2020年12月21日(月)11時40分より、東京都千代田区の厚生労働省記者会見室にて、田村憲久厚生労働大臣の定例会見が開かれた。
会見前日の12月20日(日)に入った、英国内で新型コロナウイルスの変異株が確認され、ロンドン及びイングランド南東部で都市封鎖がはじまったとの報道を受けて、IWJ記者はまず、以下のとおり質問をした。
「12月20日16時13分のTBSNewsによると、英国政府は、このたび英国内で確認された新型コロナウイルスの変異株の感染力が従来のものよりも、最大で約70%強い可能性があると発表しました。この変異株は変異部分が23カ所もあり、細胞に侵入する働きに変異が見られ、この変異がワクチンの有効性を低下させる可能性があるとも指摘されています。
また、米国ではワクチンのアナフィラキシー症状で入院した人も出たと報じられています。ワクチンに全面的に頼るより、基本に立ち返って大規模で徹底的なPCR検査こそが必要なのではないでしょうか?」
この質問に対し、田村大臣は、次のとおり回答した。
「英国の状況だが、先ほども申し上げたが、私も報道ベースだが、ジョンソンさん(ボリス・ジョンソン英首相)が、ああいう形で、『70%感染力が増している可能性がある』と。で、まだこれはしっかりとは検証できていないという話であったと思う。
だが一国の総理(首相)がそういうことをおっしゃったということで、『色々とヨーロッパの隣国も対応をしている』と。これもまた、報道ベースで、確かめている最中だ。だが、それはそれで重く受け止めなければならないと考えている。対応としては、情報をしっかり収集した上で、専門家に相談し、検討の上、早急な対応を考えねばならないと思っている。
検査、ワクチンについてだが、ワクチンは副反応、アナフィラキシーという問題は、コロナウイルスワクチンに限らず、まれではあるが、色々なもので起こる。だから、報道をもってして、一喜一憂するというよりは、我々としてはしっかりとした副反応の情報を収集した上で、これから『薬事申請・承認』のプロセスに入っていく。ですので、その中でしっかり、安全性と有効性を評価をさせて頂きたいと考えている。
そして、『検査』ですが、日本の国もかなり検査能力は増えてきている。問題は、民間の検査は精度管理ができているのかいないのかわからない。自身で独自で医療機関を通さず、または提携していない検査機関でやっていただき、仮に陽性が出ても、その後行き場を失っているという事例がたくさんある。
ですので、検査をするためには、『医療機関での検査』もしくは、『提携検査機関』での検査をやっていただくよう再度、先般の閣議後に記者会見をした。検査はある程度我々もやらねばならないと思っている。ただ、『野放図に』検査をやって、感染が減っているかというと、アメリカは、CDCの報告だったと思うが、1億8千回以上検査をしているが、やはり、感染が広がっている。
ヨーロッパでも、日本よりやっている国はあるが、日本よりも広がっていく例が非常に多い。結果として、『効果的な』検査をしっかりやり、抑え込みを進めていく。例えば、高齢者施設や医療機関、感染の拡大している地域においては、定期的にやっていただき、その上で、クラスターを作らない。重症化をさせない。ということが重要であろうということで、先般も通知を出させていただいた。行政検査を含め、そういう形で対応いただきたいとお願いしている」。
続けて、IWJ記者は、「社会的に立場の弱い人達が晒されている危機と自助、共助、公助」について、そして、「新型コロナウイルスの存在を否定している一部の学者たち」についての質問を行なった。その詳細は、全編動画でご確認いただきたい。
※新型コロナウイルスの「変異種」は、「変異株」に統一いたしました。(2021年1月20日)