自由、外国への移住、国籍離脱の自由』を定めた憲法22条に制限を加えたいと発言しています。
 
 憲法22条と、財産権を定めた憲法29条は、経済的自由権を保障する重要な条項です。その経済的自由権を制限するに等しいこの高市氏の発言は、大手メディアも大きくとりあげず、ほとんど見過ごされています。

 また、高市氏は22条だけでなく、『人権保障の基本原則』を定めた憲法12条、『表現の自由の根拠条文』である21条の改憲にも言及しています。人権、表現の自由、経済的自由といった私権を尊重する憲法の各条項に制限を加えたいと発言していることは大変、大きな問題であると思われます。

 これら3つの条項の安易な改憲の発言について、福島党首はどのようにお考えでしょうか。また、このような改憲発言を公言している高市氏を政調会長に起用した岸田総理総裁の判断をどうお考えになるでしょうか?」

 この質問に対し、福島党首は以下のように回答した。

 「ありがとうございます。あの、私も22条や、また居住移転や色々な点についての制限規定には驚きました。それから、あの時の、自民党総裁選のときに思ったのは、自民党の憲法改正草案の考え方そのままで、『基本的人権は公益、および公の秩序によって制限できる』という考え方、『国民は、公益、および公の秩序に従わなければならない』っていう考え方を、まあ、おっしゃって、あれはまさに、『自民党日本国憲法改正草案』の根幹なわけですよね。

 つまり、国家と個人の関係が、『権力者を縛る憲法』から、『国民を縛る憲法』に逆転して、むしろ国民が、『公益、および公の秩序』に従わなければならないし、『公益、および公の秩序』によって、基本的人権が制限できるってなれば、基本的人権は木の葉のように儚いものになってしまうと。

 『天賦人権論』で、人権の比較衡量でしか人権を制限できないという、今までの考え方から180度変わってしまうので、自民党の『日本国憲法改正草案』そのものが、その人権の考え方そのものが、非常に間違っている、というふうに思っています。

 ですから、それは、実は今後、自民党総裁選では、4人共に憲法改正について前のめりでしたので、その点で、岸田さんも所信表明演説でも、憲法改正に言及されているので。

 やっぱり、(中略)社民党の『売り』はなんですか?ということで言えば、そういうことにきちっと抗して、踏ん張って、日本国憲法を生かしていく、というところが、『比例区はぜひ社民党に入れて下さい』と言えるところだ、と思っています」

 福島党首、服部幹事長の冒頭解説、および両氏と各社記者との質疑応答の内容については、全編動画にてご確認ください。

■全編動画

  • 日時 2021年10月13日(水)16:30~
  • 場所 参議院議員会館 B105(東京都千代田区)

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