2021年7月29日、東京都千代田区の参議院本館で、日本共産党の志位和夫委員長による定例記者会見が行われた。
東京で3000人を超え、全国で9000人を超える新型コロナウイルスの新規感染者が出ていた状況下で、7月28日、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードが「このままの状況が続けば、通常であれば助かる命も、助からない状況になることも強く懸念される」と表明した。
これに対して志位委員長は、会見で「医療崩壊が強く懸念されることを政府も認めている」と指摘した。
また、同アドバイザリーボードが「東京を中心に、当面は感染拡大が継続的に見込まれる」と分析しながら「こうした危機感を行政と市民が共有できていないことが現在の最大の問題」と結論付けたことに対して、志位委員長は「この原因は(政府が)国民に誤ったメッセージを出し続けているということだ」と述べた。
志位委員長は「オリンピックの開催をあくまで中止を検討しない、あくまでも続ける一方で、国民に自粛を要請しても説得力がない」と指摘し「これが国民と危機感を共有できない最大の原因・障害だ」と述べた上で「今からでもオリンピックは中止して、命を守ることにすべての力を集中すべきだ」と訴えた。
また、同じ28日に管義偉総理が記者団に対し「本日、お答えする内容がない」と答えたことに対して、志位委員長は、「一国の総理として、これは許しがたい無責任な姿勢だ」「(管総理は)絶望的なまでにリスクコミュニケーションの意思がない」と断じた。