2021年1月19日、東京・千代田区の厚生労働省で、田村憲久(のりひさ)・厚生労働大臣による、定例の記者会見が行われた。
会見冒頭、田村憲久厚生労働大臣は、政府が今通常国会に提出する新型コロナウイルス特措法や感染症法の改正案が、罰則規定を盛り込んだことにより、日本医学会連合や日本公衆衛生学会・日本疫学会などが相次いで反対の声明を出したことに対する弁明に追われた。
- 感染症法等の改正に関する緊急声明(日本医学会連合、2021年1月14日)
- 感染症法改正議論に関する声明(日本公衆衛生学会・日本疫学会、2021年1月14日)
田村厚労大臣の弁明について、IWJ記者は「(改正案はウイルスの蔓延が)基本的に市民・国民の側に責任があるという政府の姿勢に批判も高まっている」と指摘した。これに対して田村大臣は「これは、国民の責任ではなくウイルスの責任」と答え、コロナ対策の陣頭に立つべき厚生労働大臣の認識とは到底思えない回答を行った。
田村大臣は冒頭の説明でも、あくまでも「協力要請」であり、「総合的に勘案して」などと説明をしながらも「誤解がある」と、世論の受け止め方に問題があるかのような認識を表明したが、改正法案の罰則については、政府にその裁量権が委ねられている事実にかわりがない。