2021年6月27日(日)、17時頃より、東京都議選に小金井市選挙区から無所属(立憲民主党、日本共産党、社会民主党、生活者ネットワーク、新社会党、緑の党グリーンズジャパン推薦)で立候補した、漢人明子(かんどあきこ)候補が、中央線武蔵小金井駅南口で街頭演説を行った。応援演説として、保坂展人・世田谷区長、松下玲子・武蔵野市長が駆け付けた。
小金井市選挙区は定数1議席を、現職・つじの栄作候補(都民ファーストの会)、新人・広瀬まき候補(自民)と、新人の漢人候補が争う。漢人候補は2013年まで小金井市議を4期16年つとめ、前回2017年の都議選に立候補したものの、次点となった。
街頭演説で漢人候補は、小金井市選挙区で争点となっている、自然豊かな動植物環境を破壊する、国分寺崖線と野川を通る都市計画道路の阻止を、次のように訴えた。
「前回、大きな問題となったハケ(国分寺崖線)や野川という小金井の大切な自然環境、これを破壊することになる2つの都市計画道路、これをストップさせたいという市民の思い。そしてこの間、市民も、市長も、市議会も見直しを求めているのに、未だに東京都はこの計画を推進しようとしている」。
小金井市の南部は、立川市から世田谷区、大田区へと続く、古代多摩川の形成した河岸段丘・国分寺崖線が通っている。「はけ」とも呼ばれる国分寺崖線に沿って野川が流れ、湧水が多い特徴的な地形は東京都の緑地保全地域にも指定され、地域住民に親しまれている。
- 28 立川崖線・29 国分寺崖線(東京都)
- はけの道と湧水(東京都)
一方、東京都が2016年に策定した「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」では、小金井市内の国分寺崖線や野川を貫く2本の道路が優先整備路線として位置づけられている。
- 「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」の公表について(東京都都市整備局、2016年3月30日)
応援演説でマイクを握った保坂区長は、自身が世田谷区長になってから東京都の都市開発計画の見直しを行なった経験を「東京都と丁々発止、ぶつかったからできた。何も言わずにやっている限り、日本中どこも同じような街になる」と強調した。
その上で保坂区長は「漢人さんは言わずもがな、最初の一言、おかしいならおかしい、だめなものはだめ、これは亡くなった土井たか子さんの名台詞でした。いいものはいいとも言いました」と述べ、この選挙区で1議席しかない都議会へ、漢人候補を送る必要性を訴えた。
演説の終盤には、「今度は漢人、今度は漢人」と、その場にいた聴衆から歓声が上がり、盛り上がりを見せた。