コロナ対策は「検査」を徹底し「隔離・治療」を行うことで封じ込めていく以外ない!「世田谷モデル」提唱の保坂展人世田谷区長が検査を増やせない安倍総理、小池都知事を批判!大量検査方法「プーリング」を紹介! 2020.8.3

記事公開日:2020.8.3 テキスト
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(IWJ編集部)

※これはIWJ日刊ガイド2020.8.3日号~No.2881号に掲載された記事を加筆・修正したものです。

 世田谷区の保坂展人区長が米国ニューヨーク州を参考に「誰でも、どこでも、何度でも」PCR検査を受けられる「世田谷モデル」を提唱し、話題を集めている。この「世田谷モデル」は注目する価値がありそうだ。

 保坂区長は2日、次のように連投ツイートし、「世田谷モデル」の「詳細」を説明した上で政府や東京都の対応を批判した。

▲保坂展人・世田谷区長(2017年、IWJ撮影)

 「おはようございます。今週、大きく話題にしていただいている『世田谷モデル』について、テレビや新聞のインタビューが続きました。7月27日の世田谷区コロナ対策本部の『有識者会議』において、児玉龍彦東京大学先端研名誉教授の提案でした。PCR検査数を一挙に早く大幅に拡大していく内容です」

 「私は検討を指示しました。『体調の異変があり、何日も検査が受けられずに症状が悪化した』ということが起きないように、世田谷区・玉川医師会と共に、コロナ治療にあたる各病院とも念入りな意見交換をしながら、現状は日に300件を実現してきました。午前の受診で午後に検査をする体制も出来ています」

 「4月、PCR検査センターの立ち上げに協力していただき、5月からは『地域外来・検査センター』として集中的に検査を担ってくれた世田谷区医師会の先生方のご尽力によるものです。それでも、検査需要と感染者の急増に検査体制も拡充する必要があります」

 「大量検査の実現のために、PCR全自動検査機の導入を医師会でも検討しています。検査拠点に検査機能を移転することで、検体搬送等の時間が省略され、結果が判明する時間が短縮されます。詳細は、検討中ですが朝日新聞に報道されています」

 ここから先が重要だ。「世田谷モデル」の核は、「プーリング」という手法にある。

 「児玉龍彦名誉教授の『世田谷モデル』には、社会継続に欠かすことの出来ない介護・保育・医療等の現場で働く人々に定期的に検査をしていく『社会的検査』も含まれています。ただし、保育士だけで1万人となる現状を踏まえると、『プーリング』という方式が大量検査に対応すると言われています」

 「『プーリング』では、5検体を一緒にして、100本の検査が出来る全自動検査機で一挙に500人分の検査が可能となります。『陽性者』が5人の中に1人でもいれば、そのグループをひとりずつ再検査して特定するという考え方です。これを用いると500本検査機をまわすと2500人分が可能となります」

 CNNによると、この「プーリング」という手法は、5月に武漢市で実施されたPCR検査で用いられ、実績を上げている。5月23日までの9日間で、全住民の8割以上を対象にPCR検査を実施し、無症状の陽性者を198人確認している。「プーリング」は、「4月にドイツの研究者らが英医学誌ランセットに発表した論文の中で、多数の無症状者をふるいにかける必要がある場合の検査方法として提案」された方式だということだ。

 「『第二波』を許した私達の社会は、『PCR検査を急拡大する』ことを議論する余地はないと私は考えています。コロナ対策は『検査』を徹底し、『隔離・治療』を行うことで封じ込めていく以外にないのです。首相も、都知事も『PCR検査を増やす』と言いながらなぜ、勢いよく増えなかったを考えましょう。

 この「世田谷モデル」が、都内の他の区にも広まり、腰の重い小池都知事でも東京都としてやらざるをえない状況になることをまず願う。同時に他の道府県にも広がってゆき、最終的には「ウスノロ」そのものの政府にも、右へならえとなることを祈る。もし、頑なに、「第2波ではない」と安倍総理以下が言い続けてPCR検査をサボタージュするならば、野党に希望を託し、政権交代を実現するのみだ。

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