2020年4月29日(水)11時より、千代田区永田町の参議院本館にて、社会民主党の福島瑞穂党首の定例記者会見が行なわれた。福島党首は冒頭、政府の政策に人の生命と生活を守ろうという基軸がないことが問題であり、今のままでは国民を守るということには遠い、と述べた。
福島氏は、「総理の肝煎りで布マスクを配るということになったが、これには問題が多い。どうしてこんなことになっているのか。総理が、現実にまったく依拠しない布マスク2枚配布にこだわった結果が今日のお粗末さだと思う。466億円あればいろんなことができる。学生への支援もある、休館を余儀なくされるミニシアターを救う“Save the Cinema” のようなこともできる。その意味でこの466億円は違うものにすべきだと思っている。ひとり一律10万円給付などが含まれる補正予算案全体には賛成するが、今まさに起きている問題についても議論を続け、成立した暁には第二次補正予算をと、布マスクのような施策でなく、こういう施策をやるべきだと、しっかり意見を言っていきたい」と語った。
また福島党首は、かねてより警鐘を鳴らしていた10万円給付の受給が世帯主ひとりに代表されて行われることのリスクに関して、申請をすれば世帯主以外の、DVなどで家から出ている女性の方などが直接受け取ることができることを報告した。
福島氏は、「この住所はシェルターのような施設でもいいということなので、このような状況の方は早めに、いますぐ、自分の自治体に申し出て申請してほしい。給付がしっかり本人に届くことが実現されるよう、これはぜひ広報されて知られてほしい」と訴えかけた。
さらに福島氏が厚生労働省に対して追及した布マスクの受注に関する問題について、「妊婦さん用のマスク、ようやく受注した4社めが明らかになりました。そこは『ユースビオ社』といい、5.2億円の随意契約です。布マスクに関してそれまでまったく実績がない会社です。私はこの件に関して4月10日に厚労省に問い合わせをしたんですが、このユースビオ社はまさにこの日に定款の変更をし、貿易をすると届け出て、いま現在登記書き換え中ということなんですが、こういう会社に政府が発注するというのがありえない。布マスクありきでこんなことになってしまったのか、誰かにこれを買えと言われたのか、そういうところを含めて、布マスクおかしいぞ!ということを追及していきたい」と述べ、報告を締めくくった。
その後、参加した記者との質疑応答において、現在の大学生の苦境と支援についての考えを問われた福島党首は、「学生さんのアルバイト、家賃、生活費に関する支援も必要でしょうし、奨学金の返済猶予などについても抜本的にやらなければならない。今すぐの話からは少し離れるが、そもそも学費が高い。私立も国公立も値上がりし、補助金は下がってきた。生活も大変、家賃も大変だけど、学費が高くて大学を辞める学生さんがいてはいけない。将来的には学費は無料化されるべきだが、今この段階では国公立私立に対する補助をしっかり出すべき。この新型コロナ感染の状況のなかでこの問題が炙りだされてきている。これらを訴えていきたい」と回答した。
また、「6月7日投開票の沖縄県議会議員選挙の告示、5月29日が迫ってきたが、この選挙にどのように臨むか」との問いには、「社民党も候補を立てているので、当選目指して頑張りたい」と回答し沖縄の状況について、こう述べました。「4月21日に防衛省(沖縄防衛局)が辺野古新基地建設の軟弱地盤改良に関して工事を進めようと設計変更の申し出をした。今新型コロナのことでどこの自治体も必死で戦っているときにこれはひどい。私自身は、この工事は工期12年で莫大なお金をかけて、しかもできない可能性の高いものだと思っている。そういう新基地建設を認めるのかどうか、ということも含めた、沖縄県民の生命と生活に関わる問題に関してちゃんとやるというのが(6.7公示の沖縄県議会選挙の)大きなテーマ。玉城デニー知事を支える人を一人でも多く当選させるべく、野党一丸となって、いや沖縄においては与党ですが、一丸となって頑張っていきたい」と決意を述べた。