2日投開票を向かえた2017年東京都議選(定数127)、自民党は現有57議席から過去最低の23議席へ、34議席も失う「歴史的惨敗」を喫した。
「森友・加計学園」問題、「共謀罪」の強行採決、稲田朋美・防衛大臣の失言、豊田真由子議員の暴言・暴行などにより自民党・安倍政権への批判が高まり、自民党は今回の東京都議選で大苦戦を強いられた。
( 取材・文:谷口直哉)
2日投開票を向かえた2017年東京都議選(定数127)、自民党は現有57議席から過去最低の23議席へ、34議席も失う「歴史的惨敗」を喫した。
「森友・加計学園」問題、「共謀罪」の強行採決、稲田朋美・防衛大臣の失言、豊田真由子議員の暴言・暴行などにより自民党・安倍政権への批判が高まり、自民党は今回の東京都議選で大苦戦を強いられた。
■ハイライト
下村博文・自民都連会長(当時)の地元・板橋区では、下村氏の元秘書で自民現職の河野雄紀氏と松田康将(やすまさ)氏の2人が落選した。投票日直前に、下村氏が加計学園から200万円の違法献金を受け取ったとの報道が流れたうえに、稲田朋美・防衛大臣が地元自民党候補への応援演説で「自衛隊・防衛大臣としてもお願いしたい」などと発言し、「自衛隊の政治利用」と批判を受けたことが選挙結果に影響したと見られる。
千代田区では「都議会のドン」と呼ばれた内田茂・元自民党都連幹事長が引退し、その後継として新人の中村彩候補が盤石の地盤を引き継いで立候補したが、都民ファーストの会・樋口高顕候補に敗れ落選した。
投票日前日には秋葉原駅前での中村候補の選挙演説会に安倍総理が駆けつけ、今回最初で最後の街頭での応援演説を行ったが、集まった聴衆から「帰れ!」「安倍やめろ!」などの大コールが巻き起こり、自民党・安倍政権に対する不満が一挙に噴出する形となった。中村彩候補は落選。安倍総理の応援演説が仇となった。
東京都議選投開票日の2017年7月2日(日)23時過ぎ頃、東京・永田町の自民党本部1階の開票センターで、下村博文・自民都連会長(当時)が東京都議選の結果を受けて記者会見を開いた。
IWJからの「加計学園からの違法献金疑惑や稲田防衛大臣の失言など、自民党・安倍政権への批判が今回の都議選の敗因ではないか」との質問に対し、下村氏は「私自身のことは選挙妨害だと思っています。すぐ記者会見を開いて事実に対して説明をしました」と自身の違法献金疑惑については改めて否定した上で、「国政の問題で大きくマイナスになってしまったということについては、都議会議員候補者の方々に心からお詫び申し上げたいと思います」と述べ、自身も疑惑を持たれた加計学園問題をはじめ、国政での数々のスキャンダルが選挙結果に影響を与えたとの見方を示した。
都議選の大勢が判明した3日未明、下村氏は報道陣に「責任を取って都連会長をやめたいと思う」と述べ、都連会長を辞任する意向を表明した。
なお、IWJでは2017年・東京都議会選挙の模様を特集ページを開設して大々的に報じてきた。是非、以下のURLよりアーカイブを参照されたい。